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墓場の封印の鍵争奪戦3 不死の王

 翌朝俺は教会に聖水を取りに行く。

 夜通し聖水を作っていたんだろうか?

 教会では疲れ果てたシスター達が机に突っ伏して寝ていた。

 俺は礼を言い、ポーションを受け取ると馬車ターミナルに。

 

 馬車ターミナルに既に来ていたアウ王女がいつもの御者のおっちゃんの馬車で待っていた。

 アウ王女によると、なぜかおっちゃんは俺達の専属化してるらしく、アウ王女が馬車ターミナルへ行くと笑顔で待っていたそうだ。

 

「今日はどこに行くんです? 地の果て地獄の果てでも、どこまででも行きますよ!」

 

 金の為なら自分の命を削ってでもやる気満々のおっちゃんである。

 

「目的地はノーライフキングが住んでいる墓場の砦だ」

「となると、三日程の旅ですな。じゃあ行きますか!」

 

 おっちゃんは元気に馬車を走らせる。

 金銭交渉はしなかったがとりあえず前金で三十万ゴルダ渡して、ノーライフキングを倒した後に成功報酬として七十万ゴルダ渡せばいいだろう。

 前金を渡すとおっちゃんは満面の笑みで受け取ってくれた。

 おっちゃん、ここ数日で稼ぎまくりだな。

 

 *


 途中、俺達は湖に寄る。

 もちろん聖水の補充の為だ。

 アウ王女は湖を覆い尽くす程の巨大な魔法陣を呪文で浮かび上がらせると発動させ、一瞬で湖の水を聖水へと変えた。

 すげーな、おい!

 教会のシスター達とはスペックが違い過ぎるわ。

 俺は湖の水をアイテムボックスに取り込む。

 突然水量が減ってお魚さん大迷惑。

 世界平和の為と思って我慢してくれよ。


 *

 

 いくつもの街を経由して三日後、荒野の中にある墓場の砦に辿り着いた。

 見渡す限りの荒野の中にある墓地。

 なぜこんな荒野の中に墓場が有るのかは謎だ。

 こんなとこに墓参りに来るのは不便過ぎだろ。

 その墓場の中央に砦が有った。

 死せる者が統べる砦。

 俺はこれを叩き潰しに来た。

 

 砦攻略も三件目となるとかなり慣れた物。

 砦と番兵のスケルトンをサクッとアイテムボックスに収納。

 いつもの通り、ダンジョンの入り口に海水を注入。

 そして様子を見た。

 

「スケルトン出てくるのかしらね?」

「さあ? スケルトンは元々死んでる様なものだから、海水を注入しても溺死するわけじゃ無いし出て来ないかもな」

 

 でも俺の予想を裏切ってスケルトンの大群がダンジョンの入り口から湧きだして来た。

 それも物凄い数!

 スケルトンは海水で死ぬ事こそなかったが、住処に海水を注入されたので怒らない訳がない。

 ラッシュアワーの電車から必死の形相で降りてくるサラリーマンの如く、ダンジョンの入り口から凄まじい勢いで湧きだしスケルトンが溢れ返った。

 俺はアイテムボックスを使い次々とスケルトンを取り込む。

 スケルトンは出口から出た途端姿を消す。

 スケルトンの湧き出る速度よりも俺の取り込みスピードが勝っていた。

 

「いい感じね」

「最近、アイテムボックスを使いまくってるから、スキルがかなり上がってるみたいでこれぐらいの勢いなら余裕で取り込める」

「いつも傍に居るから気が付かなかったけど、あんたはだいぶ強くなってるのね」

「ボスが来たら今度は一発で取り込んでやるぜ!」

 

 事前の情報だとスケルトンは攻撃した相手のHPを追加ダメージとして吸収するのが主な攻撃手段だが、遠距離から取り込める俺には全くの無意味。

 HP吸収どころかダメージも与えられない。

 二時間程スケルトンを取り込み続けるとスケルトンは現れなくなった。

 代わりに現れたのがアンデッド。

 一言で言えば動く屍だ。

 スケルトンのHP吸収攻撃に加え、呪いや毒も加わった厄介な敵。

 だが攻撃が届かなければスケルトン、いやスライムと変わらない。

 三十分も取り込んでいるとアンデッドも品切れになり入り口から現れなくなった。

 

