第三百五十一章 人工頭脳搭載ロボット確認
アヤメは警察の資料を透視で確認して、盗難車リストを作成し、タイムマシンで調査して、盗難車と犯人を特定し、一番柄の悪そうな不良が盗難した盗難車を使う事にしました。
アヤメは、不良から盗難車を気付かれずに使用可能な日時と、彼女が家族と一緒にいて、車ではねる事が可能な日時を調査して、二十歳の息子と一緒に外出する時にはねて、車をそっと不良に戻す事にしました。
アヤメは彼女をはねた後のフォローをフジコに依頼して、指を盗難車のキーに変化させて、不良に気付かれないように盗難車を持ち出しました。
付近に人がいない事を確認した上で、彼女がロボットである事を確認して、はねた後に盗難車の傷をタイムマシンで修復して、不良に気付かれないように元に戻しました。
近くで待機していたフジコが直ぐに駆け寄り、彼女がロボットである事を二十歳の息子に説明して、「こんな精密なロボットを作成するのは、バックに大掛かりな組織があります。警察に通報すると、その組織に狙われる可能性があります。ここは私に任せて下さい。」と説得しました。
二十歳の息子は、「あなた方は何者なのですか?彼女が車にはねられたのは偶然ですか?先ほど、あなたが説明していた組織と敵対する組織なのですか?」とロボットを確認して混乱していました。
フジコは説得するのは困難だと判断して、家族を説得して頂く為にも全てを説明して、UFOに乗せて宇宙人である事を納得して頂きました。
二十歳の息子は話の内容に驚いていましたが、「私は中村隼人です。私の友達も家にお手伝いさんがいるそうです。その他の友達にも、それとなく聞いてみます。家族には、“彼女と外出中に、彼女の携帯に着信があり、母親が脳卒中で倒れた為に、急いで家に帰った。”と説明して、荷物は私が後から彼女の自宅に送る事にしたと説明しておきます。」と納得していました。
フジコは、「彼女の荷物も色々と調べたいので、テレジア特撮会社の副社長宛に送って下さい。」と依頼しました。
隼人は、「あの有名な特撮会社は、あなた方の組織なのですか?」と驚いていました。
フジコは、特撮会社の事を説明すると隼人は、実際に宇宙で撮影していたと知り驚くと共に、惑星の重力や風景などが何故超リアルなのか納得していました。
フジコはアヤメの指示で来ていたアヤメ警備会社の社員とロボットを回収して、大型探査艦に転送して調べました。
数日後フジコが、「このロボットには人工頭脳が搭載されていて、何でも自分で判断して行動可能になっていました。先日地球に侵入した小型ロボットを撃退しましたが、一般市民に化けて侵入していたロボットは見落とした可能性があります。人工頭脳は破損していなかった為に、取り敢えず会話が可能にしました。説得できるかどうか確認してみます。それと映像を敵に送信していましたので、彼女が外出時どこに行っていたのか中村さんに確認してみます。それと女神ちゃん、映像が送信されていたという事は、中村さんが敵の事に気付いたと判断して襲ってくる可能性がある為に、中村さんの護衛をして。」と全員に連絡しました。
成美が特撮会社に出勤したフジコに、「昨日フジコさんが帰宅した後、中村さんから副社長宛に宅急便が届いたわ。」と中村さんて誰だろうと思っていました。
フジコは、「何があるか解らないから、その荷物も私の大型探査艦に持っていって調べるわ。」と慎重でした。
アヤメが、「博士、ロボットと荷物の両方調べるのか?どちらかを愛子に調べて貰えばどうだ?ところで、ロボットは説得できそうか?」と現状把握しようとしていました。
フジコは、「私もロボットを説得していて気付いたのですが、ロボットは緊急時、記憶から各種情報が漏れないように、自動的に記憶が消去されるように作成されていました。記憶喪失と同じで、何を聞いても無駄だわ。」と返答しました。
愛子が、「記憶の他に、思想などは、どうですか?全て消去されていて、自爆装置のようなものがなければ、ロボットを修理して、私達と一緒に暮らせないかしら。」と提案しました。
アヤメが、「何故敵のロボットと暮さなければならないのだ?」と不満そうでした。
愛子は、「記憶も思想も何もなければ、赤ん坊と同じで、私達が育てれば、将来、そのロボットにはどんな機能があるのかなどが、そのロボットから聞き出せる可能性があるわ。」と同居する理由を説明しました。
フジコが、「解りました。愛子さんの提案が可能かどうかや、危険な事はないのかなど、もう少しロボットの事を詳しく調べるわ。現段階では、記憶などは大容量のメモリ、思想や性格などは、CPUに内蔵されているメモリに記憶されていました。」とロボットについて中間報告しました。
