いつから好きに
二人は並んでベッドに横になっていた。横を向いて、お互いの顔を見る。
「こういうの、ドラマであったね。」
Yunが言って笑う。
「キスシーンのちょっと前だったな。」
自分の腕に頭を乗せて、Roiが言う。
「Yunは、いつから俺の事を好きになった?初日の訓練の時か?それとも、キスシーンを演じてから?」
Roiがそう聞いたので、Yunは初めてRoiと出会った時の事を思い出した。オーディションの日、人垣の中で頭一つ出ていたRoi。どんどん近づいてきて、いつの間にか目の前に立っていたすごくかっこいい人。
「一目惚れかな。Roiは?いつから僕の事を好きになったの?」
Roiもまた、Yunと初めて会った時の事を思い出した。不安そうな顔でこちらを見ていた、天使のような顔の男の子。思わず吸い寄せられて、声を掛けたらなんとエントリーナンバーが一番違いだったとは。
「俺も一目惚れだな。」
そう言って笑った。
「俺たち、オーディションのエントリーナンバーが隣同士だったんだもんな。運命を感じるよな。」
「うん。でも、それだけじゃないよ。僕、ファンミーティングの時、いつもMCの人の質問に恥ずかしくて上手く答えられなかったでしょ。そんな時、Roiがいつも助けてくれたよね。」
「お前はシャイだからな。というか、若いんだから当たり前か。」
「いつもRoiが守ってくれた。すごく嬉しくて、頼もしくて、どんどん好きになったんだ。」
Yunはそう言って少しはにかんだ。
「俺も、ただYunの事を可愛いと思っていただけじゃないよ。Yunは、撮影中もファンミーティングの時も、俺が一人でいるといつも話しかけてくれたよな。みんなと仲良くなれるように、いつも気にかけてくれた。けっこう頼りにしてたんだぜ、Yunの事。」
Roiはそう言って手を伸ばしてYunの頭を撫でた。Yunは嬉しそうな顔をして撫でられていたが、ふっと表情を曇らせ、Roiのその手を取って、胸の前で握った。
「またこうして会えるかな?ずっと会えないのは嫌だよ。」
なかなか見られないと思っていたYunの切ない表情は、ここでもまた見ることができた。
「そんな顔するなって。まあ、その顔好きだけど。」
Roiはニヤっとした。
そこで、Yunの電話が鳴った。マネージャーのSaiからだ。と、ほぼ同時にRoiの電話も鳴った。二人同時に出る。
「Yun、良いニュースよ!2Luna storiesの続編が決まったわ。役者もスタッフもすべて継続ですって。一か月後に撮影開始よ!」
Yunは電話を切ってRoiを見た。Roiもマネージャーからの電話を切ってYunを見た。二人は顔を見合わせて、それから抱き合って声を上げた。
「やったー!またずっと一緒にいられる!」
どこまでも優しいRoi。素直でまっすぐなYun。二人の純愛はこれからも続く。
完
最後までお読みいただき、ありがとうございました。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
このお話は、実在するタイのドラマ「2moons the series」がモデルになっています。名前が似ているので、知っている方はお気づきですね。
ドラマに深い感銘を受けたのはもちろんですが、ドラマの出演者たちを、ファンミーティングやバラエティ番組などの映像で見ているうちに、ドラマの裏側やその後に強い興味を惹かれ、このお話の着想を得た次第です。
この小説の結末のように、2moons the seriesのシーズン2が制作され、放映された暁には、もしかしたらこの小説の続きを書くかもしれません。その時には、またお付き合いいただければと思います。
また、出来ましたらば勝浦明子の他の小説も読んでいただきたいと思います。BL好きの方には「クピドー~太陽のように笑う君~」がおすすめです。また、これからもどんどん書いて行くつもりですので、今後ともどうかよろしくお願いいたします。
最後に、読者の皆様のご多幸と、2moons the seriesシーズン2の放映を祈念致しまして、ご挨拶の結びとさせていただきます。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。




