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白黒神の勇者召喚陣  作者: 三価種
6章 エルフ領域
211/306

187話 VSリャール

 カレン視点です。

 

 今回は漢字の上にルビを振っています。これで「(伸ばし棒)」地獄でも、少しは読みやすくなる…はずです。

 むー! 当たっても当たってないなんてー、面倒(めんどー)だねー。



 まー、ボクの場合(ばーい)、当てるところから始めなきゃいけないけどー。



「答えてくれる気はないのね…」

「そもそも、答えなんて言われる前から決まってる」

「ですね、勿論拒絶しますよ」


 おとーさんとおかーさんが、提案を蹴ったねー。そりゃそーだよね、二人がボクの願いが叶えられなくなるよーになる可能性(かのーせー)が高いのに、撤退やー、何もせずにここにいるなんてー、選ぶわけがないよー。



「くっ…。本当に貴方たち面倒くさいわね!」

「そりゃどうも」

「最高の誉め言葉です!」

「むきー!」


 煽り耐性(たいせー)がないねー。顔全体ー、特に目元が赤くなってるよー?



 でもー、ツルが伸びてくるりょーが、増えたのはー、いただけないー! 避けるの大変だしー! ボクはそーでもないけど…、ルナが特にー!



《ぎゃわっ!?》


 世界樹の悲鳴(ひめー)? またやられたのかなー? しっかしてよー。折角、おとーさん達に来てもらったのにー、何とかしてくれる前に枯れるとかー、やめてよねー?



『樹の子供が樹を労わってくれない…』


 五月蠅いなー。というかー、親面されても困るー。一人称が「樹」とかわけがわかんない人に育てられた覚えはないよー! せめておとーさん達に無駄足を運ばせた…、ってのはだけは止めてねー!



 というーか、



《何やらかしたのー?説明(せつめー)

《あっ。そうだったね》


 !? この樹、使えないよー!? 仕事放棄(しごとほーき)とか、止めてよー!


「下!」

「今度は枝ですか!」


 おとーさん達のほーが、早いよー! 何やってんのさ―!?



《面目ない…》


 頑張ってくれてるのはわかるけどー、もっとしっかりしてよー! おとーさん達みたいに!



《!?それは無茶…。てか、二人への信頼が厚すぎない?》


 そんなことないよー!?



《じゃあ、早く何とかしてよ!》


 それ禁句だよー!? 少なくともー、おとーさん達には伝えられないよー!? 結果でなくてもー、必死に動いている人にー、八つ当たりはしちゃだめー!



《むぅ…。確かにそうだね。冷静さを欠いていた。ごめん》


 ボク以外誰も聞ーてないし、いーよ! …会話に思考(しこー)を割くためにー、回避が雑になってるのは言わないで置いたげるー!



《言ってんのと変わらないよねぇ!?あっ》


 ちょっと待ってよー! また(・・)なのー!?



《今度は「葉」》

「葉だってー!」


 聞いてすぐおとーさんとおかーさんに叫ぶ。いろんな要素(よーそ)が抜けてるけど―。



「ありがと!『葉』もか!」


 ちゃんと理解してくれたねー。おとーさんを狙ってた枝にはー、葉がついてたけどー、それを見事に切り落としてくれたねー。



 あのままだったらー、回避した後に発射されて「ザクー!」とかあったかもだからー、よかったー。



 にしてもー! 単純に手数が増えちゃってるからー、やりにくいねー! 空を自在に飛べるー、ボクでもこーなんだから、おとーさん達はもっと辛いかなー? …でも、ボクと違ってー、足場しっかりしてるからねー。撃墜はしやすそー。



「徐々に対処が面倒くさくなってきますね…!」

「ほんとにな!」

「ハハハ!どう!?これがあたしの奪った力よ!」


 「奪った」って言うんだねー。謎の謙虚さを発揮しなくてもいーからね!?



