2話:5時間
「お楽しみ……ですか?」
女神は2人に説明をする。
「はい、お二人には異変を起こす者……まぁ魔王と考えていいでしょう、その魔王を倒す勇者候補ですから戦う力を得た方が当然いいでしょう? ですからそれぞれ欲しい力を決めてもらいます」
「2つ質問いいか?」
イオリは手を挙げ質問した。
「1つ目、能力はどんな能力でもいいのか?」
「はい、どんな能力でも構いません」
「じゃあ2つ目、能力によってデメリットもあるのか?」
「そうですね……強い能力ほどデメリットは大きくなりますよ」
「僕からも質問……というか聞きたいことが……いいですか?」
セイヤも小さく手を挙げて質問する。
「過去に能力を貰った人で1番デメリットが大きかった人はどんなデメリットだったんですか?」
女神は人差し指を顎に当て少し考える。
「えーと…確か’’あらゆるものを破壊&あらゆるものを創造する能力’’という能力の人のデメリットが、能力を使う度自分の体や感情など、ひとつ奪われるというデメリットにしましたね」
言い方からして女神本人がデメリットを決めているんだろう。
2人は少し顔を引きつらせた。
「結構えぐいデメリット与えるんですね……」
「そ、そんなことはいいんですよ! は、早く話し合って能力を決めちゃってください!」
それもそうかと2人は話し合うことにした。
「さて、セイヤは今のところどんな能力がいいと思う?」
「うーんせっかく2人なんだから合わせると強い能力が理想的だよね……イオリは?」
「俺はとりあえず強すぎるチート能力にはしたくないな」
…30分後
「戦闘系の能力だけにするのはちょっと怖くないか?」
「ということは移動系とか生活系?」
…さらに1時間後
「その能力だと自滅しそうじゃない?」
「デメリットもでかくなっちゃうしな…」
…さらにさらに1.5時間後
「能力も少し曖昧にした方が可能性は広がるな」
「というかいつの間にか女神様寝ちゃってるんだけど…」
…さらにさらにさらに2時間後
「……よし! これで行くか!」
起こさなきゃダメだよねと言ってセイヤは女神の所へよって行った。
「起きてください、女神様」
女神は揺さぶられてゆっくりと目を開ける。
「ん……ぁ、やっと決まりましたか……長いですよぅ……それじゃあ……異世界に送りますねぇ……」
「「能力は!?」」
危うく能力なしで送られるとこだった。