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俺たちの異世界生活は鬼一口  作者: 一般人D
5/11

5話:救世主

あの後しばらく歩いて図書館を探していると、大きな時計の付いた建物を見つけた。


……というか、ほかの建物に比べて大きさがあまりに大きいので取り敢えずここを目指して歩いていた。


流石に堂々と入る勇気はないのでドアの隙間からちらっと覗いてみる。


そこには膨大な量の本が本棚に入っていた。


予想通り図書館があったのだ。


2人は図書館へと入っていった。



「んで、図書館に着いたけど何するの?」


セイヤは辺りを見渡しながら話しかけた。


「子供が文字覚える時に使うような本はないか探すぞ」


セイヤはそれに付け足すように言った。


「簡単な絵本とかもあったらそれも読もうか」


イオリは本を探しながら頷いた。



探し始めて約数十分……いや、もう1時間すぎてるかもしれないが……それは置いておき、とにかく本が多すぎた。


本は多すぎるのはまだいい、ただ得られる情報の量が増えただけだから……一番の問題はタイトルが読めないことだ。


だからいちいち本を開いて1度内容を確かめる必要があった。


それがとにかく面倒くさいのだ。


一応絵本は結構見つかった、だが文字を覚えるための本が見つからない。


……いや、もしかしたらあったのかもしれないが確かめようがない。


というかそもそも最初から無いのかもしれないが……。


「イオリ、とりあえず一旦絵本で妥協しない?」


「そうするか……」


多くの絵本の中から似た系統のものを選んだ。


そして絵だけで内容を考え、同じ文字列のものを探し出して言葉の意味を考える。


……正直今はこれしか思いつかない。



「イオリ……これ色々問題あるよね……」


あれから数時間後、セイヤがため息をついて話しかけた。


「まぁ最初から分かってたけどな……」


「考察するのはいいけど正解なのか確かめる方法がないよ」


「それ以外にも習得しても筆談しか出来ないとか、使える言葉が限られるとかな」


一体俺達はこの世界でどう生きるべきなのだろうか……。


本当に限界が来たら言葉が通じるようになるポーションとかを探そうか。


というかなぜ転生したんだろう……。


しかも転生ってことは地球では死んだんだよな……。


まだまだやりたいことはあったのになぁ……。


などと考えるとパチンという音と同時に両頬に軽い痛みが襲った。


「……イオリ、目が死んでるよ」


どうやらセイヤが両手で頬を挟むようにして叩いたらしい。


「この状況でネガティブになったらいつか本当に心が折れるからだめ……分かった?」


「あぁ……気をつけるよ……」


まだまだ冒険は始まったばかりなんだ、暫くはネガティブ思考を封じよう……



ネガティブ思考を絶って約1週間後。


あれから少しは読めるようになったか……?


もちろん、なっているわけがなかった。


変わったことといえば二人とも能力を使ってみたという事だ。


まさかこんな形で能力を初使用するなんて、転生前は思ってもいなかった……。


そして、何に能力を使ったかと言うと、イオリは’地球に存在するものを呼び出す’という能力で日持ちするパン1つとミネラルウォーター500mlを。


セイヤはパンとミネラルウォーターを増やした。


そも、お金が無いのだ、食べ物も飲み物も買えるわけがない。


だからどうしても使わなくてはならなかった……。


そして今、

「小倉 セイヤ、相馬 イオリで合ってるか?」

救世主が現れた。

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