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どうも、最弱テイマーです!  作者: 翡翠アマネ
一章:最弱は準備をする
4/5

04 わたしのせいで。

占い師は、あれからも何度も会いに来てくれた。

この世界のことだったり、ポーションを渡しに来てくれたり。

食料も分け与えてくれた。


そんな中でも、ネイビーの環境はどんどん悪化していく。

あの日から1年立つと、部屋に入れなくなった。

悲しくて、泣きながら母に暴言を吐いてしまった。

そのあと父が大激怒し、何度も殴られた。

これまで感じたことの無い痛みを味わった。

母は父を止めなかった。


占い師からもらったポーションが役に立った。

傷跡が残ったことは悲しかったが、占い師と一緒にいると悲しさもどこかに消えてしまった。


森に隠れて住むようになると、どこか安心した。

誰にも暴言を言われない、殴られない。

誰にも会いたくない、穏やかな日常を求めていたため、隠れる技術を学んだ。

透明化の魔法、気配を消す魔法などを磨いた。


そのあいまに本を読み、知識を叩き込んだ。

食べられるきのみ、毒草や薬草の見分け方。

それぞれの特徴を覚え、見分けられるようになった。

食料があるだけで、森での生活がだいぶ楽になる。

毒草を間違えて食べてしまったのは誰にも秘密だ。


それ以外に、罠についての本もあった。

自分で罠を作り、実践。

何度も失敗したが、最終的に成功。

解体に少し戸惑ったがきっと気のせいだ。

久しぶりのお肉に、飛び上がっていたのもいい思い出だ。


あの日から4年。

だいぶ体力がついた気がする。

森の中をだいぶ長い時間走れるようになった。

野ネズミなども、罠で捕らえられるようになった。

薬草を使って、傷の手当てもできるようにになった。

森の中での生活は、実に順調。


……………


一つ気になることがあったので、一度村に戻った。


死んだと思われていたようで、皆驚いていた。

死んでたまるか。


気になるのは、占い師のことだ。

二週間に一度来てくれていたが、二ヶ月ほど森に来ていない。

何かあったのだろうか。

占い師の家には誰もいなく、どうしたのかと不安になる。


後ろでひそひそと話し声が聞こえる。

耳をすますと、話の内容に驚愕した。


「………!」


その場から逃げて森へと逃げる。


占い師はすでに亡くなっていた。

しかもちょうど二ヶ月前に。


信じたくない。

占い師は死んでいない。

そう信じたかった。


突然の重い病気だったらしい。

村長がもっているポーションで治るらしいが、村長は拒否。

理由はもったいないとのこと。


嘘だ。

絶対嘘だ。


きっと理由はネイビーにある。

占い師との関係がきっと漏れていたのだ。


(……わたしの…せいで……)


胸が締め付けられたように苦しくなる。


隠れ住んでいる住処へ戻る。

なにもする気が起きなかった。




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