第4話「未来の通信カタログ」
2070年9月 教室 1年A組
鈴村先生「ジャホンは資民党が与党となります。与党とは内閣を構成する政党で、もちろん総理大臣の橘 圭吾首相も資民党に所属しています。他にも野党である維新党、宗教団体が母体のルートゥス党、みんなハッピー党が国会で議席を持っています。今日の授業はここまで!」
そういうと鈴村先生は香水の残り香を残して教室を後にした。
新「{鈴村先生って子供の頃には気づかなかったけど、結構エロいオーラしてるなぁ}」
放課後 教室
新「例の話なんだけど、なんか進展はあった?」
達也「ああ、俺は夏休みに鍛えまくって腹筋バッキバキや!」
清十郎「俺は伊藤 薫について父親に聞いてみた。伊藤 薫は前も言ったがインクベーティストで「反射」の特殊能力を持ってるらしい!これは銃弾とか撃たれても弾き返せる能力だ!
達也「すげぇ!無敵の特殊能力じゃねぇか!」
清十郎「また父親曰く、人付き合いとかはあまり無く、何を考えてるかわからないタイプらしい。ただジャホンの少子化対策や格差の問題には尽力してきて、次期閣僚候補のようだ!」
新「そうか…今のところ、伊藤 薫がXデーを計画したのかどうかはわからないな」
慶子「いい方法があるよ!」
そう言うと慶子は広辞苑ぐらい分厚いカタログを自慢げに机に出した。
新「これは?」
慶子「これは通販カタログよ、それも年会費1億円払わないと買えないレアなやつね」
達也「1億っ!なんでお前がそんなカタログ持ってるんだよ!」
慶子「まあ色々あってね!そこでこの中で見てほしい商品があるの!」
慶子はおもむろにページをめくった。
清十郎「これは光学迷彩?光学迷彩なんて開発されてたのか!?」
達也「なんだよ光学迷彩って」
清十郎「簡単に言うと透明人間になれるスーツだ!」
慶子「そう、このカタログは大人の事情で世に知られてない商品が書かれたカタログで、年会費を払っている会員だけが商品を知って、購入する事ができるの!」
清十郎「すげぇな、他にもAIロボットや瞬間移動装置まで!!オナえもんの世界じゃないか!」
※オナえもんとはブリーフを履いた猫型ロボット(♂)がブリーフから未来の道具を出して小学生の主人公″のび夫″の毎日をサポートするという国民的人気アニメである。オナえもんは道具を出す時以外もブリーフをまさぐる癖があるので一時期社会問題にもなった。
慶子「まあ他の物は置いといて、光学迷彩さえあれば国会や閣議に潜入できて、有力な情報を聞き出せる!でも、問題は値段…光学迷彩は1つ3億円もするから新次第ね…」
3人の視線が新に向かう。
新「よしっ!今すぐ4つ購入しよう!」
全員「!?」
達也「お前、金銭感覚バグってんな!」
新「こうしてる間にも計画が進んでるかも知れない!まあ、お金はまた増やせばいい」
慶子「ちなみに次の閣議は9月12日よ!」
達也「おっ、ちょうどうちの創立記念日じゃん」
清十郎「じゃあ閣議が行われる場所とその建物の構造は俺が調べておくよ!」
慶子「よしっ!じゃあ今日は解散ね!」
そういうと4人は寮に帰宅した。
◆◆◆
新の部屋
新は部屋でオナえもんを見ながら1人でふけていた。
新「{子供の頃も慶子や清十郎は賢いと思ってたけど、大人になって改めて実感するな。大人の俺よりも頼りになる}」
のび夫「オナえもーん、なんかいい道具出してよー」
テレビの中で、のび夫がオナえもんに泣きついている。
オナえもん「しょうがないなぁー、タラタラッタラー、″切れ目の入ったコンニャクー″」
そういうと、オナえもんはブリーフからコンニャクを取り出した。
のび夫「ただのコンニャクじゃないなかぁー!」
オナえもん「ちぇっ、ガキにはこの道具の良さがまだ理解できねぇか」
新「・・・」