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転生先に破滅フラグ満載の悪役令嬢 のアイラ(2話)

☆乙女ゲームの悪役令嬢に転生したからには、今度こそ生き抜いてみせます☆


ー2話ー


私、田中(たなか)(ゆかり)は、普通の中学生でした。


ただ、BLとGLが好きなかなり腐った腐女子でもありました。


私は、親友のゆーちゃんとこの先も一緒に楽しく過ごせると思っていました。


でも……



「ふぁーー……」



私は、朝早くゆーちゃんと一緒に中学校に行く為に駅のホームで電車を待っていました。


そして眠そうに口元を押さえて大きくあくびをしました。



「眠そうね、縁。


昨日も乙女ゲームのイグドラシル~愛が繋ぐ物語~をしていたの?」



ゆーちゃんは、私の眠そうなあくびを見て仕方がなさそうに苦笑いを浮かべました。


乙女ゲームのイグドラシル~愛が繋ぐ物語~って言うのは、剣あり魔法あり恋愛あり友情あり

RPG要素もありでしかも全キャラクターの攻略後に出てくるオマケ要素で隠しダンジョンも出てきて隠しシナリオも合って色々とやり込み要素がある乙女ゲームです。


乙女ゲームなのに女性だけでなくて男性にも大人気でアニメ化にもなるみたいです。


私は、もちろん攻略キャラクターを全て攻略して隠しシナリオと隠しのダンジョンを何回もプレーしています。



「うん、そうだよ。


何回プレーしても飽きないだよね。


ただ悪役令嬢のアイラちゃんルートがないのが残念なんだよね。


それからできた主人公のヒロインのマリアちゃんも攻略できたら良いのだけれどもね」



私は、両手を大きく広げて乙女ゲームのイグドラシル~愛が繋ぐ物語~の魅力を熱く語りました。


そして悪役令嬢のアイラちゃんと主人公(ヒロイン)のマリアちゃんを攻略したいと思い恋する乙女のように両手を握り締めて顔を赤らめてうっとりとしました。



「確かに乙女ゲームのイグドラシル~愛が繋ぐ物語~って面白いよね。


そう言う私も昨日は、夜遅くまでその乙女ゲームをしていたんだよね」



ゆーちゃんは、右手の人差し指で自分の頬っぺたを触り悪戯ぽく微笑みました。


私は、やっぱりゆーちゃんといると楽しいなって思いました。


私と同じような腐女子のゆーちゃんが親友で良かったと思いました。


でもいきなり誰かが私の背中を押しました。


気がついたら線路に落ちようとしていました。



「縁!?」



ゆーちゃんも私を護るように線路に飛び降りました。


そして空中で私を護るように抱き締める瞬間に電車が突っ込んで来て私とゆーちゃんの体に電車が当たり意識がなくなりました。


…………………


…………


……



誰かが私の前で泣いていました。


『何で泣いているの……?


そんな悲しい顔をしないで……』



私は、泣いている女の子に手を伸ばして女の子の涙を拭いて女の子を慰めようとしました。


でも体が動きませんでした。



『なんで、何回繰り返してもあなたを護れないの……


あなたの事をこんなにも思っているのに……


でも今度こそは、あなたを護ってみせます!』



女の子は、顔をあげて涙を流して私を見つめました。


私は、女の子の顔を見て驚きました。


だって…………



………………


………


……




「う、うん……私は、確か電車で吹っ飛ばされて死んだはずなのに何で生きているの……?」



私は、気がつくと知らないベッドの上でした。


周りを見渡すとファンタジーの貴族の部屋のように色んな飾りがしていて豪華でした。


そして部屋の中にいた赤髪のメイドの女性が私が目を覚まして気がついて慌てて私に近づきました。



「アイラ様、良かったです、目をさまされたのですね。


高熱で何日も眠っていたのですよ……」



メイドは、私が目を覚ましたのを見て安心をしたように微笑みました。



「えっ、アイラって私の事ですか……?」



私の事をアイラって呼ばれたのを聞いて何故私をアイラって呼ばれたのか理由が解らずに戸惑いながらメイドを見つめました。



「アイラ様がアイラ・テイラー様でなかったら誰なのですか?


もしかしてアイラ様の専属メイドのこのアンナの事を忘れたのですか!?」



アンナは、私が名前を聞き返したのを聞いてアンナの事を忘れたかもって思い泣きそうな表情で私を見つめました。



「す、すいません、少しだけ考えさせてもらえませんか……?」



私は、余計な事を話してアンナを心配させるのは、良くないって思い頭を下げて考える時間がほしい事をお願いしました。



「そ、そうですよね……


高熱で何日も意識がなかったですものね……


記憶の混乱がないわけありませんよね……


今は、ゆっくりと寝て体を休めてください。


何かありましたら私を直ぐにお呼びください」



アンナは、私の態度を見て高熱で何日も眠っていた為に記憶が混乱しているって思いました。


だから私が1人で考える時間が必要だと思いました。


頭を下げて何か合ったらアンナを呼ぶのをお願いをして部屋から出ていきました。



「アイラ・テイラーにアンナ……どちらも何処かで聞いた事がある名前ですが何処だったでしょうか……?


