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玩具好きな先輩と根暗陰キャ後輩  作者: 吾妻 ショウ
2/8

第2幕  帰りに見た絶世の美女

メインヒロインの登場です。


 様々な食材や調味料、特売品などが書かれている携帯を見てため息が出る。


 入学式が終わり、自転車で家に帰っている途中、部屋でゲームでもしようかと思っていた頃、自分のスマートフォンが振動したので見てみると、母からの買い物依頼だった。


 正直めんどくさかったので適当な理由をつけて断ろうと思ったのだが、文面の最後に『マジでお願い』と書かれていたので仕方なくその要望に応じる。


 母は、基本やさしい性格なのだが、言葉の最初に『マジで』が付くとどうしてもかなえたい要望や譲れない事情があることを意味する。


 そのため今回は自分が折れてスーパーに向かうことにする。


 スーパーは自分の帰り道とは少し離れたところにあるので回り道をする必要がある。幸い、来た道を戻る必要はなかったのでそのままスーパーへ向かう。


 スーパーに着き、再度母から送られてきたメールを確認する。家の両親は、このご時世では珍しく二人ともガラケーを使っているため少しやり取りがめんどくさい。


 文章の中には『卵は数量限定のためもし獲得することができなければ他のスーパーをあたるように』と書かれていた。


 最初に見た時はしっかり見ていなかったため、この文章を見て眉をしかめる。ここではないスーパーとなるとかなり遠く、自転車でも片道30分以上はかかる。


 かろうじてもこの最悪な状況を奪回すべく、速足で早足で卵が売られているコーナーまで向かう。


 見てみると計ったかのように卵が1パックだけ置かれていた。


 自分の胸をなでおろし、卵パックに手をかけたところで手が重なった。


 顔をあげてみるとそこには普段だと自分とは到底関わらないような女性が立っていた。


 スラっと長い黒髪のロングヘアーにウェーブがかかっているような髪型で顔立ちはとてもしっかりしている。


 すると彼女もこちらを向いてきた。正面から見るとより一層きれいに見えてきた。しかし、梁は、女性を話すことがあまり得意ではないのでここは適当に話しをつけて他の食材を探すことに決めた。


「すいません。これ、どうぞ。」


「いや、君の手が下にあったからこれは君のものだよ。」


「いや、俺は別に大丈夫なんで」


「ウソ、だって君早足でここまで来たでしょ。その様子だとこの卵結構大事なんでしょ。私は、ゲット出来たらいいやくらいの気持ちだったから大丈夫だよ」


 そこまで言ってくれるのなら本当に貰って良いのだと思い、卵を受け取る。


「ありがとうございます。」


「全然気にしないで。それより君、その制服、利根波のだよね?私も利根高の生徒なんだ!でも在校生はまだ春休み中だから君は新しい新入生かな?私は2年の矢部 由亜奈(やべ ゆあな)だよ。これからよろしくね!」


 満面の笑顔でこちらに向かって言ってくる。こんな自分にもやさしく接してくれんだなと思ったが、自分には、この屈託のないように思える笑顔の奥がとても冷え切っているように見えた。そのため少したじろいでしまう。返答に時間をかけていると彼女の方から話しかけてきた。


「どうしたの、オドオドしてるけど何か気に障ったかな?」


「(ここは適当に切り返して早々に分かれた方がよさそうだな。)」


「いや、俺、知らない人と話すの苦手なんで、それでは」


「(よし、後は残りの買い物を済ませてさっさと帰ろう。)」


 そうして踵を返して歩こうとした時だった。


「ぷっ、あははっ」


 突如矢部先輩は笑い出した。その出来事に梁は軽く恐怖を感じ怪しい人物を見るような感じで彼女に聞いてみた。


「あのー、どうかしたんですか?」


 するとやっと笑いが収まったのか一息ついて話し出した。


「ふー、ごめんごめん、ちょっと面白かったからね。だって知らない人と話すのが苦手なんて話してる人の前であんなに堂々と言う人なんていないよ。君みたいな人と会ったのは始めてだなー。」


 そう言って彼女はとても物珍しそうに梁を見つめてきた。視線に耐えられず、すぐさま梁は後ろを向いた。


「(こんなに女子と話したのは久しぶりだな。もう気力が持ちそうにない。しかもこの人明らかに俺を面白がっているし。)」


「じゃあ、俺は、残りの食材買って帰るので。卵ありがとうございました。」


 そう言って今度こそ別れようとすると彼女は、最後に、


「全然気にしないで、高校も一緒だからまた一緒に話そうね。結構興味あるしね。君は面白いからいつでも大歓迎しちゃうよ!」


 と言いながら笑顔とウインクの合わせ技を使い、軽快なステップで去っていった。この日、俺は、なるべく2年生の教室の前は通らないよう心がけながら家に帰るのであった。











 スーパーの帰り道、由亜奈はいつも以上に気持ちが高揚していた。


「(面白い子、見つけちゃったかも。)」


 それから彼女の軽快なステップは家に帰るまで続いた。








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