251話 続勇者VS勇者
前話に引き続き有宮視点です。
文の巨人とアキの巨人が激突。方や植物、方や嵐で出来ているはずのに、金属でできてんのかこいつらってレベルの音を垂れ流す。うるさい黙れって言いたくなるな! 頑張ってくれてるから言わねぇけど。
「有宮譲。これを飲め。まずいぞ」
うぇっ!? 飲ませる前にそれ言っちゃう!?
「仕方あるまい。事実だ。レシピを教えてくれたアイリ譲でさえ、「…不味いらしいよ」と言っていたからな」
ありがたくねぇ事実の上乗せありがとう! でも、魔力を使いまくってるし、飲むか!
「びゃあああ!不味いいいいいぃ!?」
「どう見ても私の攻撃よりも文ちゃんが苦しんでる件」
クッソまずい! やばい! のたうち回りたいくらいに不味い! 体に有効成分が染みわたってる感はある。でも、それと同時に不味さが口中に…、いや、体中に広がってる。体中に広がる不味さって何なの゛ぉ゛ぉお゛お!
「これも飲め。これはそんなに苦くないぞ」
ごふっ。のたうち回ってるところに無理やり薬を流し込まないで、かおるん。すげぇ! 味がしねぇ! 前のまずさが全部持ってってるぜ!
お。傷口が塞がってる感じがある。でも、口がぁぁぁ!
「有宮が「服が破けてちょっと卑猥だな!」とかいう余裕がない。ってことはガチで不味いな!だからこそ、抜かせはしないぞ!」
「僕の思考はお見通しってことかい、謙三!」
剣とシュンの拳にはめられたグローブが激突。
シュン。たぶん、文がここまで苦しんでたら誰でもそうすると思うぞ。落ち着いて…きたかと思ったけど、錯覚だ。あれ? 錯角だったかぎ。ぎぇええ゛え゛! まっずい!
「というわけだ。羅草さん。僕を倒さない限り、有宮さんには魔法は通さないよ?」
「のようね。人数差があるとほんときついわ…!」
アイを藤が止めてくれてる。けど、まずぃぃい!
「呼ばれて飛び出て炊飯ジャー!更に追加で…、出でよ!なんかよくわからん固定砲台!」
呼んでねぇ。カエレ! うげ、不味い。いや、二重の意味で。なんか出てるし。絶対狙われるから、逃げねばねば。でも、味がひどくて足がまともに動かねぇべ。…自分で言ってて何言ってんのかわかんねぇ。でも、動かぬ!
「逃げますわよ!文香さん!」
「そうしたいのはやまやまだけど、不味すぎて足取りが…」
足と足が絡みそうになるし、しびれてるし…。これであれ、毒薬じゃないんだぜ? 逆にすげぇぜ!
「天上院さん!有宮は俺に任せろ!」
ぐぇっ。待って。たっくん。首をつかんで引っ張らないで。確実にそっちのほうが早いけどさ!? 雑! 雑だよ!? 女の子にしていい扱いじゃねぇ! お姫様抱っことかあるじゃん。それにしてよ!?
「お姫様抱っこは双刀がシャイツァーで両手塞がってるから無理」
!? すでに片手使ってくれてんじゃねぇか!? 片手使ってくれてる時点で両手塞がってないよ!?
「やかましい。ちょっと揺れるぞ」
すでに揺れまくってるからご自由に! ちょいましになってきた希ガス。
「『炎龍』!」
炎で出来た龍が飛んできた巨大砲弾を呑み込み爆発を許さず消失させる。そのまま大砲に喰らいつく…けど、効いてねぇ!
文の巨人は…やっべ。どちゃくちゃに押されてる。物理的に。のしかかられて倒れそうになっとるー!
なんで!? あの巨人の根はすでに湖底にまで到達してる。床なんかよりずっとしっかりした地盤に刺さってるのに、なんで押されまくるの!? 跳ね返せるでしょ!?
