222話 アルルアリ森林
「アルルアリ森林に入る理由、納得いたしました。ですが、どのようにサイコウジ様たちを探すのですか?」
「主にミズキによる人海戦術ですね」
魔人領域に5人ぐらい残っていて、ミズキは俺らの護衛に5人は残したいらしい。だから、実働部隊は20人ほどになるが。数で押す。
「ミズキちゃんの行動を私達の紙と、カレンちゃんの矢で支援。そうすることで西光寺君達を探します。私達の馬車は道を外れた安全っぽい雰囲気のあるところを出来るだけ進むつもりです」
「雰囲気って…」
タク、俺もそう思わないでもないけれど、黙ってろ。それ以外に良い言い方がないんだから。
「会えない可能性がありますが…」
「そこは織り込み済みです。寧ろ、森ですから会えない確率の方が高いでしょう」
「少しでも会える確率を上げるため、私達の知らない戦闘が発生していれば、そこに近づく。これくらいの努力はするつもりです」
これを言ったら子供達には俺らがちょい危険な目に会う可能性があるからか、多少嫌な顔をされた。…止められはしなかったけど。
何か埋め合わせ…はいらないか。この子らだとそんなことすれば逆に申し訳なさそうな顔をしそうだ。
「なるほど。では、最大の疑問なのですが…。どのように馬車で森の中を進むおつもりなのですか?」
「「力技です」」
ルキィ様がポカンとした顔に。そして目をパシパシさせて一言。
「力技…ですか?」
ですよ。力技です。
「根を傷つけるのは本意ではないので、根は馬車を浮かせて回避する予定ですが…、」
「私達の進路上にある葉や枝は容赦なくなぎ倒していくつもりですよ。そうすれば、西光寺君達も見つけやすいでしょう」
音だけなら魔物だと思われちゃうだろうけれど…、運よく馬車が視界に入ってくれれば、俺らだって気づいてもらえるはず。御者台にいるのはミズキだけど黒髪だ。黒髪は割合、珍しいみたいだから、興味を持ってくれるはず。
見慣れない黒髪で、どことなく俺や四季に似てる顔となれば警戒を多少は解いてくれると思いたいが…。
でも、森の中で西光寺達を見つけるってことは、本拠地が駄目になってる可能性が絶大。興味を持ってくれても速攻ぶん殴られるってことも無くはないだろう。だから、殴られないように注意して声掛けする必要があるけれど。
「父さま、母さま。そろそろ馬車を動かしてもいい?」
「あぁ、ごめん。待たせてるね。俺と四季はいいけど…、」
ガロウとカレンはどうだろう? ガロウが『輸爪』を出してくれて、カレンが矢で軽く援護してくれる手はずなのだけど。
「俺は良いぜ」
「ボクもー!」
なら、よし。まだミズキ以外は外に出す予定はない。けど、ガロウとカレンは勿論、うちの子らは全員、戦いになる覚悟はしてくれてる。出れるね。
「でも、父ちゃんらの級友の皆さんはどうなの?」
「僕ら望月班はいいよー」
「我ら臥門班も構わぬ」
「俺も構わないぞ。ルキィ様はどうです?」
「私も構いません」
全員問題なし…と。
「ミズキ、お願い」
「了解。外にいるアタシにセンに動いてもらうように頼むわ。……ん。進み始めたわ」
「ふぁっ!?え!?進んでるの!?待って、揺れも全くないし…、音もないぞ!?」
そりゃね。
「俺らが今いる家はルナのシャイツァーだからな」
「ルナちゃんの家は揺れや五月蠅い音等、全部シャットアウトしてくれます」
「便利だな…」
そうだよ。便利すぎて出来るだけ御者台に座りたくないレベル。…座るときは座るけどね。子供達にばかり任しておくわけにはいかないし。気を遣われているのか、俺が御者台にいるときはほぼ横に四季がいるけど。
「兄貴!姉御!魔物の領域って何だ!?」
えっ。あれ? 説明されてないの?
