4話:始まり
爽やかな日差しの中、2人の少年は目を覚ます。
辺りを見渡すと大きな草原、森、そこそこ大きな街。空を見上げると見慣れない鳥が飛んでいた。
ここは明らかに日本ではない、いや地球ではない、ここが異世界『エルファリー』!
「イオリ、ついに来たね……!」
「あぁ、そうみたいだなセイヤ……!」
2人は思い切り空気を吸い込み叫んだ!
「「異世界だぁ~!!」」
さて、まずはどこを目指そうかと考え…ようかと思ったがまぁ目指すべきは街だろう。
2人は街へと歩き出した。ここから2人の冒険が始まる…
取り敢えずパッと見、壁で囲まれているので素直に門から入るしか方法はなさそうだ。
門番が2人いるが……流石に通れるよな……?と考えつつ門番の所へ向かった。
通ろうとした所で門番に止められてしまった。
「■●▲」
「えっあっ……」
急に聞きなれない言葉で話されて戸惑ってしまった。
……ん?聞きなれない言葉……?
「イオリ……もしかしてこれ……」
「あぁ……セイヤ……これ……異世界語わからないやつだ……」
「=―●▲▲●―■●」
もちろん門番もこちらの言葉はわからないようで間隔を開けずに話している。
そこで門番の一人が上着のポケットから透明の石を取り出した。
そして、その石が光りだし俺たちを照らした。
「◆◆■=●―●●■◆●」
門番はそう言いながら微笑んだ。
「イオリ……多分もう通っていいんじゃないかな?」
「えぇ……この人たち怖い……セイヤが先行ってくれ……」
セイヤは1度落ち着いて息を吐き出しなるべく笑顔で歩き出した。
俺もそれに続く。
普通に進めた、本当に通ってよかったみたいだ。
……というか普通言葉は分かるようになってるはずだろ!
「……ねぇイオリ、僕……女神様が言葉を分かるようにしてくれるものだと思ってたよ……」
「俺も同意見だよ…」
「さて、どこに行こうか」
とにかく行動しなきゃ始まらないってことでどこに行くかを決めることにした。
「うーん……宿とか?」
「いや、喋れねぇから泊まれるかわからんぞ? てか金がないぞ」
「喋れないのがやっぱり致命的だね……」
「……まぁ取り敢えず歩くしかないか」
歩きながら周りの様子を見てみる。
剣や杖を持っている人は思ったより少ない、あまり冒険者はいないのだろうか。
1番気になったのは本を持っている人が多いことだ。
「セイヤ、図書館がある可能性が高い、それを探すぞ」
「そう思った根拠は?」
「本を持っている人が多い、なのに本屋らしい物がほとんどない、そして図書館があれば言葉を少し覚えられるかもしれない」
「じゃあ探そうか」