 …どーしよっかなー。このまま延々と弓を撃ってもー、進展ないよねー? さっきの一射以外はー、届いてすらないしー。



 むー。罵倒(ばとー)することはあってもー、やっぱり世界樹は大切だしねー。



《罵倒するの!?》


 幻聴(げんちょー)が聞こえるねー。無視しよー。



《ひっど!》


 まずー、一発入れる事を目標(もくひょー)にしよっかー! 正面からの風が強いならー、上から行ってみよー!



「おとーさん!おかーさん!」

「任せる!」

「自由におやり!」


 声かけただけでー、何をやりたいか察してくれたねー。許可もすぐにくれたー。



 嬉しーな。これって、ボクのやりたいことを把握してくれててー、ボクを信頼してくれてるってことのはずだからー!



《上に限界はー?》

《ないよ》


 好都合(こーつごー)だねー! 上に行けば行くほどー、正面からの風は弱くなるはずー!



 いざ上にー! 妨害(ぼーがい)したいのかー、ツルや枝が伸びて来るしー、葉も刃のように飛んでくるけどー、相手なんかしてあげないよー! 圧倒的速さで振り切るよー!



 置き去りにして行くうちにかなり上にすぐについたー! 相変わらずー、こんなに高いのにー、天井(てんじょー)は見えないしー、太陽の光みたいなのが降り注いできているのはー、意味が分かんないねー。



 まー、いーけど。やることやろー! 矢を放ってー、位置調整(ちょーせー)してー、足場作ってー。



 これで引きやすくなったねー! 矢を番えてー、放―つ! これで当たるはずー!



 なんだけどー。止まってるねー。おかしーな。何でだろー? まるで壁があるみたいにー、進めてないねー。



 ……あー! 風は(きゅー)(けー)に出てるー?



 そーいえば、「あたしの周囲(しゅーい)から悉く!」って言ってたよーな。



《言ってたよ。樹はそう覚えてる》


 なるほどー。そーなると、やっぱりボクの予想(よそー)は正しそー? 風のせーで進めないのかー。



 むー。おとーさんとおかーさんならこんな初歩的なミスはしないだろーにー。



《落ち込まないで!ほらほら、動いて!はやくはやく、ハリーハリー!》


 助けて欲しーのは理解するけどー、複数(ふくすー)の言語混ぜないで欲しーな。いくら方言みたいなものとはいえー。



《謝るからぁ!?何かして!手を打って!》


 それは大丈夫(だいじょーぶ)! ボクはおとーさん達からそんなやわなー、教育(きょーいく)は受けてないからねー!



 「駄目だと思ったら別のことをやってみればいい」ってねー。「出来ればやったことを生かす方針(ほーしん)で!無理ならさっさと見切れ!」ともねー。



 この位置ならー、重力(じゅーりょく)が活かせるかなー?



《重力はあるよ。てか、ないと浮くよ?》


 確かにー。ならー、重力(じゅーりょく)を最大限に生かしてあげよー! 出来るだけ表面積(ひょーめんせき)(ちー)さく! 形を滑らかにー! 重さを(おー)きく!



 こーやれば空気抵抗(くーきてーこー)? が出来るだけ(ちー)さくなってー、矢の持つエネルギー? は(おー)きくなるはずー!



 ……あれー? 風を避けたいだけなら―、空気抵抗(くーきてーこー)無視すれば事足りるー? どーなんだろー? おとーさん達に聞いてないしー、わかんないなー。



 面倒(めんどー)だねー。とりあえずー空気抵抗(くーきてーこー)は無視させよー。それでいけるでしょー! そのためにここまで来たんだしー!



《適当!?》


 気にしてもいーことないよー!



 全身全霊、思いっきり引っ張ってー!



《若芽は!若芽だけは!何卒!》


 言葉がおかしーね! でも、心配無用(むよー)! 当てないよー!



 矢を手から解放(かいほー)



 矢は加速しながら落ちてくねー。こっちにリャールはあんまり注意(ちゅーい)割けていないみたいだしー、風を超えてー、行って欲しーな!