「単純に力負けしてやがる。それ以外にねぇよ」
「ふぁっ!?」
わけわからん。嵐に質量とか…ありそだな。水分が大半だろうけど。
剣をふるって飛んできた大砲の弾を再度、たっくんが迎撃。でも、燃やしきれずに爆破。ちょっと破片が飛んでくる。いてぇ。
「そろそろ、立てる」
「そうかい。なら、行くぞ」
躊躇なく手を放してくね!? 別にいいけど、愚痴らせろ!
「単純に力負けしているのならば、強化してやればいい」
かおるんが薬を巨人に投げる。植物で出来た巨人はそれを吸収、体中を循環する水に乗せて回して強化。逆に押し始める。
「はい、ビーム!」
!? くっそ雑な言葉で大砲から光線出てきて、文の巨人貫きやがった!?
「装着!」
嵐で出来た巨人の背中になんか出た! あれは……大砲? どっかで見たことあるフォルムだし間違いないかな? こっちは狙ってないみたいだけど……、
「やらせはせん!」
!?
「あ、ありがと。ケンゾ」
マジかよ。大砲の向き関係なしに雷飛んできやがった! 確かにあの巨人、雲で出来てるけどさぁ…、大砲の存在意義。…大砲を作ることで体中から雷を撃てるようになるよ! とかいうのかもしれん。……大砲をつける意味なくね?
「タク!光太!賢人!」
「わかってる!」
さっすが。たっくん、藤、かおとが、嵐の巨人をつぶしに行ってくれてる。ケンゾや文のシャイツァーじゃ消し去ることはできないしね…。
植物で押し切ることはできる。じゃあ、そっからは? と言われれば…どうすんのっていう。水は全部吸い込めばいいけど風が残っちゃうもん。
こっそりこそこそ大砲のそばに。適当なところに砲弾を撃ちまくってるのが軽く謎。だけど、気にしたら負けだな!
そこそこでっかめの種を砲口へホールインワン! これで弾を撃とうものなら内圧に負けて爆☆散。するかと思ったけど、そんなことはなかった。種ごと押し出しやがった。予想外に耐久力あるな、あれ!
なら、種を蒔いて…、ッ! 氷!? 氷といえばアイ。今、アイを抑えてるのは…、ずくずく? いや、違う! シュンがかおるんのところへ抜けないようにケンゾと一緒に抑えてるから…、誰もいねぇ!
追加で飛んでくる氷を転がって回避。
「はっは!どこまでも転がり続けるぜー!」
……無言やめろ。アイ。
「その「だめだこいつ。あたし以外の幼馴染の誰か何とかしろ。お前らの幼馴染だろ」みたいな目をやめろう!?文はアイの愛しい幼馴染だぞ☆」
「はぁ……」
クソデカため息つかれた!? ひでぇ。
「あたしをとことん呆れさせるフミが悪いと思うんだけど?」
おっしゃる通り。ひげそーり。それはさておき、
「しゃべりながらも攻撃してくんのやめてくれない?」
「いやよ。戦闘不能になったら幼馴染のよしみで回復してあげるからいいでしょ?」
「よ く ね ぇ よ」
なんでぶん殴られる趣味があると思ってるのさ。私はドMではない! ドSでもねえけどな! ドSではないけど、敵対する以上打撃を与えたい。だのに、通らヌッセルト数。
本当にめんどいな。的確に種を凍らせてきやがってからに! 凍っても発芽できねぇことはないけど…、シャイツァーから出てるとはいえ所詮は種だべ。変な環境下だと無駄に魔力が要るようになるなる!
だー! 大砲もこえぇしにゃ…、あれもとっとと無力化したいけれど、あっちに集中すると確実にカチコチにされるというジレンマ。というか、凍らせる気なのかしら?凍らせた後砕いて殺す気なのかしらん。
いや、凍っても死ぬ?
「ねぇ、完全凍結は生きてると言えるのかしらん?」
「知らないわよ。試す?」
「やらねぇよ!?」
多分死ぬわ!
