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囚人から始まる裏ギルド生活  作者: ネムレス
序章ー冒険の始まり
3/97

裏ギルド

裏ギルドはツカサ以外全員NPCです。


(これは入らないといけないやつだよね?実際称号とか見てるともうまともなギルドとかには入れなさそうだし…ええぃままよ!)


ツカサは半ばヤケクソ気味にYESボタンを押す。


「オーケー。お前の意思はわかった。これでお前も俺達の仲間だ。ようこそギルド『シュヴェルツェ』へ。俺の名前はローグだ。よろしくな。」

「ツカサです。よ、よろしくお願いします。」

「簡単にこのギルドのことを説明しとくぞ。俺達の仕事内容は大半が裏の仕事だ。盗みや殺しなど多岐にわたる。」

「殺しというのは…人を殺すのですか?」

「あぁ。ただ依頼内容は選ぶぞ。下衆からの依頼なんぞは死んでも受けん。逆にそういう奴らを殺す。」

「成程…。」

「安心しろ。お前は当分一番簡単な依頼しか回さんさ。それに鍛えないといけないだろうからな。まだ戦ったこととかないだろ?」

「はい。剣すら握ったことがありません。」

「ならこれを使え。鉄製のダガーだ。基本的に俺たちはダガーを使っている。全ての鍛錬が終わったらミスリルのやつをやる。頑張れよ。」

「ミスリル?」


ツカサは聞きなれない単語に首をかしげる。


「お前ミスリルを知らないのか?ミスリルっていうのは水色をした鉱石のことだ。魔力伝導性が高い。切れ味は銀製のダガーより上だ。オリハルコンよりは劣るがな。ただ依頼をこなすにはミスリルで十分だ。」

「そんな貴重なものを良いんですか?」

「問題ないさ。ミスリルの鉱山は殆ど俺たちが取り仕切っているからな。」

「そ、そうなんですか。」


話が大きすぎてついていけないツカサであった。


「新入りはどこかの?」


ローグとの会話が落ち着き鉄製のダガーを眺めていると突然背後から声がした。


「ようやく来たか。ロン爺。」


ツカサが声のした方向を振り返るとそこには黒装束に身を包んだ老人が立っていた。


「今回の標的がちと厄介だったのじゃよ。してこ奴は誰じゃ?」

「新入りだ。ツカサっていう。」

「ほぅ。」


ロンはツカサのことをまじまじと見つめる。


「今は弱いが鍛えれば案外化けるかもしれんのぅ。」

「だろ?だからあんたに頼みたくてな。ツカサを鍛えてやってくれ。」

「いいじゃろう。じゃが潰してしまっても文句を言うのは無しじゃよ。」

「そうなったらそれまでだったという話さ。ただエレオラが見込んだ奴だ。そう簡単には潰れないと思うぜ。」

「ほぅ。エレ嬢が。それなら期待できそうじゃ。」


そう言ってロンはツカサの方を向く。


「これから鍛錬開始じゃ。余計な言動は絶対にするでないぞ。それと一瞬たりとも気を抜くでないぞ。分かったかの?」

「はい。よろしくお願いします!」


次の瞬間ツカサの目の前にはロンの拳が映っていた。


「この拳を避けれるようになるのが最終目標じゃ。」


あまりの速さにツカサには何が起きたのか理解が出来なかった。


「い、今のは?」

「ん?ただの正拳突きじゃよ。」


ロンは何事もないように言う。


「他の皆さんもそのくらいは普通なのですか?」

「儂の拳を見切れる奴はそれなりにおる。」

「まだ始まって間もないのに凄い強さですね…」

「ん?当然じゃよ。もう40年はこの仕事しているからのぅ。」

「40年!?」

「他の者達は一番経験が浅い者で10年といったところかの。」

「全員が10年以上…」


ツカサは驚きを隠せない様子である。しかし当然である。そういう設定のNPCなのだから。ただこのことを知らないツカサの思考は突き進む。


(全員が盗みや殺しを10年以上…つまり…リアルでもそっち系の仕事を!?逆らったらリアルで殺される…)


このギルドのメンバーはツカサ以外がNPCであることにツカサは気付いていない。驚愕の事実が発覚する。そして絶対に逆らわないことを誓うツカサであった。


「ツカサ。先ずはお主の装備をどうにかしないといけないのぅ。」

「あ…」


ツカサは牢獄で着ていたボロのままであった。


「イリーナや。おるか?」

「何?」


ロンが奥の部屋に向かって声をかけると少女がその部屋から出てきた。


「ツカサにギルドの装備一式作ってくれないかのぅ?」

「誰?」

「新しく仲間になった少年じゃよ。」

「ツカサって言います…」

「イリーナ。よろしく。装備なら私のお古がある。身長も同じぐらいだし丁度いいと思う。棚から持っていって。」

「承知した。わざわざ呼んですまなかったのぅ。」

「大丈夫。面白いもの見れた。」

「ツカサのことかの?」

「うん。裏の人間の気配バリバリするのに弱そう。不思議。」

「これから鍛えにいくところじゃ。」

「そうだったの。頑張って。」

「あ、ありがとうございます!」


ツカサは励まされるとは思ってなくてテンパってしまうのであった。


「あった。これじゃ。これに着替えるのじゃ。」


ロンは棚からイリーナのお古を探すとツカサに渡す。


闇の軽装鎧×1:幻想魔法消費MP-25%

 闇の籠手×1:不意打ち付与

 闇のグリーブ×1:消音

 闇のフード×1:視力強化

 を獲得しました。


ツカサはすぐに装備していく。ツカサもロンと同じく全身黒装束になるのであった。


「これで準備よしじゃな。ではデルダの森に行くぞぃ。」

「わかりました!」


ツカサはロンの後に続きギルドを後にするのであった。


「デルダの森…ツカサのこと殺す気かよ…」


残ったローグは酒を飲みながら一人呟くのであった。

久しぶりに夜に食べたピザ美味しかったですw

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