満月の側に私は要る
市立流緑中学校に入学した私、ミドリはクラスのトップ女子的な立ち位置だった。
友達と言える友達は16人。友達はみんな私の事を支えてくれる大事な存在だ。
私には気になっている男子がいる。その人は小学校も同じで、名前はカズマと言う。
「早く思い伝えなよ!」と友達にからかわれることも少々。
でも、それが変わったのはゴールデンウィーク前日。
恋の嫉妬から始まる、恋愛物語です。
満月の側に私は要る
作・九ノ瀬ハコベ
5月上旬、ゴールデンウィークの事だった。
市立流緑中学校に入学した私、ミドリはクラスのトップ女子的な立ち位置だった。
友達と言える友達は16人。友達はみんな私の事を支えてくれる大事な存在だ。
私には気になっている男子がいる。その人は小学校も同じで、名前はカズマと言う。
カズマくんは身長も高く、運動も出来る、超イケメン生徒だった。
「早く思い伝えなよ!」と友達にからかわれることも少々。でも、中学校生活を楽しんでいた。
でも、それが変わったのはゴールデンウィーク前日。
私の好きだったカズマくんが、クラスの隠キャ的立ち位置のマミに話しかけていたのだ。(私に話しかけたことは無いのに、どうして…?)と心の中で思った。
その日から、なぜか学校が嫌になった。
ゴールデンウィーク初日の土曜日は雨だった。
クラスで日曜日に遊ぶ約束が出ていたが、大丈夫なのだろうか、と思った。
結局日曜日は雨だった。もうなんか全て嫌になってしまった。
しかも気に食わないのは、次の日の月曜日は晴れていたことだ。
「なんで私だけこんなに不幸じゃないと行けないの?」
思わず布団の中で叫んでしまった。
それから二日経ち、学校が始まったが私は学校に行かなかった。
登校中にカズマくんとマミが楽しそうに話しているのを見たからだ。
私は無言で中学校とは反対側の緑野駅方面に行き、1日を過ごした。
勿論何も言わずに学校に行っていないのだから「行方不明」として大騒ぎになった。
「もう、どうでもいいや」私は小さく呟いた。
私は公園のトイレで一晩過ごし、次の日はお腹も空き、家に戻った。
丁度親は居なかったから、食料と金だけ持って行ってそのまま家を出た。
そしたら急に、目の前から友達のナオが来た。
「あ、ミドリ」
あのこともあり、心の中はドス黒い霧に覆われていたから、思わず
「は?なんだよ」と言ってしまった。
「みんな探してたよ…丁度下校中だったから、見つけられてよかった」
「下校するには、ちょっと早い時間だよ?まだ11時だし…」
「へへ、ばれちゃったか」
「え?」
「心配してたんだよ、ミドリのこと。だってミドリが落ち込むなんて、早々ないやん」
「私はミドリの味方!なんでも話してね!」
「あ、ありがとう…」
私は思わず涙が溢れた。だって、私の周りには私を思ってくれている人がいる、そう気付いたんだから。
次の日、私は警察に見送られ、家に帰った。勿論親には怒られた。でも、なんだかホッとした。だって、私を思ってくれている人がいるんだから。
薄暗いリビングに、太陽の光が差し込んできた。
「カズマくんに、想いを伝えよう」
私は心の中でそう決めた。
水曜日の朝、空は快晴で風が心地よく吹いていた。
今日一日、清々しい気分で居ることが出来た。
先週とは大違いだ。
部活帰りの時間、カズマくんを見つけた。
(私ならやれる…!)そう思ってカズマくんに近づいた。
風が騒ぐ様な心の中で伝えれたのは
「カズマくん、月が綺麗だね!」
その一言だった。
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