目覚め
気ままに書いております。誤字等ありましたら報告して下されば幸いです。
少年は目を覚ました。
「えっと…ここどこ…?」
少年は辺りを見回す。後ろと横は壁に囲まれている。部屋は薄暗かった。目の前には鉄格子。次に少年は自分の姿を確認する。着ているのはボロ服であった。
「へ?」
思わず少年は間抜けな声を出してしまう。
「目が覚めたか。」
突然目の前から声が聞こえた。声がした方向に目を向けてみるとそこには甲冑に身を包み槍を持った騎士が立っていた。
「あのぅ。ここは?」
少年は事態を把握するために目の前の人物に問いかける。
「ここはバルナス牢獄だ。貴様はこれまでに窃盗、強盗、殺人等の数々の罪を犯してきたようだな。だがそれもここまでだ。貴様はもうすぐ処刑されることになる。せいぜい今まで犯した過ちを悔いるんだな。」
そう言って騎士は立ち去るのであった。
(落ち着くんだ。どうしてこうなったのかを冷静に考えるんだ。)
少年は自分の記憶を辿っていくうちにどうしてこのような事態になったのかを悟る。
「昨日あのまま寝落ちちゃったのか…」
VRMMO-GWO。リアルを超えたリアルをコンセプトに広大なフィールドを冒険できるフルダイブ型のVRMMOがある。少年はそれを昨日から始めた。しかしキャラメイクとチュートリアルを終えた後に寝落ちしてしまったのである。普通はチュートリアル後に出現するゲートに入り始まりの町ヘンデルに行くのだが少年は寝落ちしてしまった。ここでAiはチュートリアル空間から少年を一刻も早く出すためにランダム転移を少年に使ったのである。
「チュートリアル終わった後に寝落ちしちゃったから罰則みたいなものなのかな…」
全くもって違う。ただの偶然の産物である。
「うぅ。どうしよう…」
キャラの再設定ができることを知らない少年であった。
「そうだ。まずはステータスの確認からしよう。ステータスオープン。」
《キャラクター名:ツカサ
LV.1
MP:100/100
スキル:隠密LV.1 短剣LV.1 スリLV.1 戦闘術LV.1
称号:〈大罪人〉〈異端児〉〈闇の住人〉〈影法師〉
》
少年ことツカサは自分のステータスを見て暫し放心するのであった。そして再起動した後に驚きの声を上げる。
「いやいやいや。おかしいでしょ!?何!?この称号は!」
ツカサは暫くして正気を取り戻しこれからのことを考えるのであった。
(こんなところで死ぬなんてゴメンだ。どうにかしてここを出ないと…)
「すいません!」
ツカサの声に反応したのかツカサの牢の前に一人の男が現れる。先ほどの騎士とは違い軽装に身を包んだ者であった。
「どうした?」
「すいません。体調が良くないみたいで…医者の方に診てもらえないかと。」
「ちょっと待ってろ。」
男はその場から立ち去るのであった。そして暫くして戻ってきた。後ろに二名の騎士を連れて。
「出ろ。処刑前に死なれても困るんでな。しっかり診て貰うようにとのことだ。それでは騎士様後はお願いします。」
「任せておけ。」
「うむ。」
ツカサは手錠を嵌められ騎士たちに連行されるのであった。
ブルーロック最近はまって読み始めました。個人的に好きなのは凪君です。