リューレスを探検しよう〈中〉
※ 4/23 大編集を実施
鷹の巣を出て次に俺たちが向かったのはとある工房だった。
中からはリズムよく音が聞こえる。
なんか気持ちいい音だ。
「入るよ、カンム」
「いいよー」
中に入ると二人の男がいた。
一人は金槌をもってなにかを叩いている。彼は作業着のようなものを着ており顔には金属板をはめ、頭には…なんだあれ?
「…どうしたんだ、こんな時間に?」
そう言って話しかけてきたのはもう一人の男。黒い装束で腕に同じ色の布を巻きつけており、腰には剣がさしてある。
「彼にこの街を案内しているのさ。名前はレイ。記憶喪失なんだって」
「…そう、おれはビビン、暗殺者をやっている」
暗殺者ってことは……
「安心していいよ、ビビンは職業上暗殺者をやっているだけで、普通にいい人だからね」
へー、そうなんだ。少し安心した。
「レイと言います。よろしくおねがいします、ビビンさん」
「…ビビンでいい。あとそんなにかしこまらなくてもいい。」
「ビビンは優しいけど無口だからねー」
そう言ったのはさっきまで金槌を振っていた男。さっきの人がビビンだったからこの人は…
「彼はカンム。この街で鍛冶屋を経営しているんだよ。」
やっぱり。
「どうも、カンムだよ。全然カンムって呼んでくれていいからね。よろしく。」
「よろしくおねがいします、レイです。…で、カンムはなにを作っていたんだ?」
「切り替え早いなぁ…。あ、僕がつくっていたのはカタナだよ。ビビンの主武装だからね。まぁ他にも普通の剣も作るんだけど。」
なるほど、ビビンが腰にさしているのは【カタナ】というのか。と、なると…
「じゃあ、フアイが持っていたのはなんなんだ?」
「フアイが持っていたもの?…ああ、ガントレットのことかな?」
「どっちかって言うと籠手が正しいとおもうよ、クシン」
「…どっちでもいいと思う」
なるほど、【ガントレット】、または【籠手】というのか。
そのあと、カンムに剣を作る工程を最初から見せてもらった。はじめに見たときに顔につけていた金属板は剣を作る際に飛んでくる火花から顔を守るためのものらしい。
他にもこれはどういう金属だとか、どういう性質だとか色々教えてもらったがよくわからなかった。
そんな感じで話を聞いていると、
「ただいまー!!」
また一人の男がやってきた。
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彼は真っ先にカンムがいる方向に向かっていった。
「あれ、バンじゃん。早かったね、ダンジョンに行ってたんじゃなかったの?」
「僕だけ早々に切り上げてきたの。あ、サボりじゃないからね」
「どーだかねー」
どうやら彼はダンジョンの帰りらしい。
フアイと一緒に行ってたのかな?
「まぁいいや。で、収穫はどんな感じなの?」
「金属類はあまり出なかったね、革素材が多かったかな。あ、これがそれね」
「ハイハイ、どーも」
そういって彼はカンムに背負っていた袋を渡す。
…というか金属類?革素材?
「なるほどなるほど…ま、おつかれ」
「ハイハーイ」
カンムから離れた彼はクシンと俺がいる方向を見る。
そうなると俺は彼と目が合う。
そして数秒の見つめ合いの後…
「…えーっと、キミ誰?」
ですよねー
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