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忘却2-47
忘却2-47
「涙脆い護衛だな。守りたい者を守れるのかよ?」と、‘生徒会長’に俺は言った。‘生徒会長’は俺の左脇腹を触る。「このような結果にならないよう日々励んでもらっております。後で叱っておかないといけませんね」 という‘生徒会長’の左脇腹を触っていた手を俺は取る。
いつの間にか自分達が泊まっていた宿へと戻って来た。
「青空さん。ニヤニヤしないでください!!」と入るなり‘生徒会長’は青空を苗字で呼んだ。「お邪魔虫だけど。皆が居る場所に帰って来たんだから、解ってないとね」と左手を口に当てたまま言った。
「ご飯の味は良くなったのか?」と俺は聞いた。
「自分で確かめたら?」と返って来た。
「先程は失礼致しました。貴女の事ですからお手伝いしたんでしょ?」と言った‘生徒会長’は食器を運んでいた青空を見て動いた。
「重い物は任せろ」と俺は味噌汁鍋を持ち運ぶ。