 んー! 行けそー! かなり近づいてるしー。後は矢が若芽に当たらないよーに、位置を微調整(びちょーせー)して…、



 貫いたよー! それも胸の辺りー!



《普通の人間なら急所なんだけどね!》


 だねー! ぴんぴんしてるー! とりあえずもう一発ー!



 グっと引き絞って発射ー! 今度も無事に貫いたー!



《当たってるけど当たってないよ》


 見りゃわかるよー! うー! ほんっとに面倒(めんどー)だねー!



 おとーさん達は下で頑張ってくれてるけどー、ボクとおんなじでー、決定打がないみたいー。にしてもー、おとーさん達がルナの力を必要(ひつよー)としているとはいえー、よく庇いながら戦えるよねー。ボクなら無理だねー。やれるならやりたいけどー、手が足りないー。



《話逸れてる!戻して!じゃないと樹、死んじゃう!》


 樹はそんなにすぐ死なないよー。



《かもしれないけど!?急いでよ!?人も頭の打ちどころ悪かったら死ぬよ!?》


 それは知ってるー。おとーさん、おかーさんから聞ーてる。



 でもさー、本気で手詰まりなんだよねー。ボクだってー。なんとかしたいよー?でもー、ボクの今持っている技じゃダメみたいだしー。レイコの『|蒼凍紅焼拓《ガルミ―ア=アディシュ》』なら可能性(かのーせー)はありそーだけどー…。



 うにゅー? おとーさんとおかーさんが呼んでるねー。矢を撃って欲しーのね、撃つよー!



 …下に落とすだけなのにー、風が尋常(じんじょー)じゃなくうざいよー! ?リャールを狙うときも邪魔だけどー、連絡を取るときさえ邪魔してくるとは―!?



 無理やり魔力で軌道を修正させてー、二人のところへー。紙を矢の先端にぶっさしてー、矢を投げてくれたー。



 やったー。これでちょっと楽になるー。そもそも追い風だけどー。



 おかえりー。えっと、何書いてあるかなー?



《攻撃来てるよ》


 むぅー。さっきまでみたいにー、捨て置いてくれればいーのに! 流石におとーさん達と連絡を取ればー、そーするわけにもいかなくなったのかなー?



 葉っぱカッターみたいなのとー、花粉かなー? こっちに来てるのー。当たらないよーに回避すれば普通(ふつー)に読めるねー!



《うわぁ…》


 ドン引きしなくてもいーよね? こーしたほーが楽なんだからさー。油断もしてないしー。



 まー、世界樹はほっておこー。内容はー?



 ふむふむー『リャールは別の次元にいる』ねー。…んー? 別の次元ー?



《はぁ?》


 ボクの心を読んだけど理解できてないのかなー?これはちゃんと言ってあげたほーがいーね。



《なんでも「リャールは別の次元に本体があるんじゃないか」って言ってるよー》

《は!?ちょ…、そんなのアリ!?そんなのラーヴェ神の御業レベルだよ!?一介の人間が手を触れて良い領域では……、あ?ん?あれ?いや、その線ならあり…やなしや?ありゃりゃ?となると自爆?あれれ?ありりり?うぅ、頭が…》


 なんか混乱し始めたねー。樹に頭ってあるのー?とは思うけど―、それどころではないねー。



 別次元…ってことはー、きっとそのままの意味だねー。此処ではない何処かー。そんな場所ー。紙面の表と裏みたいなー、そんなのー。



 …そりゃー当たるはずがないよねー。酷いよー!



 これじゃーきっとレイコもダメだねー。いくら攻撃(こーげき)対象(たいしょー)を選べるとはいえー『|蒼凍紅焼拓《ガルミ―ア=アディシュ》』ではー、別次元を攻撃することなんてきっと出来ないだろうからねー。



 もっと正確(せーかく)に言うならー、今のレイコでは無理―。かなー?妹なら実例(じつれー)を見れば何とかしてくれそー。



 だけどー、今はどうしよーもない…とー。これは受け入れなきゃなんないねー。本格的に詰んでなーい?



