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もう耐えられなくて

 そのまま無情にも月日が流れ、更に3カ月が経った。Yunはドラマに出て、女の子とのキスシーンもあった。Roiはそのシーンをテレビで見た時、持っていたスマホを地面に落とし、画面にひびが入った。これはマネージャーだけが知っている事である。そろそろ電話をしようか、いや、しない方がいい、と自問自答していたが、Yunをドラマで見る度に、Roiは感情を抑えられなくなる。たまたまドラマの時間に家にいたある日、ドラマが終わった瞬間にRoiはYunに電話をかけた。

 Yunはすぐに出た。

「もしもし。Roi?」

「Yun、出るの早いな。びっくりした。」

何を言ったらいいのか、何も考えずにかけたRoiは、かけたはいいが黙ってしまった。

「どうしたの?何か用があったんじゃないの?」

Yunにそう言われて、Roiは焦った。

「いや、その。元気か?」

「元気か?じゃないよ。また何カ月待たせれば気が済むわけ?」

Yunは冗談ではなく、けっこう怒っていた。Yunはいつも家にいる時はスマホを手にして、Roiからの電話を待っていた。またかけると言われてからずっと。

「待ってたのか、電話?」

「だって、また電話するって言ったじゃんか。」

「・・・ごめん。」

また黙ってしまった。

「Roi、僕が出てるドラマ見た?」

「うん。」

「初めて女の子とラブシーンがあったんだよ。僕もやっと男として見てもらえるようになったのかな。」

RoiはYunのキスシーンを思い出してこぶしを握り締めた。だが、自分の方が先に他の女優とキスシーンを演じて、それをYunが見ているはずだった。自分ばかり嫉妬しているのも悔しい。

「Roi?何かあった?」

会いたいよ。Roiはそう言いそうになって言葉を飲み込んだ。

「ねえRoi、前に僕の事、分かりにくいって言ってたけど、そんな事ないよ。僕はみんなにいつも分かりやすいって言われる。見たまんまだよ、多分。」

Yunは、ずっと伝えようと思っていた事を言った。パンドラの箱を、自分では開けられないけれど、Roiがこっそり開けてくれないか、と思ったのだ。このままじゃ、つらすぎるから。待つのはもう、限界だから。

「見たまんま?」

つまり・・・?Roiは考えた。嬉しそうにしている時は嬉しい、という事?演技ではなく?じゃあ、みんなに笑顔を振りまくのは?自分の事を真っすぐな目で見つめるのはなぜ?

「やっぱり分からない。」

Roiは降参した。そして、こうした悶々とした日々を過ごしている自分も、嫌になった。はっきりさせよう、と魔が差したように衝動がRoiを突き動かした。

「Yun、俺の事、好きだった?」

「うん。好きだったよ。」

「他の共演者と同じように?」

「え?」

Roiの問いかけはYunにとって意外だった。

「同じじゃないよ。Roiは特別だった。」

Yunは穏やかにそう言った。

「Yun。」

Roiは胸が詰まった。目頭がツーンとした。感動が胸いっぱいに広がる。

「今も、大好きだよ、Roi。」

とうとう、言ってしまった。でも、後悔はしない。

「俺も、Yunが大好きだ。誰にも渡したくない。」

Roiは声を絞り出した。


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