「されてねぇぜ!もしされてても忘れた!」
…謙三に同行していたのは、チヌリトリカに乗っ取られているor魔法で支配下におかれているとはいえ、こいつの幼馴染のはずなんだけど。
…ま、「忘れてる」があり得ると思えてしまうのが、謙三が謙三たる所以か。
まぁいいや。復習になるし。整理しておこう。
「意味的には神話決戦の時、チヌリトリカが最後に自爆したせいで瘴気がベトッと貼り付いた土地。だったはずだよ」
「魔物はただの動植物が魔獣よりも強く瘴気の影響を受けて誕生するもの…ですから、瘴気が存在する場所と言う事も出来ますね」
だからこそ、魔物の領域以外で魔物が出れば大騒動になるのだけど。フーライナの一件で騎士団が動いていたのも、魔物が出てヤバいのもあるけど、そこが魔物の領域じゃなかったからってのもあったはず。
まぁ、この意味で言えばルナの居たシャルシャ大渓谷も魔物の領域と呼べなくもない。…渓谷に魔物居なかったけど。
とはいえ渓谷の魔物不在は、魔物の元は生物という説と、魔族領域でリュレイさんから聞いた魔族の元は人間という説。たぶんどっちも正しいから、魔物の前身となる生き物が瘴気に耐え切れなかった。ってことで説明できる。両方あってると仮定すれば。であるけれど。
「ほぇー。じゃあ、有名な魔物の領域ってどこだ?」
「各種族の国境」
「ただし、ファヴェラ大峡谷、もしくは大河川は除いてくださいね」
案外、人間と魔族間でしか種族間戦争が起きていなかったのは、境界が魔物の領域なせいで大軍を送り込みにくかったかもしれない。
「つまりどこだ?」
おぃぃ…。
「人間―獣人境界『メピセネ砂漠』、獣人―魔人境界『ヒラ大森林』、魔人―エルフ境界『クアン連峰』、エルフ―人間境界『カスボカラス断崖』この4つだよ」
「父ちゃん、母ちゃん。魔物の領域って割にさ、カスボカラス断崖は見てないから何も言えないけど…、クアン連峰に比べて、前者二つは魔物の数はそうでもなかったよな?」
…確かにそうだね。クアン連峰がおかしいだけと言えなくもないだろうけど…、
「…ガロウ。クアン連峰は尋常じゃないぐらいいたけど、ヒラ大森林も結構いたよ?」
「ですね。となると特別メピセネ砂漠の魔物の密度が低い…のですかね?」
俺や四季が何か言う前に、アイリが言いたいことを言ってくれて、レイコが考えを述べた。
「レイコの意見も正しそうだけど…、案外、メピセネ砂漠は単純に砂漠で人が住めない」
「ですから、魔物があまり大きくない瘴気だまりから出てきて、我が物顔で闊歩しているだけかもしれませんよ?」
他の境界もそうかもしれない。人が住みにくくて、調査もしにくい。そのせいでよくわかってないだけで、どこかの瘴気集積地点で発生した魔物が溢れているだけ…っていう。
その場合、元からいた動物や魔獣はその魔物より弱いから駆逐されたってことになるかな?
「!?兄貴!姉御!そんなとこ通ったのか!?」
「うん。通ったよ」
「すげぇ!」
そうでもない。字面だけ見れば過酷だけど、俺らの条件は割と恵まれていたしな…。
砂漠は地下に昔の交易路があって、そこは環境が悪くなかった。しかも、センが砂漠をものともせずに走れる上、馬車も砂漠用の改造をしていたから、安全に抜けられた。
森はスタンピード騒ぎがあったから、獣人領域の大部分の戦力と途中まで一緒だった。し、ガロウがシャイツァーを使えるようになって、馬車を浮かせられるようになった。おかげで木の根や地面の凹凸を気にしなくてよくなったから楽だった。
山はガロウとセンとルナ無双。そこそこの速さで飛んでいけた上、ルナとセンで防壁が二枚で、安全性が高まってた。さらに途中で神龍と言っても過言ではない『ズィーゼ』さんに助けてもらえたし…。
その上、どこの領域でも魔法で水は出せるから水の心配が不要。で、食料も、水も大量に鞄の中にある。地球で似た環境を踏破することに比べればヌルゲーだろう。…あっちは魔物いないけど。
「習、いや、清水さんもだけど…、よくやるわ…」
「人間領域の探索は西光寺君達に、魔王討伐は望月君達にほぼぶん投げちゃってましたから…、」
「多少、頑張らないとね…」
申し訳ないでしょ? まぁ、捜索してたのは各領域の有名どころだけだけど…。世界樹で帰還魔法が見つかってよかった。…俺らは使えなかったけど。
「あの、皆様。のんびり喋っておられますが…、まだ森に入っていないのですか?」
「え?結構前に入ってるわよ?ルキィ様。まだ街道沿いで、樹の密度も薄いから明るいわ。馬車周辺に魔物の気配もなし。緊張感があんまりないのはそのせいね」
ルキィ様が一瞬だけポカンとすると、すぐに一人納得したように何度も頷く。
「構ぁって!」
