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ロスト・メモリー  作者: 黒草さくら
#1 目覚めてからとその場所は
1/27

プロローグ


※4/23 大編集を実施。



ある日、とてもとても穏やかな空で、暖かい日に。

一つの影がものすごい勢いで。

空から地面に向けて駆け抜けていった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜



悔いはなかった。

それは自分が望んだことだから。

それでよかったのはずなのに少し悲しかった。

では、なにを望んだのだろう?

…思い出せない。

さっきまで鮮明に思い出せたはずなのに。

思考が回らない。

状況を確認しよう。

自分は落下している。

とても高いところから、ただひたすらまっすぐに。

何かをしようともがいてみる。

かつて使えたチカラを使おうとする。

何もできずに霧散する。

なぜだろう?なぜかできないのか?

もう一度、

使えない。使えたチカラが使えない。

使えたチカラ…なんだったか。

忘れてしまった。思い出せない。

やがて俺は諦めた。

落ちてきた方向を見上げる。

そこには白いもくもくしたカタマリがあって。

…思い出せない。

これはなんだろう。

知っているはずなのに思い出せない。

今いる場所の名前すらも。青が広がるこの場所は、あの白いカタマリは、

気がつけば白いカタマリはとても遠い場所にあった。

…なぜか無性に寂しかった。

その思いを振り切るように下を見る。

近づいてくるのは、

…なんだろう?

無数の箱が並んでて、高さがバラバラで。

上にあった白いカタマリを吐いている。

似たようなモノなのに違う気がする。

吐いていないのもある。

そして気づいた。

でも気づいた時にはもう手遅れで。

諦めた俺は。

その落下の終着点にたどり着いた。



ーーーーーーーーーーーーーー



…ここはどこだろう。

この柔らかいモノはなんだろう。

俺の身体に乗っているモノは…?


「やあ、起きたかい?」


突然、声がした。

声の主は白い布を体にまとっており、手にもっているのは…杖?


「…あんたは?」

「僕はクシン、ここに住んでる人間だよ。君は?」


俺?俺は、俺は、俺は…


「……ない」

「え?」

「わからない。自分の名前以外はわからない…」


俺は…なんだ?



ーーーーーーーーーーーーーー



俺の名前はレイ。

それだけが思い出せる唯一の内容だ。

親の名前、出身地、どこからきたのか、何もかも思い出せない。


「うーん、記憶喪失か。僕と同じじゃないか…」

「…?」

「僕も記憶喪失だったんだよ。この街にいる時より前のことは何も思い出せない。分かるのは自分の名前だけ。」


記憶喪失…それが今の俺。

聞いたことがあるような、ないような。

…わからない。

ああ、一つ気になっていることがあった。


「そういえば…ここはどこなんだ?」

「ああ、この街は“リューレス“。この大陸に存在する七大都市の一つさ。」


【リューレス】、それが俺の今いる場所だった。


更新は不定期になります。

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