 そして辺りを震わす地響き。

 

「来るわよ!」

 

 地面に走る地割れ。

 そして現れたこの砦のボス、ノーラーフキング。

 アンデッドの王だ。

 

「地上が騒がしいと思ったら人間が暴れていたか。今すぐお前を殺して我の新たな僕(しもべ)としてやる」

 

 アンデッドは呪文のような物を唱えると分身した。

 

「分身だと?」

「よく見て、これは分身では無いわ! 幻影よ! さっさと本体を取り込んじゃいなさい!」


 幻影からも発せられる闇の魔弾。

 俺は魔弾の取り込みに必死だ!

 魔弾の取り込みの隙を縫ってアンデッドを取り込もうとするがどれも幻影で取り込めない。

 何体幻影が有るんだよ!

 俺がいつまで経っても取り込まないのでアウ王女がイライラしだした。

 

「なんで取り込まないのよ!」

「幻が邪魔で本物がどれか分らないから取り込めない」

「それなら聖水掛けちゃいなさいよ! 聖水が掛って苦しむのが本体よ」

「その手が有ったか!」

 

 聖水を持っていたのをすっかり忘れてた。

 アンデッドに聖水を放水。

 まるで消防車の放水のよう。

 聖水の大放水に本体が騒ぎ始めた。

 

「ぐはー! なんだ? この大量の聖水は!」

「聖水はまだまだあるぞ! こんなの極一部だ。」

「なんだと!」

「とっとと諦めて魔王城の鍵をこっちに寄こすんだ!」

「魔王城の鍵はこの我を倒さぬ限り絶対に渡さん!」

「お前を倒せば手に入るんだな」

「人間如きがこの我を倒せるのならばな! って、おいやめろ! なんでこんなに放水が増える!」

 

 俺は聖水の放水をパワーアップ。

 消防車百台分ぐらいの放水の勢いだ!

 ノーライフキングはアウ王女特製の聖水で身を溶かされ骨だけになった。

 肋骨の中に鍵が見える。

 

「鍵よ!」

「あれを取り込んでしまえば俺達の勝だな」

 

 俺が鍵を取り込もうと手に力を込める。

 ノーライフキングも反抗する。

 俺に鍵を取られまいと必死に反抗。

 力と力がぶつかり合った。

 だが圧倒的に俺が有利!

 すでに長時間聖水に晒されていたノーライフキングはかなり消耗していた。

 このまま続ければ俺の勝は見えている。


「楽勝だな! これで鍵が三つ揃って魔王の顔を拝めるぜ!」

「そんな事言ってると、魔王が来るわよ」

「ま、魔王様、助けて下さい!」

 

 俺が魔王の事を口にしたらアンデッドナイトが情けない顔して魔王様に助けを懇願してやがった。

 気が付くと空には暗雲。

 雨がぽつりぽつりと降り始め、乾いた埃っぽい大地に染みを作る。

 そして稲妻で光る暗雲!

 俺目掛けて落雷!

 俺は慌てて飛びのく。

 すると俺の立っていた位置に黒ずくめの服を着た少女が立っていた。

 

「お前は誰だ!」

「わらわはラーヴァナ! 魔族の王、つまり魔王だ!」

「あんたが余計な事言うから魔王が来ちゃったじゃない! どうすんのよ!」

 

 ついに真打の魔王様の登場か。

 俺は間髪を開けずにアイテムボックスに魔王を取り込む!

 いつも読んでくれて、ありがとう!

 

 *

 

(連載中)

クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱ランクの商人に偽装しました。

http://ncode.syosetu.com/n7017dt/

水土更新予定

※書籍化作業中です

 

スキルの間違った使い方 。~アイテムボックスで魔王討伐!~

http://ncode.syosetu.com/n7297ec/

平日(月火木金)更新予定

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