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俺たちの異世界生活は鬼一口  作者: 一般人D
8/11

8話:ミナトの申し出

「セイヤ、イオリちょっといいか」


ミナトは真剣な目でこちらを見てきた。


「なんだ?」


「……話したいことがある、ついてきてくれ」


2人は顔を見合わせ 首をかしげたあと、俯きがちに歩き出したミナトについて行った。


一体どこに向かうのだろうか。


ミナトについて行くと門に着いた。


……門番の人も久しぶりだな……。


草原に出たがまだ歩く、一体どこまで行くのだろう。


「……ここらでいいか」


門から5分程度歩いたところでミナトは止まった。


「一体何をするの?」


「セイヤ、イオリ、ここで俺と勝負しろ」


……え?


「な、何言ってるんだ……?」


「お前らはこの地を救う勇者として転生した、でも俺はこの地の新たな魔王として転生させてもらった」


救世主だと思ってたが……魔王……?


というか何を言ってるんだミナトは……。


「女神にはあまりいい顔をされなかったが……面白そうだと許可された」


やっぱりあの女神雑過ぎないか……?


「で、でもわざわざ戦わなくてもいいじゃん!」


セイヤは必死に抗議する。


「……もう決めたことだ、魔王を目指すものとして勇者の邪魔をしない訳にはいかない」


「だが、戦うにしてもこっちには戦うメリットがない」


「ふむ……ではお前らが勝ったら俺の持ち金の半分をやる、日本円にして約五万……どうだ?」


「半分じゃやらん、せめて2/3にしろ」


「そこまで言うなら1/4くれてやる! だが参加料代わりにあるものを出してもらう」


約七万五千円か……言ってみるもんだな。


だが参加料?


「何を出せばいいんだ?」


そう言うとミナトは、目を逸らし顔をうっすらと赤らめ、頬を人差し指で掻きながら小さい声で言った。


「えぇっと……和英辞典と国語辞典を……」


「な、なんで辞典……?」


「せっかくだからいい技名を考えたくて……」


まぁ気持ちは分かる。


まぁそのくらいならいいか。


「そこまで言うなら受けてやる」


「イオリ!?」


セイヤが悲鳴にも近い声で叫ぶ。


「だが、こっちはまだ自分の能力についてよくわかってないんだ、不公平じゃないか?」


「そのかわり2対1だし、バランスは取れてるだろ?」


これ以上の譲歩は無理か……。


「……ルールはどうする」


「降参するか気絶などの戦闘不能状態で負けでどうだ?」


最後に気になったことを聞く。


「最後に、なんでそんなに勇者だの魔王だのにこだわるんだ?」


ミナトは少し黙ったあと真面目な顔で言った。


「……またいつか機会があったら話すよ」


気になる言い方だな。


「ねぇ……二人とも……ほんとにやるつもりなの?」


俺とミナトは頷いた。


「セイヤ、付き合わせて悪いな……」


「いいよ、どうせ面白そうだからとかそんな理由でしょ?」


正直一番はそれだ、すごいマンガ展開感がしてワクワクする。


「やるからには手加減しないよ!」


「いつだって勇者側が勝つのが王道だろ?」


ミナトは小さくふっと笑いをこぼし笑顔で答えた。


「せいぜい俺を楽しませてくれよ? 」

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