「でも、コールドスリープとか聞くわよね?」
うへっ。マジか。魔導書がシャイツァーの癖に急に距離を詰めて…、
「でりゃぁ!」
振り下ろされる本を種袋で受け止める。袋は不定形。めっちゃ受け止めにくくて草!
「あら、残念」
ちょっ。本はブラフ…! アイの青く輝く左手が文の右胸をぶん殴る。
あぁ、もう! いったいなぁ…! 今まで殴られたことなんてなか…あったわ。普通にあったわ。とりあえず着地。足元にちょい前に蒔いた種があるから、魔力流して育てとく。
あんまし痛くなかったけど、殴られた胸が凍り付いててちょっと動きにくい。多分一部、肉まで凍ってるにゃあ、これ。砕いたところでどおにもならねぇ。
「やってくれるねぇ、アイ…!」
「後ろも見たほうがいいわよ?」
あぁ、大砲でしょ? それなら。
「とうに無力化してある4」
さっき文が魔力流して育てた植物。その根が大砲の下の床を這いずり回って撤退。後に残るのは脆くなった床。そうすりゃ勝手に自重で落ちる。
「気をそらした隙に殴る。なんてことはさせないぜ☆」
ははっ。二度も殴られるのはごめん被る。というかとっとと回復してもらわねぇとまずい。氷が普通に寒い!
「文香さん!」
「助かる!」
回復をもら…って、
「「アイが受けるの!?」」
おぉう。ずくずくと被った。それはいい。なんでアイが受けるの!? 魔法で打ち消すわけでもなく、本体で受けるとか想定外だぜ☆。
「そこまで驚くことでもないでしょうに…。確かにあたしは思いっきり洗脳喰らってるから、聖魔法喰らったら戻れるのでしょうけれど…、」
「へいへいへーい!私が対処してないとでも思ったか!?」
お前か! くっそ! あ。やべ。意識が…。
「そら」
かおるんの声と一緒に降ってくる液体。糞雑だけど、氷は融けた。ついでに体力も回復できた。助かる…。
「ありがと。で、おい、アキ!アイが「戻れる」とか言ってたぞ!明らかに洗脳嫌がってんじゃねぇか!」
「だろうねぇ!でも、へーきへーき。愛ちゃんと瞬ならなんだかんだで付き合ってくれるさ!」
あ。そこにいたんだ。巨人が邪魔だったけど、階段ちょい上って見渡しとる。魔力バカスカ使ってるはずなのにめっちゃ元気だにゃあ。
「逆にうだうだ悩まなくていいようにしてる分、感謝してほしい。というのは嘘です。ありがと!」
アキが秒で言葉を翻しやがった。…さすがのアキも冗談でも言っちゃまずいって悟ったんだろうにゃあ…。「じゃあ言うなよ」と思わないでもない。でも、文もやらかすから文にはなんも言えねぇ。
「洗脳されてこき使われてあげてるんだから感謝しなさいよ」
「ほんとにね!お礼に胸「あ゛?」あい。ごめんなさい」
アイがこっちに魔法をぶん投げながらも、シャイツァーである魔導書をえげつない位の精度でぶん投げとる…。今のはアキが悪い。洗脳してても言っちゃダメなことは言っちゃダメでしょ。そもそも洗脳すんなとは思うがな!
「穏当にお金を渡そう」
お、おう。穏当だけど一気に生々しくなったぜ!
「俺にはないのか?」
「ん?瞬にはちゅーしt「要らねぇ」ふぁっ!?美少女だぞ!?ご褒美じゃないの!?」
自分で美少女って言ってのけちゃうアキ。そこにしびれるあこがれるッ! 実際、美少女なんだけどにゃ。頭に「残念」ってつくけど。なお、文も人のこと言えねぇ模様。悲しいなぁ。
「燃え尽きろ!」
「凍れ!」
「消え去れ!」
たっくん、かおと、藤の攻撃! 巨人は死ぬ。やったぜ!
「おかわりだーい」
!? 湖の水が上がってきて…、今度は蛇みたいな形になった。
「名付けて『リヴァイアサン』!いっけぇ!」
!? ちょっ、あいつ、湖から水を引き上げて圧縮してるっぽい!
