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忘却2-7
忘却2-7
俺の腕から解放された青空は‘にっこり’「赤ちゃんが」と言う答えに俺は全てを察してしまった。
「またね、おばちゃん」と右手をひらひら振る青空。「光ちゃん」「ひかるちゃん」と別れを惜しむ声が食堂から聞こえる。
自分達が乗っていた大型車に戻ると同級生達は全員騒いでいたが戻って来て居た。「光ちゃん。お仕事は楽しかった?」と夢先生。
俺は人数を確認する「うん」と答える青空。「存じ上げてたのなら止めましょうね」と俺が言うと「どんな職業を選ぶかは光ちゃん次第よ」とうまくかわされる。
「運転手さんお願い致します」と俺が言うと大型車の出入口が閉じる。青空は「次の人ぉ」と楽しげに手を‘ぱんぱん’と叩く。
内気な子の為に青空は紙を取り出して事前に話し合っていた遊戯を取り行う。無造作に数字を言って数式を完成させ、正しい答えを導き出すという内容だった。




