大団円
魔王を倒した俺とアウ王女は凱旋した。
アウ王女の生まれ故郷、神聖国ファーレシアに戻って来た。
俺が召喚された地、この異世界に降り立った地でもある。
やっと訪れた平和に民衆は心から祝った。
俺達が王宮に着くとすぐに戴冠式が執り行われる。
王様からの王位継承式だ。
王様は王城のバルコニーに俺達を連れて行き民衆に宣言した後、式を始める。
「魔王を倒した勇者タナオカ。我が国の伝統に従い神聖国ファーレシアの王とする。そして我が娘であり勇者棚岡の妻第二王女アウマフ、お主を伝統に則り神聖国ファーレシアの王妃とする」
俺とアウ王妃の頭の上に小ぶりな王冠がちょこんと載せられた。
見つめ合う俺とアウ王妃。
「タナオカ君……やっとここまで来れましたね」
「アウ……ついにここまで来たな。お前のお陰だ」
大観衆の見守る中、俺とアウ王妃は互いに抱きしめ合い、口づけをかわした。
湧き上がる歓声!
クラス一番の嫌らわれ者で勇者グループから追い出された俺がここまで来れた。
ついに極めたんだ!
頂点を!
俺の目からとめどもなく汗が出る。
な、泣いてなんかいねーから!
全ては俺を選んでくれたアウ王妃のお陰だ。
この恩には報いたい。
いい国にしてみせるぜ!
俺はアウ王妃と手をつなぎ、民衆に宣言する。
「この俺、勇者棚岡が魔王を討ち倒しこの世界に平和を取り戻した。これからはこの国の復興に力を入れたいと思う。皆もこの俺棚岡とアウマフ王妃に力を貸してくれ!」
俺とアウ王妃は頭を下げる。
アウ王妃のボテ腹がぽよんと揺れる。
俺の腹も揺れた。
湧き上がる歓声!
割れんばかりの歓声が国中を覆った!
でも、アウ王女は不思議そうな顔をしていた。
「どうした? 何か気掛かりな事でもあるのか?」
「いえ、あなたのお腹なんですが、随分と太りましたね? マッカラの食べ過ぎですか?」
「マッカラなんて遠征中に主食レベルで食ってて食い飽きたから、ぜんぜん食ってないぞ。あれだ。最近おまえに怒られて無いから、幸せ太りかも?」
「で、でも、それにしてはお腹の大きさが少しおかしいです」
俺が自分の腹を見てみると……。
やべー!
妊娠しているアウ王妃より腹がデカい。
平和で気が緩んで、食っちゃ寝し過ぎたか!
明日からダイエットせねば!
俺が腹をさすると、腹が波打つようにぶるんと揺れた。
ぶるんじゃない。
ブルブルと激しく揺れる。
俺は激しく揺れる腹を両手で必死に押さえた!
「な、なんなんです? 何が起こってるんです?」
「お、俺が知るわけねーだろ!」
すると俺の腹から魔王娘が出て来た!
「ふー! やっと出れた。 なんなんだ? 時間の流れが滅茶苦茶で、あのマッカラまみれの異空間は? 出るのに三年も掛かったぞ!」
魔王娘は少しだけグラマラスになった気がする。
『かなり小ぶりなおっぱい』が『ちょっとだけ小ぶりなおっぱい』にパワーアップ!
そんな事に驚いてる暇じゃねえ!
なんで魔王娘がアイテムボックスの中から出てくる!
おまけに元骨娘迄出てくるし!
