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BLUEが住むところは瓦礫を掻き集めたような家が少しの隙間もない様な感覚で乱雑に建てられている。
言わばスラム街。
この国は中心部へ行くほど身分が上になり、端は泥水を啜って生きる。
BLUEの中にはREDの為だけに仕事をし、食いつなぐ者もいる。REDにしてみれば大成功の人生だ。
その他、有象無象は戦地で死ぬだけだ。
私が住んでいるのはそんなスラム街の一通りが多い場所。親父はまとめ役みたいになっているから色んな情報が入りやすいこの場所に生きている。
その情報が生きる上でなんの役に経つのかは知らない。
今年で18となり、死ねる年になった。
多分あと一ヶ月後の戦場には私の死骸が転がっている。
私はその時の事を考えない様にしている。
逃げるしても、戦地に行くにしても、待っているのはドス黒い未来に変わりは無いのだから。
「帰った」
「入れ。連れてきたろうな」
「うん。サニー」
「お邪魔します」
「集会は夜だ。最終の鐘が鳴ったらまたここに来い。それまでは自由にしてていい」
「直ぐじゃないんだ」
「REDに勘づかれるな。死にたくなければな」
「はいはい。だってさ、サニー」
「はぁ、市場行く?」
「何しに」
「暇つぶし」
サニーはもう一度ため息をついて来た道を戻っていく。
市場へ向かうのだ。
私は市場で用があった事を思い出した。まぁ、別にサニーが居てもいいか。