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忘却1-12

忘却1-12


「‘これ’じぁ。先程と変わらないわね」と左手を頬へと当てて夢先生が仰った。


二回目。つまりトイレ休憩くらいの短い時間の後。夢先生お手製お菓子が景品である‘遊戯’の続きが開催された。…そして 皆又、壱様に己の主張を強調始めたのだ。


「このままだと林間学校は‘無し’ね。向こう側の返事は未だだし。お断りの電話を入れれば」と、沈黙静まり返った教室で夢先生は言い続ける。


「(お世話になる方々)皆さん。お忙しい時間の中、お時間を作ってお付き合いしてくださっているのです。(生徒)皆さんに分かり易く申し上げますと。宿題と塾宿題に部活動とお友達約束、お母さんからの手伝いの頼み事、弟や妹の面倒見なさいや掃除や買い物や庭の草むしり、道を訪ねられ。…みたいな事が壱日に重なったようなものよ。重労働で倒れかねないわ。最近の夏の‘暑さ’は災害みたいな“暑さ”だから」

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