《ギャガッ!?》


 あー。これは…、やられたねー。どう考えてもさっき頭を抱えていた隙をー、突かれたねー。



 何で世界樹を殴ってでもー、止めなかったのかってー、ボクの間抜けさ加減に舌打ちしそーになるけどー、我慢我慢ー。



《今度は何さー?》

《テヘッ☆》


 イラッ☆



 ちゃんと答えて?



《ほぼ全部☆》


 世界樹のやつ、開き直りやがったよー!? どー考えてもそれー、(生命活動に必要な部分を除く)とかいう致命(ちめー)的な括弧ついてるよねー!?



《そうだよ☆》


 え゛。えー、あれー? この局面でそのノリを押し通してくるのー? 流石にそれはー、おかしーよね。…まさかとは思うけどー、世界樹は開き直ってるんじゃなくてー、壊れたー!?



《アハハー☆》


 うわぁー! 想像(そーぞー)が当たってるー!?一旦、おとーさん達のところに戻ったほーがよさそー! 一気に下へー!



「止まれ!」「止まってください!」


 え!? ボクー!?…おとーさんもおかーさんもこっちを向いてるしー、ボクねー! 止まるー!



「ちえっ、生意気な羽虫を捉えられると思ったのに」


 うそっー! リャールの声のせいでものすごく寒気がー!? 戻るー!



 クルリ矢の向きを変えてー、上昇(じょーしょー)



 後ろでメキメキってー、嫌な音が鳴ってるー! …止めてくれて助かったねー。



 えーと、後ろの様子(よーす)はー?



 …あー。これは完全に分断されちゃったねー。ボクがいたところからおとーさん達がいるところの3階くらいの高さまでー、みっちり木のツルというかー、網ー? みたいなのが詰まってるー。



 網の隙間から下は見れるけどー。たぶんボクの攻撃(こーげき)は通らないよねー?



《にゃははは》


 世界樹ー。壊れてるなら壊れてるでいーけど、せめてー、黙っててー。



 弓に矢を番えてー、全身でひーて、発射ー!



 したけどー、矢が即行(そっこー)で弾かれたねー。ならー、もっと大きくて強い矢をー。



 番えてー、ひーて、ひーて…、発射ー!



 突き刺さったー! けどー! それだけー!? ひどくなーい!? ツルの一本すらー、貫けないのー!?



「ふふん、とりあえずあの子は場外に放り出したわ!後は、貴方たち皆だけ!」


 おとーさん達に攻撃(こーげき)を始めたねー。…でもー、こっちには何もないー。



 ……まさか、本当にボクを場外にして無力化したつもりー!? ここからおとーさん達が殴られるのを見てろー。って言うのー!?



 そんなの許せないよー!? 普段のおとーさん達ならボクだって心配はしないけどー、リャールに対して有効(ゆーこー)な手もないー。二人の魔力も心もとないー。そのせいで余裕(よゆー)もないー。



 そんな「ないー」ばっかりの状況(じょーきょー)で、蚊帳の外なんてー、絶対に許さないんだからねー!



 さっきのでダメならもっと強く。もっと強くやればー、貫けるはずー!



《ねぺぺぺ》


 五月蠅い。黙ってて―。弓を引くにも一定の所作がいるn、



《うおぱー!》


 何言っても無駄だねー。無視ー! でもー、倒した後でー、一回殴るー!



 細くてー、鋭くてー、硬くてー、破壊力を前よりも高めた矢をー、ひーて、ひーて、ひーて、ひーて、まだひーて…、きっついなー。



《ねへへ》


 狙いを定める必要(ひつよー)はないねー。貫ければいーだけ。



 発射ー! 矢は風を切って飛んでー、ツルに命中(めーちゅー)!穴を穿ってー、突き進んで…、えー!? そんなのありー!? 矢がツルに押しつぶされたよー!?



