邂逅
初投稿のレモンが生きがいです。
週1投稿を目標に頑張っていきたいと思っているので、応援よろしくお願いします!!
目を開けると、人生で2番目に見慣れた天井が目に入った。といってもただの保健室なのだが。保健室で目が覚めるのには慣れた。俺は女性恐怖症の影響で女性との不意は接触があったりすると気を失う時がある。備え付けの時計を見るとまだ3時間目が始まったばかりだ。どうやら15分ほど気を失っていたらしい。今から戻ればまだ間に合うし、あんまりみんなを無駄に心配させるのもよくない。そう思ってカーテンを開けと、俺は二つの意味で驚いた。
「きゃっ!」
「おわっ!」
なんとすぐ目の前に、不登校で学校に来ていない柊恵里がいたのだ。
「す、すまん」
「ご、ごめんなさい」
俺が女性恐怖症の影響で目を合わせられない。
「すみません、ボードに書いていなかったので人がいるとは思っていませんでした」
「すまん。俺を持ってきてくれた人が忘れたらしい」
この学校の保健室には、こういった事故を防ぐためにどのベッドが使用中かを書くボードがある。しかしこんなシステムがある学校は少ないだろうから俺をここに運んでくれた人はそれを知らなかったのだろう。
「俺はもう帰るからここを使え。じゃあな」
「ちょっ...」
なにか言いたそうにしていたが無視して教室に向かう。女子と二人っきりでいるのはかなりつらいからな。申し訳ないがさっさと帰らせてもらうことにした。
「拓哉、大丈夫だったか?」
「ああ、今回も心配かけたな」
昼休みになるや否や話しかけてきたのはのは親友?の結城信也だ。爽やかなイケメンで、さらには心までイケメンなのが非常にムカつく。
「なんか今失礼なこと考えられた気がする...」
「いや、お前がイケメンだと思っただけだ」
「それを言うなら君もイケメンだと思うんだけどなぁ」
うざったらしいことに俺はイケメンに分類されるらしい。とはいえそれで得をすることは少なく、むしろ損をすることが多い。なにせ女性恐怖症なものだから、モテるというのは得どころか損である。しかも同性からもやっかみを受けることが多い。幸か不幸か今年のクラスだと男子とめちゃくちゃ仲がいい。思い出すと悲しくなってくるのだが、モテるのに女性が苦手という残念イケメンという称号をいただいてしまった。
「お前のせいでクラスのやつらに残念イケメンと認知されてるんだが?」
「うっ、それは申し訳ないと思ってるよ。でもおかげでクラスの居心地は悪くないだろ?」
たしかに居心地はいいと思う。男子同士での交流は今までで一番あるのではないだろうか。
「早く飯食おうぜ。時間無くなるぞ」
「露骨に話題そらされた気がするんだけど」
少し不服そうな顔をしていたが、マジで時間無くなるぞと時計を指さしながら言うと渋々弁当を食べ始めた。
「あ、お兄ちゃんおかえり!」
タタタっと玄関に小走りでやってきたのは、今年中学3年生になった俺と2つ差の妹だ。
「ただいま、琴葉」
「今日は倒れなかった?」
「いや、2時間目に一回」
「はぁ、やっぱり男子校にしたほうがよかったんじゃないの?」
高校に行くとき、母さんと琴葉は男子校を強く勧めてきた。社会人になってから男子しかいないというのはほぼあり得ないから、多少は慣れないといけないといって納得してもらったが、琴葉はまだ心配なようだ。
「クラスのみんなもいろいろ配慮してくれてるから」
「お兄ちゃんがいいならいいけど...ごはんとお風呂どっちにする?」
「じゃあ先に夕飯にしよう」
「わかった。着替えてきてね」
5年前に起きたあの事件から琴葉は俺の世話をさらにしようとしている。まあ無理もない。なにせ父親は死に、兄は女性恐怖症になったのだから。当時よりずいぶんマシになったが、俺の憔悴しきった様子は目も当てられなかったらしい。もうこれ以上母さんと琴葉を心配させたくない。そのためにも人に迷惑が掛からないレベルにまで治したい。そんなことを思いながら眠りについた。
誤字脱字あれば報告をお願いします。
評価をつけてくれるとモチベーションにつながるので嬉しいです。