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インクベーティスト  作者: 吉岡真実
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第3話「結成!KSDF!」

2070年 7月 校内グラウンド


先生「今日はこの紙に書かれた組み合わせでエボリティ格闘術の試合を行います!」

※エボリティ格闘術とは体術と特殊能力(エボリティ)を使った、実践的な格闘技である。


生徒A「今日は清十郎と達也の対決らしいぜ!」


生徒B「まじか!あいつら無敗同士だろ?これは見物だな!」


ギャラリーが見守る中、2人は向かいあった。


達也「対戦するの初めてだな!まあ勝つのは俺だけど(笑)」


清十郎「えらい自信だな!まあ授業なんだからあんまりムキになるなよ」


先生「両者前へ…」


2人はみんなが注目する中、お互い視線を交わした。


先生「用意……始めっ!!」


達也「先手必勝っ!!」


達也は一気に間合いを詰めた。


清十郎「オーバーヒートっ!!」

清十郎は炎のよろいに包まれた。


達也「くそっ、一旦距離をとるか…」


清十郎「{そう来るだろと思った。達也の能力は「瞬発しゅんぱつ」、筋肉を爆発的に伸縮しんしゅくさせる事ができる、だが俺のオーバーヒートなら彼も迂闊うかつに近寄れないだろ}」


清十郎「ギガフレアっ!!」


達也「熱ちっ!」


清十郎の手から繰り出された炎が達也をかすめる。


達也「{近づけばオーバーヒート〈炎の鎧〉、遠ざかればギガフレア〈手から繰り出す炎〉、しかも清十郎は大人並みの神経伝達物質エムピミンをもってやがる。やっかいだな…スピードに緩急をつけてタイミングを外させるか…}」

神経伝達物質エムピミンとは特殊能力エボリティを使う為に必要で、これが無くなるとインクベーティストは普通の人間になる。


清十郎「{動きが不規則になってきてタイミングを取りづらい、挑発を入れて相手の呼吸を乱すか…}」


清十郎「そんな逃げ回ってばっかじゃ、授業終わってしまうぞ〜、とっととギブアップしろ!」


達也「うるせぇ!」


達也「{俺の推測が正しければ、ギガフレアとオーバーヒートは同時に使えない。だからギガフレアを打った瞬間ボディがガラ空きになるっ!}」


清十郎「ギガフレアっ!」


達也「{今だ!}」


達也「最大出力…距無脚きょぶあし!!」

距無脚きょぶあしとは古武術に伝わる、一瞬で相手の間合いを詰める技である。


清十郎「(はやいっ!!中に入られた)」


達也「くらぇぇぇ」


達也は渾身のボディブローを放った。するとパスっと軽い拳の音がグラウンドに響き渡った。


達也「やべっ、神経伝達物質エムピミン切れだ!ギブアップ(笑)」


先生「そこまで、勝者…善 清十郎!!」


クラスメート「うぉーーーー!!」


2人の試合はクラスメートから歓声と拍手でいた。


◆◆◆


放課後 教室


達也「もうちょい神経伝達物質エムピミンがもってくれれば清十郎に勝てたのになー、ちくしょー!」


清十郎「まあ世の中結果が全てだからな(笑)俺も今日の事を反省して対策を練らないとなぁ」


慶子「2人ともかっこよかったよ!もしかしたら今年のバレンタインに女子からチョコレートもらえるかもね」


達也「甘いもの苦手なんだけどなぁー、いやーモテる男は辛いねぇー」


しばらく4人で談笑だんしょうが続いた後、新は重い口を開いた。


新「あのさぁ…お前らに大切な話がある、今から言うことは誰にも言わないと約束してくれ」


慶子「珍しいな、なんかキャラがいつもと違う気がする…」


清十郎「恋愛相談か?」


新「違う、そんなレベルの話じゃない!」


達也「なんだよ恋バナじゃねぇのかよ!」


新「真剣に聞いてくれ。お前ら、俺が未来から来たって言ったらどうする?」


しばらく沈黙が続く。


達也「なんかの冗談…って雰囲気でも無さそうだな。」


慶子「未来から来たっていうなら、可能性は2通り考えられるなぁ…。1つはタイムマシーンで来た、もう1つはそういうエボリティのインクベーティストって可能性。新が子供ままの姿って事はタイムマシン説では無いようね」


清十郎「全く信じないわけでもないが、なんか証拠でもあるのか?」


俺はスマホから貯金残高を見せた。


達也「100万、1000万、1億、10億…って事は…30億っ!!」


清十郎「まじかよこれっ!まさかこの間のジャホンダービー!?」


新「ああ、過去にそのニュースがあった事を思い出して、3000円賭けたらそうなった」


慶子「これは信じない訳にはいかないようね、でもなんで未来のあなたがここへ来たの?」


新「それは…」


新は経緯を全て話した、2085年の夏に大惨事が起こる事、そして豹変ひょうへんした清十郎に特殊能力エボリティを使われて、この世界にやってきた事。


新「清十郎…、すまない!だか俺が見てきた真実だ!未来は変えることができると思う!俺1人ではどうにもできないし、どうして行くかみんなからもアイデアが欲しいから打ち明けたんだ!」


清十郎「俺が…新を…か…理由はどうあれ、その未来は俺たちが望むものではないな…わかった、協力するよ!言いづらい事を全て話してくれてありがとう!」


達也「まあ俺もなんとなく理解したけど、どうしたもんかね?相手は軍隊や国会議員になった清十郎だろ?って事は国を相手にしなきゃいけねぇって事だろ!」


清十郎「ちなみにその時の首相は誰なんだ?」


新「伊藤いとう かおるだ」


清十郎「伊藤 薫といえば父親と同じ資民党しみんとうの国会議員で確か…人類初のインクベーティストだったと思う。俺は彼について調べてみる」

資民党しみんとう…現在ジャホンの与党


慶子「じゃあ私は自分達に何ができるか作戦を考えてくる!」


達也「俺はみんなを危険から守れるよう筋トレでもしてくるかな(笑)」


新「ああ、みんなありがとう、Xデー(事件が起きた日)は2085年6月15日、その日までに原因を特定して計画を阻止そししよう」


達也「悪い奴からジャホンを救う組織ってことで俺達の組織に名前つけようぜっ!その方がモチベーション上がるだろ?(笑)【開能自衛団かいのうじえいだん】なんてどうかな?」


慶子「ちょっと古臭くない?(笑)まず英語に直して頭文字をとってはどうかな?Kaino self defense forceの頭文字【KSDF】なんてどう?」


達也「おーっ!KSDF!なんかわからんけどかっこいいーっ!!」


清十郎「決まりだな!」


こうして【KSDF】は4人で結成された。

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