 むー! ムカつくー! だいたいわかってたけどー、こっちに対して行動(こーどー)をしてきたくせにー、リャールがこっちを一目も見てくれないのが余計(よけー)に! このままじゃー、おとーさん達に向いてる注意(ちゅーい)をこっちにこさせることすら出来ないー!?



《ぺりゃりゅー!》


 憤ってみてもー、何も変わるわけはなしー。攻撃(こーげき)も視線も相変わらずー、ボクの方を全く見てないー。でもー! それならー、繰り返すまでー!



 もっと鋭くてー、もっと頑丈(がんじょー)で、もっと強いー。そんな矢をー。召喚したらー、番えて限界まで引き絞るー!



 さっきはここまで引っ張れたー。だからまだ引けるはずー! 魔力は使ってなかったからー、魔力を手に回してー。ツルが食い込んでも怪我をしないよーにしてー。



 発射ー! 今度はどー!?



 にゃがー!? ダメかー! さっきよりは奥に行けたけれど、それでもまだダメだー!



《ねるぺぺ》


 視線もこっちに来ないしー。まだ強い矢がいるー。それでもっと強く引き絞らないとー! そーしないとー! おとーさん達を守れない!



 あぁ、もー! おとーさん! 今の場面で魔法(まほー)使わないとかー!? かなり危ないよねー!? 無事に避けてるけどー、後、ちょっとズレたら首だよー!?



 発射ー !通らないー! 発射ー! 届かないー! 発射ー! 達しないー!



「「テェルプさん!?」」


 がー!? こっちは全く進展ないのにー、下は容赦なく進むねー!? テェルプがおとーさんとおかーさんを庇ったよー!?



「回復は…、不要です…よっ」


 お腹におっきな穴が空いてるー。なのにわざわざそれを言う―。…テェルプの遺言になるのは間違いないねー。死んでも転生(てんせー)出来るのが確定(かくてー)してるとはいえー、よくやるよー。



 でもー、この言葉が出たのはー、おとーさん達の魔力がないことを察しているからだろーね。二人の顔がかつてない程悔しそうだしー。それにー、普段のおとーさん達ならー、魔力消費が馬鹿だけどー、きっと治療できる傷だってのはわかるしー。



 …とにかくー、下に行かなきゃー! ここまで引き絞ればー、どー!?



 やったー! ツルを切り裂いて、網を突き破って下まで行ったー! これならー!



「あら。まだ矢を通せたのね。御苦労様。でも、それでどうするの?一本に時間かけ過ぎよ?あたしには効かないし、一本では貴方が通る道を作ることすら叶わないわよ?」


 っー!? やっとこっち向いてくれたのはいーけど、ムカつくことをー!? 絶対に許さないんだからー!



 …って言―たいけどー、実際、そーなんだよね。薄々わかってたけどー、一本、二本通せたところで―、どーにもならない。そんなことはわかってたー。



《にゅぺー!》


 …はー。こんなことならー、ここに来たいなんて言わなければよかったかなー。ボクが望むのはー、おとーさん。おかーさん。それにアイリおねーちゃんと、(いもーと)達と一緒にいる事なんだからー。最悪、魔王を殲滅すれば帰れたんだしー。世界がどーなろーと構わないm、



《諦めないでよ》


 !? 治ったのー!?



《ふぁーしゅ!》


 治ってないかー。でもー、わざわざあの状況(じょーきょー)で、ボクの心が折れそーな状況(じょーきょー)で言ってきたってことはー、まだ完全に壊れてはないってことかなー。



 にしてもー、ため息が出るねー。こんな(ふー)に考えてるってことはー、やっぱりボクはハイエルフなんだろーね。ハイエルフは、世界樹を守るのが役目だからー。世界樹のこともやっぱり諦めきれないんだよねー。



 護りたいのはー、おとーさん達だけのはずだったんだけどねー。



 でもー、このまま諦めるのはボクらしくないよねー!



