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序幕
序幕1-12
「何の準備も行わないままだと、片方のどちらが先に本当の‘恋’をして。右往左往している内に『それじゃ、私達のこの関係もここまで だね。今迄 ありがとう』って言われて。不完全燃焼のままなってしまうから」
緑君と光ちゃんには私の言いたい事が壱部分でも伝わってるみたいだった。二人共に私が握りしめた手の中で力の無いこぶしを作ったまま、下へと目線を落とした。
「今は急いで答えを出す必要はない、言い寄られて困っていたから、私が提案した偽りの二人の関係。自身の中で はっきりと断ることが出来るようになるか、‘好きな人が居る’と言えるようになるか。“それ”まで だから」
私は時計を見て「ゆっくり 考えて答えへとたどり着ければ良いから、今はおやすみなさい。明日以降に備える為に」と言ってから、お開きにした




