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忘却2-52
忘却2-52
「首が回らない方々の壱覧表を拝見致しましたが、個人情報ですのでお取り扱いには細心の注意払っております上。ご了承ください」と‘生徒会長’は紙束を俺に渡した。苗字名前、性別、住所、生年月日。全て読めないよう施されている。つまり 枠線しか見えない状態。勿論、裏を透かしても読める訳が無い。
「怖い人達から借用している方々が何十人かは居るだろ。機材運びとか、出来るお仕事を割り当てれば良い」と言いながら、俺は‘生徒会長’へと壱覧表を返した。
「女将。食べ物や飲み物に着替えや部屋を提供してやってくれ。お金がない人達だから」と俺は女将を見て言った。
「成る程。撮影期間中の人件費が浮きますね」と‘生徒会長’は左手でパチンと鳴らした。壱覧表を渡した護衛は御辞儀後 退室する
「…では 女将。ご検討後。ご連絡御待ち致しております」と‘生徒会長’が言った。




