01 転生先はハードモード!?
水晶は光らない。
(……え、これ……見間違い……だよね?)
父と母の顔をみた。
二人とも光らない水晶をみて愕然としている。
(えっと……マジか)
わたし、今の名前だとネイビーは転生者だ。
そして、前世の記憶がある。
確か昔の記憶だと、ネイビーは車道に飛び出した猫をかばい、死んでしまった。
それはさておき、この世界には魔法というものがあった。
絵本で読むような手から火を出す、雷を落とす、そんなことが当たり前のようにできるところ。
ネイビーが最初に魔法を使ったのは3歳のとき。
3歳で魔法を使って、両親に心配された。
ここでは5歳になると『ギフト』というものがもらえる。
なんと、神さまからの贈り物だという。
ギフトは多くて5個、必ず2個はもらえるらしい。
でも5個もらえる人は極稀だと言う。
ギフトの一つは役職。
その中でネイビーは『テイマー』という役職をもらった。
テイマーは動物や魔物を手懐けされることができる役職。更に役職では水晶の色でグレードが決まった。
赤は小さな動物をテイムできる。
青は少し大きい狼などをテイムできる。
ネイビーの役職はテイマーで【無色】だった。
なにもテイムできない、テイマーの中ではいわゆる『最弱』だった。
そしてもう一つの属性というものも【無色】。
つまり自分に適応した魔法がないのだ。
属性がないというのは戦闘でかなり不便だ。
相手の弱点をつけない。
「無理でしょ」
無意識に言葉を発した。
りんごが落ちるように、ほぼ自動的にだ。
さて、困った。
前世の知識をフル活用しても、この状況はどうしようもできない。
絶体絶命である。
完璧に神から見放された5歳児に一体どうしろというのだ。
とっとと現実の辛さを知れと言われているのだろうか。たった今現実の辛さを知りましたよ。
母に聞いた話では悪いことをしたら無色になるという。
この世界では未だに無色の者はかくにんされていない。
(今まさにここにいますよ!てか何なん!?わたし猫助けたよね!?)
どうすればいいのだろうと途方に暮れることしか今はできない。
職業も無色、属性も無色。
これから先、一体どうやって生きていけばいいのでしょうか。