04 わたしのせいで。
占い師は、あれからも何度も会いに来てくれた。
この世界のことだったり、ポーションを渡しに来てくれたり。
食料も分け与えてくれた。
そんな中でも、ネイビーの環境はどんどん悪化していく。
あの日から1年立つと、部屋に入れなくなった。
悲しくて、泣きながら母に暴言を吐いてしまった。
そのあと父が大激怒し、何度も殴られた。
これまで感じたことの無い痛みを味わった。
母は父を止めなかった。
占い師からもらったポーションが役に立った。
傷跡が残ったことは悲しかったが、占い師と一緒にいると悲しさもどこかに消えてしまった。
森に隠れて住むようになると、どこか安心した。
誰にも暴言を言われない、殴られない。
誰にも会いたくない、穏やかな日常を求めていたため、隠れる技術を学んだ。
透明化の魔法、気配を消す魔法などを磨いた。
そのあいまに本を読み、知識を叩き込んだ。
食べられるきのみ、毒草や薬草の見分け方。
それぞれの特徴を覚え、見分けられるようになった。
食料があるだけで、森での生活がだいぶ楽になる。
毒草を間違えて食べてしまったのは誰にも秘密だ。
それ以外に、罠についての本もあった。
自分で罠を作り、実践。
何度も失敗したが、最終的に成功。
解体に少し戸惑ったがきっと気のせいだ。
久しぶりのお肉に、飛び上がっていたのもいい思い出だ。
あの日から4年。
だいぶ体力がついた気がする。
森の中をだいぶ長い時間走れるようになった。
野ネズミなども、罠で捕らえられるようになった。
薬草を使って、傷の手当てもできるようにになった。
森の中での生活は、実に順調。
……………
一つ気になることがあったので、一度村に戻った。
死んだと思われていたようで、皆驚いていた。
死んでたまるか。
気になるのは、占い師のことだ。
二週間に一度来てくれていたが、二ヶ月ほど森に来ていない。
何かあったのだろうか。
占い師の家には誰もいなく、どうしたのかと不安になる。
後ろでひそひそと話し声が聞こえる。
耳をすますと、話の内容に驚愕した。
「………!」
その場から逃げて森へと逃げる。
占い師はすでに亡くなっていた。
しかもちょうど二ヶ月前に。
信じたくない。
占い師は死んでいない。
そう信じたかった。
突然の重い病気だったらしい。
村長がもっているポーションで治るらしいが、村長は拒否。
理由はもったいないとのこと。
嘘だ。
絶対嘘だ。
きっと理由はネイビーにある。
占い師との関係がきっと漏れていたのだ。
(……わたしの…せいで……)
胸が締め付けられたように苦しくなる。
隠れ住んでいる住処へ戻る。
なにもする気が起きなかった。