「巨人!押しつぶせ!」
細かい指示は出さない。というか出せない。アイはよそ見しながら完全に避けきれるほど弱くない!
「『超圧縮水流』」
超!?
カパッと口を開いた水蛇から極太の水が発射される。秒で巨人が張っている根を引きちぎって足をもぐ。落ちてくる巨人は水流に呑み込まれて消える。耐えられるなんて思っていなかったけれど、目の前でまざまざと見せつかられるとやっぱりきついなぁ…! 根が生きてるから死んでねぇけど。それでも再生に時間かかりまくるにゃあ。
「首振れー!」
は? 待って。待って。そんなことされたらシュンやアイを巻き込まない位置にいる、たっくんとか、藤とか、かおとが消し飛ぶぞ!?
「させるか、この糞ボケ!」
ケンゾが飛び出してった。上段から剣を振り下ろす…、のではなく下から剣を振り上げる。誰かに当たりそうな部分だけ切り裂いて、無力化。だけど、わずかに残ってた斬り損ねた部分がケンゾの体を傷つける。
やるねぇ。傷はずくずくとかおるんが癒してくれる。魔力は減るけど死ななきゃ安い。だけど、ケンゾが離れたせいで、シュン担当の近距離がいねぇ。かおるんとずくずくが狙われる。文が肩代わり…するのはアイがいるから無理ゲー。でも、アイと文は相性悪すぎる。交代するべ。種のまま凍らされるよかマシ!
シュンをひとりで持つのは確実にきついけど、待ってりゃ誰か来てくれるでしょ! そもそも、一人でシュンをもたすのは嫌がらせに近いしな。幼馴染の文やケンゾならある程度、癖がわかる。思考は互いに筒抜けに近いけど、癖はどうにもならん。逆もまた然りというのがさいっこうに救いようがねぇけど! でも、文はあっちじゃ種袋とかいうわけのわからんの使って戦ってない。癖はまだわからんだろ!
「というわけで通さぬ!」
「どういうわけだよ」
「こういうわけだよ!」
おぉう。さっきまでの考察が秒で無に帰したべ。強い! 癖は殺しきれてない。だけどだけど、速度が上がってる! そんなの聞いてない!
「ほんっと、敵になるとド面倒だね!シュン!」
さっきからスレスレばっかりパンチが通ってく! パンチの威力じゃねぇけどな! シャイツァーとかいう世界一硬い物質ついてるからだな!
「有宮も大概なんだけどね」
はっはっは!
「誰が当たってやるかよバーカ!当たるときは文が攻撃を避けきれなくなった時だ!」
「それ普通だよ?」
そうでもないぜ。シュン!
シュンの一撃に合わせて種を急速成長! 種は根も張らずに茎をのばして、即座に実をつける。そこにシュンの拳が当たって、爆☆砕。
「ずくずく!」
文も巻き込まれて痛い。でも、シュンも痛いはず。この隙に洗脳を解いt…と思ったけど隙なんて無かった。なん…。
あ゛。馬鹿じゃねぇの文! シャイツァーはグローブ。シャイツァー介して爆破を受けるシュンと文では損害が…!
やべっ。受け身とって、横に、は間に合わねぇな。
「げぶらっ」
たぶんお腹に穴ぶち開けられるくらい殴られて、壁に激突。泣きたいくらいに痛い。『回復』。ありがと。しゅーにしーちゃん。紙をもらってなかったらたぶん死んでた。その代わり紙が消えたけどな!
「『天照らす日の導き』!」
よっし! シュンにずくずくの聖魔法が通った! 回復用じゃなくて純正の攻撃用! 邪を払う魔法なら、シュンの洗脳が
「甘い!そんなもので洗脳が解けると思うなど、甘すぎる!グルコースの100倍甘いと言われるアスパルテームよりなお甘い!」
なんかアキがほざいてやがる。グルコースは砂糖。ということは…、さっきからこの系列ばっかじゃねぇか!?