ぐえっ…。ルナにダイレクトアタックされた…。何とか受け止め、視線を降ろすと俺の胸に飛び込んできたルナとばっちり目が合う。たったそれだけで嬉しそうに頭をぐりぐり。
毎度のことだけど…、何故、目が合うだけでそんなに嬉しそうになるんだろう。とりあえず撫でとこう。
「ミズキ。周囲は?」
「気配なしよ。まだ浅いからかしら?生き物の気配がしないわ。…あ。植物は除いてよ?」
そっか。ならしばらくの間はなでなでしていてもいいか…。ルナの方に向き直った瞬間、スッと四季が入って来て四季も撫でるのに加わる。
「にゅ、にゅ!」
蕩けるような笑顔を見せるルナ。それを見て羨ましそうな顔をしている蔵和さんとルキィ様。
蔵和さんは撫でられているルナが羨ましい。ルキィ様は…なんだろう? …ルナが可愛いのが羨ましいのかな? …あげませんからね。
「のんびりしてるねぇ…」
「それだけまだ安全ってことですわよ。光太」
「だねぇ。僕等ものんびりしよっか。勿論、習と清水さん、それに二人の子だけに任せる気もないけれど」
「ですわね」
______
…だいぶ進んだはず。なのだけど、
「ミズキちゃん。何かありました?」
「いいえ、母さま。何の気配もしないわ。植物しかないわよ。どう考えても変よね?だって、父さまや母さまが魔物の領域に侵入した時の記憶に比べると、静かすぎるもの」
ふむ。であるなら…そろそろいいか。
「アイリ、レイコ、コウキ。ルナをお願い」
「私と習君で、少し外を見てきます」
ルナを託して外に…、
「ん?習や清水さんはルナちゃんと遊んでいてもいいのよ?僕等が出るよ」
「というより、出させてくださいませ。そろそろわたくし達も動きませんと不味いですわ」
「我らもだな。このまま文字通りのお荷物になる気はない」
「俺もだ。習。…さすがにルキィ様は遠慮してもらうが」
勇者勢がぞろぞろと立ち上がって来た。…なら、
「全員で出ようか」
「馬車にそこまでスペースがあるわけではないのですが…」
四季の言葉を聞いても友人たちは全員頷く。おっけい。なら、出よう。
「習ー」
「何?」
声掛けだけで反応出来るから腕を引かないでほしかったんだけど…って、返事したのにまだ手を引いてくるのな。ちょっ…、
「清水さんが反対の手を咄嗟に持ってるから、思ったように習のバランス崩せねぇ…。ごめん。清水さん。習。すまん。ちょい耳かせ」
最初からそう言え…と言いたいが、それをしなかったと言う事は内緒話か?出来るだけ自然な感じになるように注意して…、これでよし。どーぞ。
「最初から俺ら勇者勢が出なかったのは子供達か?」
正解。子供達がいるからであってるよ。で、理由は?
「自尊心」
うん。正解。あの子らの自尊心を考えてそうした。俺らがさっさと出ちゃって「頼られてない…」と万が一にでも思われちゃうと困る。だから念のため、子供たちだけで対応する時間を作った。…静かすぎたせいでカレンも俺らの紙も出番がなくて、ほぼミズキだけが動いていたようなものだけど。
「じゃあ、このタイミングで動いた理由は何だと思う?」
「ちょうどいいから。だろ?」
答えになっていないようなタクの答え。だが、俺とタクの間ではこれで通じる。その言葉に全ての答えが内包されている。
子供達(正確にはミズキ)が疑問を抱き始めた。そして、疑問を俺ら抜きで判断するのは危ないと判断して、助けを明確な言葉ではないけれど求めてくれた。だからちょうどいい。何より、さっきのミズキの台詞であれば「自分達が力不足だから俺らに迷惑かけた」なんて、マイナス思考にはなりにくいだろう。
「逆に聞くけど、俺の場合はどうだと思う?」
ルキィ様を出さない理由? そんなの決まってる。
「勇者がいるから。だろ?」
戦力が揃っているのにむざむざルキィ様を危険に晒す必要はない。何より、ルキィ様の存在はバシェルに殴り込みに行く大義名分になる。別に大義名分なんざなくても、級友達が意に添わずバシェル王都にいる可能性がある以上、行くつもりではある。だけれども、住民からすれば大義名分もなしに元第一王女アーミラ様を殴りに行くよりも、元第二王女のルキィ様を擁立していく方が、圧倒的に心証がいいはず。
「正解」
だろうな。正解なのが分かり切ってる。だから、当たってても何も嬉しくないな。
さて、外だ。家の中に比べるとシャイツァーの補助がないから多少揺れるが…、ガロウの『輸爪』が馬車を浮かしてくれているおかげで、接地している場合に比べれば揺れははるかにマシだ。
御者台まで行って一人座るミズキを挟むように四季と座る。他の勇者…って言い方は少し心の距離があるか。もう光太達とも友達なんだ。友達でいいだろう。
他の友達は悪いけれど、各自良さげな所を見つけて陣取ってね。