 細い矢で貫通(かんつー)しても意味がないならー! 貫通(かんつー)力なんていらないねー!ボクが通れる道を作るよー!



 とにかく太い矢をー !それでいてー、簡単には壊れない矢をー!それを押し込んでいけば道は拓くはずー!



 魔力をたっぷり回して矢を練ってー、番えてー、手に全力で強化を回してー、全身全霊で引くー!



 今まで以上(いじょー)に全身を使って引くー! 引けるだけ引くよー! さっきの時点でぎちぎちに張り詰めてたからー、それ以上引っ張ったところでー、誤差レベルだろーけど、今はその誤差レベルが欲しー!



 思いっきり手に弦がめり込んでるー。でもー、まだ足りないー! どー考えてもー、さっきの威力は出ないー!



 まだまだー、まだまだー、まだ足りない…! もっと、もっとー!



 …? 引けないー? 何でー?



 まさかー、ボクの手の長さが足りないー!? 嘘でしょー!? ここで諦めろ。そー言うのー!?



 ボクはあっちに行きたいだけなのにー! ううんー、行けなくてもいー。おとーさん達と、ついでに世界樹をー、守れればそれだけでいいのにー!



 このままじゃー、ボクはおとーさん達すら護れないー! それだけはー、それだけは嫌だ!



 にゃっ!?



 今ー、頭の中で何かが横切っていったよーな…。



 『越弓 ユヴァ―ゲ』…? なるほどー。ボクの願いが定まったー。そー言う事かなー?



 今まで名前が出てこなかったのは―、おとーさん達への想いは間違いなかったけどー、どこかに世界樹のことがあったとかかなー?



 まー、考察(こーさつ)は後でいーよね。今はこれを使おー!



 この弓ならー、ボクの望んだところに届くー!



 こんなにおっきな矢は要らないねー。魔力に分解(ぶんかーい)普通(ふつー)の矢を一本見繕ってー。後はー、



《世界樹!しゃんとしてー!》

《むぺ!?》


 反応(はんのー)はあるー。これなら早そー。



《世界樹ー!やるよー!死にたくないならー、力を貸してー!》


 返事は聞かないよー。ここで無視するならー「世界樹はそれまでだった」というだけの事ー!



 番えてー、引き絞ってー、放つー!



 弓から離れた矢はーツルがないみたいに飛んで行って―。



「ッ!?いったぁぁい!?」


 綺麗(きれー)にリャールに突き刺さったー。後ー、



《カレン!》


 ここ一番でちゃんと復活してくれたねー!



 そんなおっきな声を出さなくてもー、わかってるー!



 それを期待してリャールに攻撃をかけたんだからねー! さー、世界樹も帰ってきてー、しかもー、リャールが困惑する隙にー、支配権を取り戻してー、道を拓けてくれたねー!



 お膳立てはばっちりー! 道を通り抜けながらー、ボクが戻る前に決着をつけよーとする、リャールの試みを悉く射抜いてー、粉砕してくよー!



「ただいま。おとーさん。おかーさん」


 無事に戻ってこれたー。



 おとーさんもおかーさんも、服にやたらと傷があってー、魔力の消耗(しょーもー)が大きいからかー、少しだけ焦燥(しょーそー)してるねー。



「「お帰り(なさい)」」


 そんな状況(じょーきょー)でもー、ちゃんと歓迎(かんげー)してくれたー。



「終わらせるよー!」

「ああ!」「やりましょう!」


 詳しいことは一切説明(せつめー)してないのにー、信じて同意してくれるー。



 やっぱりー、ボクはこの二人がー、家族が大好きだねー。だからー、リャール。ボクの望みを叶えるためにー。世界樹を守ってー、家族を守るためにー。



 死んでほしーな。

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