鏡……?


この黒髪のロングヘアーに赤色の瞳に綺麗な顔が今の私ですか……?


…………


えっ、この黒髪のロングヘアーに赤色の瞳で私の名前がアイラ・テイラーってま、まさか乙女ゲームのイグドラシル~愛が繋ぐ物語~の悪役令嬢のアイラ・テイラーって事ですよね!?


確かどのルートでも国外追放か死刑か攻略キャラクターに殺されていた破滅エンドでしかありませんでしたよね!?


破滅エンドなんか嫌ですよ!?


どうにか破滅フラグを折るために頑張らないといけませんね!


よし、殺されない国外追放を目指しましょう!」



私は、鏡に写った自分の姿が乙女ゲームのイグドラシル~愛が繋ぐ物語~の悪役令嬢のアイラ・テイラーって事に気がついて驚いて鏡を掴んでマジマジと自分の姿を見つめました。


そして両手を強く握り締めて死なない国外追放を目指す事を決意しました。


でもこの乙女ゲームで私でも知らないある事が起きているとは、思ってもいませんでした。


その事により毎回泣いている女の子の存在にも気がついていませんでした。




電車に吹っ飛ばされて死んで乙女ゲームのイグドラシル~愛が繋ぐ物語~の悪役令嬢のアイラ・テイラーに転生して1日が立ちました。


乙女ゲームのイグドラシル~愛が繋ぐ物語~の世界は、イグドラシルって言う世界の土地や環境や生命を支える大きな世界樹が世界の中心に立っています。


そして魔法も剣も存在して沢山の魔物やダンジョンもあります。


冒険者は、人気の職業です。


邪心破壊神のアミーが復活するって予言を出ました。


でも光の勇者も現れて邪心破壊神のアミーの野望を打ち砕くだろうって予言をされました。


そんな時に光の勇者と思われる光の属性魔法が使えるマリア・アースレットの出現により光の勇者かもって事で貴族ばかりの魔法学園にマリアが入学するところから物語がスタートします。


ついでに私が転生した悪役令嬢のアイラ・テイラーは、闇の属性魔法が使えたりします。


この悪役令嬢のアイラは、残忍で有名でしかもチート並に強いキャラクターだったりします。


何回もマリアの邪魔をする為に現れます。


まあ、でも悪役令嬢のアイラは、最後にマリアに負けるのですが……


しかも破滅フラグがオマケについてです。


悪役令嬢のアイラが自業自得ですが……


でもいざ、私が悪役令嬢のアイラになるとそんな事を言ってられないのですよね。


とにかくマリアちゃんの邪魔をしないで静かに過ごそうと心に誓いました。



私は、魔法学園に登校すると教室に入りました。



「おはようございます、皆様」



私は、教室に入ると教室の中を見渡して挨拶をしました。



「お、おはようございます、アイラ様……」



「ひっ!?


お、おはようございます、アイラ様……」



「お、お、お、お、おはようございます、アイラ様……」



クラスメート達は、私……残忍なアイラを怖がっておどおどしながら挨拶をしました。


私は、クラスメートに怖がれているのを見て相変わらずアイラが残忍だったのだなって破滅フラグが近づいているかもって思い苦笑いを浮かべました。


私は、昼休みになっても私を怖がって話し掛けて来ませんでした。


仕方がなく1人で中庭で弁当を食べました。


ふと、中庭に乙女ゲームの主人公(ヒロイン)のマリア・アースレットちゃんが他の令嬢に囲まれていました。


私は、直ぐにマリアちゃんの虐めのイベントだと理解してマリアちゃんを助ける為にマリアちゃん達に近づきました。



「あなた達、マリアちゃんに何をしているのですか?」



私は、優しく微笑みながらマリアちゃん達に近づいて他の令嬢達を見渡しました。



「ひっ!?


ア、アイラ様!?」



他の令嬢達は、怖がったように涙目で私を見つめました。



「気高い貴族が平民を虐めたりとか下品の事をしていませんよね?」



私は、優しく微笑みながら他の令嬢達を見渡して他の令嬢達の反応を確かめました。



「も、もちろんです!?


マリアさんを虐めたりしていません!?


そ、その……私達は、用事がありますから失礼します!?」



他の令嬢達は、涙目で首を激しく横に振り虐めていた事を否定しました。


そして他の令嬢達は、頭を下げて私から逃げるように去って行きました。



うぅ……まさか、虐めを注意しただけなのにここまでアイラが怖がれていただなんていったいアイラは、これまで何をしていたの?


これは、破滅フラグ確定とかないよね!?