愛子は、「それと、ロボットのエネルギー源は何ですか?バッテリーであれば、何処かで充電していたのですか?」と質問しました。
フジコは、「強力なバッテリーを使用していて、恐らく百年程度動作可能だと思われます。人間の寿命から、そのように設計されたのだと思われますが、太陽電池でも動作可能で、常時充電もしています。したがって、地球ではバッテリー切れになる事はなく、そのバッテリーの寿命は千年程度だと思われます。」と返答しました。
愛子は、「常時充電していれば、メモリ効果現象により、バッテリーの寿命は短くなるのではないですか?」と質問しました。
アヤメが、「何だ?その何とか現象というのは。」と質問しました。
フジコが、「メモリ効果現象というのいは、例えば充電が5あったとして、全て使用せずに、2だけ使用して充電していると、残りの3は使っていない事になります。このような充電を常時繰り返していると、使用しない部分は使えなくなり、2しか使えなくなります。携帯電話などでも、充電後使用できる時間が段々と短くなってくるでしょう?バッテリーでメモリ効果現象が出ない充電器は、充電する時に、全て放電して充電しているわよ。ところで愛子さんの質問ですが、ロボットの充電器は、蓄電器とバッテリーの中間のようなバッテリーで、常時充電していても、メモリ効果現象は出ないようなバッテリーでした。」と説明しました。
アヤメが、「博士、先程からややこしい言葉ばかり使って!その蓄電器とはなんだ?」と話についていけませんでした。
フジコは、「蓄電器は、化学反応により電気を発生させます。充電せずに、全部使い切ってしまうと、使えなくなる為に、常時少しずつ充電します。自動車に搭載されているバッテリーは蓄電器です。車で走行中に常時充電するようになっています。」と説明しました。
数日後サクラが、「中村さんが、サクラ販売会社の採用試験を受けに来たわ。面接でそれとなく聞きましたが、中村さんはサクラ販売会社が、テレジア星人の関連会社だとは気付いていないようです。社員として採用して、テレジア星人社員とペアを組ませて、中村さんの護衛をします。」と提案しました。
数日後、中村さんの護衛をしていたテレジア星人社員から、「中村さんが殺人ロボットに襲われて撃退しましたが、その時に、中村さんに私がテレジア星人だとばれました。殺人ロボットは、フジコさんと相談して大型探査艦に転送しました。アヤメさんの指示で近くにいたアヤメ警備会社の社員から報告を受けたアヤメさんも、殺人ロボットなので、念の為にフジコさんのところへ行きました。」とサクラに連絡がありました。
サクラは社員の行動に疑問を感じて、「警備会社の社員が近くにいたのでしたら、あなたは手出しせずに、警備会社の社員に任せれば、あなたがテレジア星人だとはばれなかったのではないですか?何故あなたが対応したのですか?」と不思議そうでした。
その社員は、「突然襲われた為に、近くにいた私が対応しなければ、中村さんが危険だと判断しました。」と返答しました。
サクラは、「解りました。あなたがテレジア星人だとばれたのなら、中村さんと彼女が行った所に営業に行き、付近を調べて下さい。」と指示して、“襲われる時は、予告して襲って来ないわよ。突然襲われるものよ。警備会社の社員も、襲われるまで気付かないとは、一体何をしていたのかしら。”と不機嫌そうでした。
フジコが、「女神ちゃんと殺人ロボットを調べると、ロボットの人工皮膚に入れ墨があり、刃物を所持していたわ。服装などから考えてもやくざ者ね。やくざも履歴書などの書類は必要ない為に、潜入していたのね。記憶はお手伝いロボットと同様に消去されていたわ。」と連絡しました。
サクラが、「それは氷山の一角なので、ロボットはまだ地球に侵入していると思われます。私の会社のテレジア星人営業社員に、営業中に透視でロボットを捜すように指示しました。愛子さんも自然を復活させる会の活動に、ロボットを捜して下さい。」と提案しました。
愛子は、「それは私も感じていましたので、既に捜しています。現在アフリカの原住民にロボットを発見しました。」と報告しました。
サクラが、「原住民などは、仲間意識が強く、他人が侵入するのは無理なのではないですか?どのようにして侵入したのでしょうか?」と不思議そうでした。
愛子は、「原住民を殺して、その原住民の事をタイムマシンで調べて、成り済ましていました。この方法を使うと、文明社会でも、履歴書などの書類が必要な職業や子供達の中にもロボットがいる可能性があります。」と警告しました。
次回投稿予定日は、4月30日です。




