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ミステリーは簡単です

 はじめまして。『小説家になろう』の投稿サイトで、ミステリーを中心に頑張っている iris Gabe です。はじめて書いたミステリー「白銀の密室」の公開日を、何気に見てみると、2009年となっていました。もう10年以上が経ってしまっているのですね。(ぞっとします……)

 まだまだ未熟者ですが、素人なりに、ミステリーの書き方ハウツーを、エッセイとして、そこはかとなく書きつくっていきたいと思います。ただ、いつものわたしのごとく、更新は亀さん営業となります。どうぞよろしくお願いいたします。

 かつての時代の文豪ように、辞書を片手に何度も修正を繰り返しながら、万年筆で原稿用紙にじかに文章を書いていって、ようやく作品が出来上がる。取材も、図書館へ行ったり、その分野の専門家とコンタクトを取ったりして、必要な情報を少しずつ手に入れていくしか手立てはなく、他人に作品を読んでもらうためには、新聞に掲載してもらうか、出版社に書籍化を願うしか、方法がない。

 それに比べて、現代は本当に便利になりました。何度書き直しても、そのたびにデータが保存でき、不意に思い付いた段落の差し込みだって自由自在。書き間違いがあっても、コンピューターソフトが、ある程度なら見つけ出してくれるし、辞書も紙媒体のものからネット検索へと変わり、単語の意味だけでなく、使い方例文とか類語とか、あらゆることが簡単に検索できてしまいます。取材だって、ほとんどネットで必要な情報が手に入りますから、ひきこもりしながら出来てしまいます。それに、わざわざ出版社まで出向かなくても、ネット上で自由に作品が公開できますから、確実に読者が確保されます。

 こんな恵まれた令和時代に住んでいて、小説を書かないなんて、本当にもったいない。それに、小説を書くこと――。それは、あなたの分身を投影することであり、何千年も続いてきた人類史に、あなたが存在した証を刻み込む、もっとも簡単かつ有効な手段の一つなのです。すごいじゃないですか。

 それではいったい、どんな小説を手始めに書いてみたらいいのでしょう。分野は様々ありますが、素人の作家さんには、ずばり、ミステリーがとってもお勧めです。

 えっ、ミステリーなんて、書くのが難しくない? それに、トリックだって、もう出尽くしちゃっているでしょう? ましてや、読者をあっと言わせる作品を書こうだなんて、とても無理、無理……。

 果たして、本当にそうでしょうか?

 わたしはあえて主張いたします。書くだけだったら、普通小説よりも、ミステリーの方が、ずっと簡単です。たぶん……。

 たとえば、普通小説の代表作、夏目漱石の『坊ちゃん』を例にあげてみましょう。日常的な何気ないストーリーを題材にしながら、圧倒的な筆力で、読者を小説の世界へとぐいぐい惹き込み、思想やテーマを隠し味に盛り込みつつ、圧巻のフィナーレで、読者を至福の喜びへと至らしめる。実は、相当な神業なんです。

 それに対して、ミステリーは、とにかくなんらかの謎を提供します。そして、話が進行していくうちに、その謎が解明される、というお決まりの手段で、小説として一応成立します。書くだけだったら、こっちの方がずっと単純ではないでしょうか。

 ほかにも、SFとかファンタジーとか、魅力的なテーマはたくさんあります。では、それらの中から、あえてミステリーを選択する売りセールスポイントってなんでしょうか。

 理由の一つに、『小説家になろう』サイトの中では、ミステリーが圧倒的マイナー分野であることです。言い換えれば、競争率が低くて、目立つチャンスが誰にでもあることに加え、まだこれから開拓が進んでいく発展途上の分野でもあり、力の発揮しがいがいくらでもあるからです。それに、絶滅が危惧されている分野ですから、早急に保護すべきであること、などがあげられます。

 わたしがネット上で公開した自作小説は、はじめは、(星新一などの作家たちで一世を風靡した)最後のオチが勝負となるショートショートでした。でも、その中でミステリー的でホラーチックだった「あざみ館の三姉妹」という作品が、書いていてとても楽しくて、それから満を持して、(おそれ多くも)読者への挑戦状を挿入した本格ミステリー(なのかな?)「白銀の密室」を公開してみました。

 その際、ミステリーだから書くのがとりわけ難しかったのか、と問われれば、決してそんなことはなく、短編小説と同じように、伏線を散りばめながら最後のオチへとバトンタッチしていくような感覚でした。解決編を書いている時は、むしろワクワクしながら楽しんでいました。やっぱり、ミステリーって、そんなにしり込みするような分野ではないと、あらためて申し上げます。

 素人作家だからこそ、制約や締め切りに縛られず、斬新な作品が創れることだってあるはずです。たとえ公開したミステリー作品に致命的なミスがあっても大丈夫。読者から教えてもらえるし、出版をしているわけではないので、断りのコメントを入れてから、文章を修正して再公開できるチャンスもあります。さあ、みなさん、小説を書く準備はできましたか。

 でも、いざミステリーを書こうとすると、いくつか注意すべきことがありそうですね。これからみなさんといっしょに、それを考えていきましょう。

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