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浦川 日歌里ノジュウニシ【side:H】

自風不吹自波荒天已視北辰《風吹かずといえども波荒れるといえどもただ北辰を視る》

作者: 日浦海里

タイトルはなんちゃって漢文です。

調べながら書いたものの、慣れてないので、

違うよ、という指摘あればお願いします

何事も起きない事が

最良ってこともあるだろうけど

何事も起きない事が

最悪ってこともあるんだよ


波風立てずに大人しく生きる事

それも生き方

誰も傷付けず

誰にも触れず

そっと静かに

ただ生きていく


それも生き方

それだって生き方

でも帆を立てたって動けやしない

二進も三進も(にっちもさっちも)いかない今を

誤魔化しているだけじゃないの?


明日も明後日も明明後日でも

見渡す限りの海原で

ただひっそりと終わるのを待つ

そんな毎日を望んでるの?


そういう気持ちもあるんだろうけど

それは最後に取っておきなよ

揺れることなくただ穏やかに

日々是好日(ひびこれよきひ)と思うのは

十分満ちたあとでいいでしょう?


何事も起こさない事が

最悪ってこともあるだろうけど

何事も起こさない事が

最良ってこともあるんだよ


荒波に飲まれ浅ましく生きる事

それも生き方

省みもせず

振り返りもせず

生きてくために

ただ生きていく


それも生き方

それだって生き方

でも()をいくらかいたって動きやしない

3歩進んで3歩下がるような今を

誤魔化しているだけじゃないの?


今この瞬間の刹那の時に

見渡す限りの海原で

波に呑まれて沈む終わりを

望んでるわけじゃないだろうけど


そういう気持ちもあるんだろうけど

その焦りはまだしまっておきなよ

しがみつかずにただただ足掻(あが)いて

一所懸命頑張ったなんて

自己満足でしかないでしょう?


生きる指針を見つけなよ

何もなくとも

何がなくとも

変わることない1つの光を

ただ目指すべき1つの光を


それがあれば

それさえあれば

ただ風の吹くままに

波間に揺蕩(たゆた)う葉っぱでいいのか

周りを全部巻き込んで

荒波を征くガレオンでいくのか

そんな未来も視えてくるでしょ


落ち着くのだって

頑張るのだって

まずはそこから始めなきゃ

焦りは禁物

千里も一歩


さあ、君の光はどこだ?


例え風は吹かずとも

例え波は荒れようと

心は激することなく

心は臆することなく

凪いだ水面のように

視するはただ北辰を

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― 新着の感想 ―
[一言] 少年よ大志を抱け! に通ずる何かに思え、そういえばクラークの銅像が指すのは何だっけ? と、調べて直してしまいました。 遙か彼方にある永遠の真理を指し示す。 北辰に、北極星から思い浮かべた北海…
[一言] 最後の一節が好きです。タイトルも漢文風でおしゃれですね。漢文読んだのは大学受験以来かも……笑。 何事も起きないことは、最良であり最悪。 正に仰る通りかも。何事も起こらない平穏な日々を願う一方…
[一言]  北辰。何かと調べてみて。  己の中の重なる思いに、少し懐かしさを覚えました。  スノボでも、足元を見てるとコケるんですよね。  足元ではなく先を。  目指すものを。  その方がバランスが…
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