相変わらずおっぱいはぷるんぷるんである。
「おま! どうやってアイテムボックスから出て来た?」
「お! 勇者じゃねーか! 久しぶりだな! おめースゲーよ! あんな頑強な異空間にわらわを閉じ込めるなんてすごい! 惚れてしまうぞ!」
「そんな事を聞いてない。どうやってアイテムボックスから出て来たんだよ?」
「どうやってって、そりゃ気合を入れてぶち破ったんだ」
「アイテムボックスをぶち破っただと?」
「そうだ! 気合でぶち破ってお前に会いに来た。わらわをここまで苦しめた男は初めてだ! お前に惚れた! 結婚してやるから!」
いきなり俺の唇を奪う魔王娘。
そして、それを見て怒り出す元骨娘。
「勇者様は私の物と決まったのに、魔王様は何をしだすんですか!」
「仕方無いだろ! わらわは勇者に惚れちゃったんだから!」
元骨女から俺を取られまいと腕を絡みつくように回して抱きつく魔王娘。
旦那を盗られたアウ王女が大激怒だ!
「なに、人の旦那を勝手に横取りしようとしてるのよ! タナオカ君、こんな奴取り込んじゃって!」
「お、おう!」
「あ、あの異空間にはもう取り込めないぞ」
「なんだと? 魔王、お前何をした?」
「さっきわらわがあの空間をぶち壊したからな。もうあの空間は使えない」
「マジか?」
また揺れる俺の腹。
今度はスライム娘が現れた!
スライム娘の胸がプルンと揺れる。
「勇者様、さっそくわたくしめと子作りを始めましょう!」
またまたブルンと揺れる俺の腹。
今度はアリ娘が俺の腹から飛び出して来た!
「勇者殿、早く子作りしましょう!」
ぶるん!
今度はアレスさんとニケさんだ!
「タナオカ! てめー! 今すぐニケと結婚しろ! この場で今すぐ子作りしろ!」
「あ、アレスさん! そ、そんな無茶な!」
「タナオカくん! 結婚して!」
またまたぶるんと揺れる俺の腹。
今度は京子だ!
「私、あんたの事が好きなのよ!」
いきなり抱き付き、俺の唇を奪う京子!
もう、何が起こってるのか訳わからん!
またまたブルブル。
今度はネズミと女の子が出て来て、ネズミが俺の鼻を思いっきり噛みやがった!
「いててて! 何しやがるんだ!」
俺が捕まえようとすると、手のひらに思いっきり噛み付いて逃げていった。
あり得ないレベルで揺れる俺の腹。
どしぇー!
今度はジャンヌ王女とクラスメイト全員が出て来た!
ジャンヌ王女右は耳を押さえて泣き叫んでいた。
ごめ、うちのバカ嫁が耳かじったんだったな。
後でバカ嫁に治療させるから。
生徒もいっぺんに出て来たのでバルコニーはギュウズメで満員電車の様。
バルコニーがぎゅう詰めで、二階のバルコニーから地面へと落ちる生徒迄出る始末。
「ちょっ! ちょっと押さないでよ!」
「押さないで! 落ちちゃうよ!」
「うぎょー! どうなってる!」
今度はスライムの大群だ。
その数、数万。
そんな大群がバルコニーに収まる訳もなく、生徒もろともバルコニーから流れ落ちる。
バルコニーから降り注ぐ、スライムの大群。
街は阿鼻叫喚の地獄絵図だ。
でも地獄はまだまだ終わらない。
今度はウサギが!
今度はアリが!
今度は骨が!
街は完全にヘルグラウンド!
しかもトドメに大量の水が津波の様に噴き出る!
アイテムボックスに突っ込んだものが全部出て来た!
壊れる王城、倒れる時計塔……王都が一瞬で崩壊している。
「どはっー!」
「どうすんのよ! タナオカ君!」
お、俺どうすればいい?
(おしまい)
ここで完結となります。
最後まで付き合って下さいましてどうもありがとうございます。
時々、後日談や新エピソードを更新したいと思います。
再開する時はアレですよ。
「はあああ! 死ぬかと思ったぜぇぇぇ!」の魔法の言葉で再開ですw
*
(連載中)
クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱ランクの商人に偽装しました。
http://ncode.syosetu.com/n7017dt/
2018年1月~4月更新再開予定
スキルの間違った使い方 。~アイテムボックスで魔王討伐!~
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