「『レコンキスタ』!」
英語で言えばreconquest。たぶん人に使う言葉じゃねぇぇ! 再征服ってお前、お前なぁ…!
「弾かれましたわ!?」
「はっは!私がいる限り、二人の洗脳を解くことはできないぜ!」
UZEEEEE! 幼馴染だがうぜぇ! 割と強力な魔法ぽかったのにそれを一瞬で、しかも何の兆候もなく弾くとかえぐすぎるでしょぉぉぉ! 常考。いや、マジでどうやって無効化しやがった?
「おまけに喰らえぃ!なんかスゴいの!」
リヴァイアサンと名付けられた水蛇の体が爆ぜる。
「はっは!ボルケーノゥ!」
火山噴火だわーい! なんて言わねぇよ!? 阿保でしょ!?
水球がどかどか上へ打ち上げられて、頂点に到達したら重力にひかれて落ちてくる。量が多い!
「集まれ!」
「あぁ!皆は僕らの後ろに!絶対に通しはしない!」
「全部斬ってやらぁ!」
「ならば、俺は通りそうなものを迎撃しよう」
|男ども《たっくん、藤、ケンゾ、かおと》が文らの前へ。飛んでくる「雨かよっ!」って突っ込みたくなるレベルの量の水球を迎撃する。文は種を蒔いて準備。だって、
「そーれ!どーん!どーん!」
アキがなんか言ってる現状じゃ、じり貧フカヒレだもんね。
「有宮譲」
「わかってる。行くよ!『蓮の盾』!」
蓮の葉っぽい植物で水を受ける! 速攻粉砕されそうだけど、かおるんが強化、ずくずくが回復してくれてる。これなら持つ!
「落とすぞ!」
「おぅ!」
「あぁ!」
剣持三人が駆け、かおとがそれを援護する。時たまアイのせいで凍り付いて降ってくる水玉があるけれど、それはあの三人だと斬れば事足りるからか、あっちに降ることはない。…全部こっちに来てるぜ! ふぅ!
……やめて。
「押しつぶされてくれるとありがたいのだけどね!」
「そうはいくまい。『よく滑る床』」
シュンが飛び出てきた…と思ったらかおとのせいで滑ってそのまま行き過ぎた。これで戻ってくるには間に合わねぇ。
「『火龍進撃』!」
「『昇陽』!」
「久我一心刀奥義『皐月』!」
たっくんの刀から出る火龍が湖と繋がるリヴァの尾を焼き尽くし、湖とリヴァを切り離す。藤の『昇陽』で剣から出た光の弾もろとも打ち上げ。燃やしながら吹っ飛んで、落ちてきたリヴァをケンゾが一撃で真っ二つ。
「よっし!倒s「はい、復活!」!?」
もうやめて!? 天丼っぽいのはもうお腹いっぱいよ!!
と、言いたいけれど、まぁ、やっぱりという気がする。
「みんな、アキから落とすよ」
「その心は?」
「ケンゾ。アキのシャイツァーは何?」
「何って水晶球だろ?」
だねん。でも、それはどうでもいい。形に意味はない。
「効果は?」
「え?倒した敵をエネルギーにして…あ」
そう。その通り。アキのシャイツァーは倒した敵をエネルギーにして魔法を使うもの。正直、「チヌリトリカが復活したいがために力をけちる言い訳かな?」って思ってたけど……、間違いなくその力を使ってる。純粋にアキのシャイツァーの能力だったのな。
「では、時折わたくし達めがけて広範囲攻撃をしてきたのは…」
「文らを攻撃するついでに魔物をSATSUGAIして、魔力回収したかったんだろにゃあ」
チヌリトリカにめっちゃ近いこのニッズュンの中央。だのにここで魔物に煩わされた記憶がないって時点で、こそこそ魔物をぶち殺してたんだなぁ…ってのがよくわかる。こうなるように戦う位置も仕込んでるんだろうにゃ。
「だから行くぜみんな!」
細かい作戦なんていらない。どうせじりじりやったってぽこじゃか魔力を削られるだけ。だったらとっととアキを落とす!