街道を外れてしばらく経っているからか、鬱蒼と木々が生い茂っている。木々の密度が高いためか、天から射す光は遮られてしまって暗い。そして、地面は人の手が入っていないからただでさえ凸凹している。そこに大小さまざまなサイズの木の根が加わり、益々足場が悪くなっている。
そこをセンは西光寺達を探すという目的に沿って、かなり速度を落としながら跳ねるように進んでいる。まるでテレビで見る崖に住むヤギか何かのよう。
そんなセンに引かれているから馬車とセンが繋がる部分も跳ねるように動く。けれども、馬車はガロウの『輸爪』に乗っており、センの動きによる揺れの影響はそこまで激しく馬車に出ない。
そんな森は静謐な雰囲気…といえば聞こえはいいが、風すら吹かず静まり返っていて少々不気味。獣道っぽいところもあるにはある。だけど、そこにはパラパラと草が生えており、しばらく使われていないような雰囲気。
そして、いつもの嫌な感じ…、瘴気の気配も感じる。気配の感じ方的に瘴気は一か所にまとめて存在しているっぽい。…チヌリトリカが自爆した際に飛散した瘴気は、着地した時にはじけ飛んだりしなかったようだ。
「ミズキちゃん。ミズキちゃんはあっちの方も見てます?」
四季が瘴気の塊があるらしき方角を指さしながら問う。
「もちろんよ。あっちがどうしたの?」
「どうも瘴気が固まっていそうで、ヤバそうなので…、」
「あんまり近づかない方がいいんじゃない?って思ったから。伝えたかった」
西光寺達もヤバそうな雰囲気のところは避けていくだろうし…。
「確かにそうでしょうけど…、父さま、母さま。そもそもの話なのだけど。瘴気の気配を感じれる人なんて少数よ?だから、二人の友達が感じれる…って考えるのはちょっと楽観が過ぎると思わない?」
…一理ある。となると…、危険でも見に行ったほうが良いか?
「駄目よ。父さま、母さま。二人が直々に行くのは許さないわ。ッ…!…ふぅ。父さま達の言う場所に一番近いアタシのところに増援送ったわ。だからこれで許して頂戴」
…また俺らの知らないところで、ミズキが要らないと判断したミズキが死んだ。気丈に振る舞っていても痛みはやはり顔に出ている。…気づいても気づかないフリをしてあげるのが、この子にとってはやっぱりいいのだろう。そうわかっていても、やっぱりそう簡単には割り切れない。
「ギャガッ!?」
!? ミズキ!?
「大丈夫よ。瘴気の方に近づいたら纏めて殺されただけよ。それより父さま、母さま。今すぐ離脱して!アレは不味いわ!」
「ガロウ!センの下に『輸爪』を!」
「その後、急速に離脱します!皆!揺れます!可能なら馬車の中に…!」
友人たちが馬車の中、家の中に戻り、センが跳ねてその下に『輸爪』を差し込む。一気に上に爪を上昇させて森から離脱…!
バギャッ!
障壁と木がぶつかっただけなのに、音が尋常じゃない!? だが、このまま離脱…って、不味い! このまま放置してたらルナが反撃を撃ってしまう!
「ちょっと行ってきます!」
「頼む!」
子供達が止めてくれようとするだろうが…、ルナであれば親である俺か四季が言うのが一番早い! 撃たれたら森が燃える。燃えたら探すとか言ってる場合じゃなくなる!
あぁ、もう! 音がえぐい! 光太達のおかげで障壁の魔力は心配ないが…、このままだと失速する!
「『ウインドカッター』」
ちっ、一人でやると威力が低い! でも、これである程度、葉や枝が切れる!
風の刃が切り裂いた枝葉が障壁に衝突。けたたましい音を立てる。一段落すれば向こう側が…見えない。待って。枝葉が分厚すぎる! わずかに漏れていた光すら遮って真っ暗になりつつある!
四季がいてくれれば触媒魔法で全部吹っ飛ばせるのに…!
「ッーー!」
!? ミズキ!?
よっ…と! 何とか倒れる前にミズキを支えることが出来た。
「何処がやられた?」
「森にいた全部よ」
え?
「だから、森にいた全部よ。今、此処にいるアタシ。家の中にいるアタシ。それを除いた全部。18人が回避する間もなく一撃でやられたわ」
聞き間違いではなかったか…。
ミズキはかなり広範囲に散っていたはず。しかも、ミズキは馬鹿じゃない。ぼけーっとしていてグサーなんてなんてあり得ない。警戒していたはず。なのに、回避する間もなく消されてる。
…これらから推測されるのは相手がかなり強く、しかも森の広い範囲にいると言う事。
なるほど、森の中が嫌に静かだったのはこいつのせいか。この動く樹共にやられたんだ。そして、あの獣道のさびれ具合…。かなり前からこんな感じだったとすると…、森の大部分はこんな感じだと思った方が良さそうだ。
であるならば、西光寺達が生きて森の中にいるなら、こいつらにいつ殺されてもおかしくない。…西光寺達の安全を考えれば、こいつを倒すしかない。しかも、出来るだけ早く。