私は、他の令嬢達の怖がりを見て私が討伐の対象でないのかなって思い冷や汗をだらだらと流しました。



「マリアちゃん、大丈夫ですか?」



私は、マリアちゃんの方を向いて心配そうに見つめました。


マリアちゃんは、私を見て涙をボロボロと流しました。



「わ、わ、だ、大丈夫ですから安心をしてください!?」



私は、マリアちゃんがいきなり涙をボロボロと流して泣き始めたのを見て慌てたようにおどおどとしながらマリアちゃんを慰めるように優しく抱き締めました。


マリアちゃんは、私に抱き締められてさらに涙を流して泣きました。


しばらくするとマリアちゃんが泣き止むとゆっくりと私から離れました。



「すいません、アイラ様、お見苦しいところをお見せしました……」



マリアちゃんは、泣いた事が恥ずかしそうに顔を赤らめて照れ笑いを浮かべました。



「いえ、気にしないでください。


マリアちゃんが泣くのを迷惑だと思っていませんよ」



私は、マリアちゃんを安心をさせるように優しく微笑みました。


何だかマリアちゃんが前世の親友のゆーちゃんと似ていてほっとけなく感じました。


ゆーちゃんも虐められている時に助けて親友になったのですよね。


久しぶりにゆーちゃんと会いたいよね……


私は、ゆーちゃんに会いたくなりました。


ゆーちゃんがあの時に私と一緒に死んでいなければ良いのにってお願いました。



「おや、アイラ、どうかしましたか?


それにマリアさんも一緒とは、何か合ったのですか?


アイラがマリアさんを虐めていたって事は、ありませんよね?」



私とマリアちゃんは、しばらく照れ笑いを浮かべて互いを見つめていました。


でもしばらくすると第1王子のルカ・マーティンが現れて甘いスマイルを浮かべて私達を見つめました。


私は、あることを思い出しました。


確かマリアちゃんを虐めから助けるイベントは、ルイ様の役目だったことにです。


確か乙女ゲームでは、悪役令嬢のアイラと他の令嬢達でマリアちゃんを取り囲んで暴力を振るわれる直前にルイ様が助けるのですよね。


その時にマリアちゃんが泣いたのをルイ様が優しく慰めるイベントだったのですよね。


私は、その時のイベントは、好きなのですよね。


あっ、て事は、私がマリアちゃんがルイ様と仲良くなるイベントを横取りしたって事なの!?


ルイ様とマリアちゃんには、悪い事をしたよね……



「ち、違います!?


虐められていた時にアイラ様に助けてもらいました!?


ですからアイラ様は、何も悪くありません!?」



マリアちゃんは、ルイ様の私がマリアちゃんを虐めているって言葉を聞いて慌てて両手を振り一生懸命に私がマリアちゃんに助けられた事を知らせました。



「アイラがマリアさんを助けたのですか?


珍しい事もあるのですね。


……いや、私達の為にあんな事をするアイラがマリアさんを虐めから助けるのは、当たり前ですね……」



ルイ様は、何か納得したように軽く頷いて甘いスマイルを浮かべて私を見つめました。


私は、何だかルイ様が切なそうに何かを我慢をしていて無理をしているように見えました。


だからルイ様の苦しみを和らげるように自然とルイ様を優しく抱き締めました。



「えっ、アイラ、どうかしましたか?」



ルイ様は、私にいきなり抱き締められたのを見て戸惑いながら私を見つめました。



「ルイ様に何か合ったか知りません。


でも私は、ルイ様の味方ですから安心をしてください……」



私は、ルイ様を抱き締めてルイ様の背中を優しく撫でました。



「っ!?


やっぱりアイラには、敵いませんね……」



ルイ様は、私を抱き締め返して自然と涙が流して声を我慢をして泣きました。


しばらくするとルイ様が私から離れてました。



「お見苦しいところをお見せしましたね。


それからその……すいませんでした……」



ルイ様は困ったように苦笑いを浮かべました。


そして切なそうに私を見つめて私に謝りました。



「え、えっと、何がでしょうか……?」



私は、ルイ様に謝れた理由が解らずに戸惑いながらルイ様を見つめました。



「アイラは、解らなくて良いですよ。


アイラ、あなたを護ってみせますからね」



ルイ様は、真剣な表情で私を見つめました。


ルイ様の瞳には、私を護るって言う決意が表すような意思の強い気持ちを感じました。



「え、えっと、ありがとうございます、ルイ様」



私は、ルイ様が何故こんな事を言われたのか理由が解らずに戸惑いながらルイ様を見つめました。



「それでは、私は、もう行きますね」



ルイ様は、甘いスマイルを浮かべて軽く手を振り去って行きました。



「あ、あの、アイラ様、今度こそアイラ様を護ってみせます。


何の事か解らなくて構いません。


ただアイラ様を護らせてください」



マリアちゃんは、私を強く抱き締めてつらそうな表情を浮かべました。



「え、えっと……解りました。


よろしくお願いします。


でも私もマリアちゃんを護らせてくださいね」



私は、マリアちゃんが何故そんなに苦しんでいるのか何を隠しているのか解りませんでした。


でも私もマリアちゃんを護る事を約束しました。



「ありがとうございます、アイラ様。


やっぱりアイラ様は、変わっていませんね」



マリアちゃんは、切なそうに私を私を見つめました。


私は、その仕草がやっぱり前世の親友のゆーちゃんと似ているって思いました。


でもこの後にまさかあんな事になるだなんて思いませんでした。




~つづく~



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