150話 続×3スタンピード
「あ。私達の子たちにどうやって集合地点伝えましょう!?」
走る最中、四季が唐突に絶叫した。
「大丈夫。手は考えてある。カレン!」
「もうやってるー!矢をおねーちゃんといもーと達に飛ばしたよー。おとーさんとー、おかーさんをー、追尾するようにしてるからー、多少遠回りになるかもしれないけどー、ちゃんとごーりゅーできるよー!」
「偉い!」
「ありがとう!カレンちゃん!」
多少遠回りというのは、最短距離じゃないという事か。俺達に合流してから中央へ行くルートになるわけだから、位置にもよるが最悪目的地を通り過ぎてから俺らと合流。戻る。という事があるかも。的な。
まぁ、子供たちはどう考えても合流地点よりも獣人領域中央よりにはいないが。何はともあれ、さっきも言ったが偉い。
走りつつ二人そろって手を伸ばして頭を撫でる。…珍しい。嬉しそうにすり寄って来てくれたぞ。だが、こけそうで危なっかしい。抱っこするか。
「わーい!」
楽しそうで何より。何が楽しいのかよくわからないが…、小さい子供が抱っこされて喜んでいるのと同じ原理か?
小さい…か。ああ、そうだった、なりに反してこの子小さいんだった…。まだ生まれたばかり。人間ならまだハイハイすら出来ないはず…。
「種族違うよー?」
また心読まれた…。いつものことではあるが慣れない。
「って言ってもー、気にしなくていーよ?って言ってもー無駄だよねー。二人とも―」
俺の顔を覗き込み、四季の顔を見てそれからケラケラと笑うカレン。
よく俺らのことわかっているね…。やっぱり、なんだかんだ言っても、命を奪うようなことはさせたくない。
…もちろん、生きている以上、鯨であれ、豚であれ、稲であれ、何かしらの命を奪わざるを得ないが。命を喰らう実感を伴う工程を隠すことで、命の概念が「希薄化」する。とは誰の作品の言であっただろうか。
そもそもこの子たちはこっちの世界の価値観を持っているわけだが。それでも…。
「まー。気にしたいならそれでいーけどさー、病まないでよー?」
「「それは大丈夫」」
それは即答できる。既にこれまでもやってきたことを繰り返すだけ。これからも気にはするけれど、それはそれとして皆に任せる。そうするだろうし、そうせざるを得ないということはある程度割り切っている。
それでもな…、あれ? よく考えなくともこんなこと言いつつ、普通に血祭りにあげたことあったよな?
「その感覚は大切だぞ」
「「そうですよね!」」
「あ、ああ」
ちょっと引かれたけど、同意してくれた。よかった。狂人と人の境目。それは人殺しや残虐な行為に忌避感を抱いて避けようとすること。底にあると思う。
……ん? 俺らって狂人じゃないか? この世界ならば、俺と家族に危害が加えようとしている奴がいて、心を折るのが不可能。もしくは、手間がかかりすぎるならば、容赦なく吊るせるぞ…?
「…そこが二人らしさじゃないの?」
「そこに俺ららしさがあるのは…ねぇ」
「嫌すぎます」
「…だよね。まぁ、そこ以外にもあるよ。言い切れないぐらい」
ん? 今普通に会話していたけど、この声…。
「アイリ?」
声のした方。振り返りながら問いを投げかければ、俺らがあげた飴をいつものように口の中で転がしながら、センの引く馬車に乗ったアイリいた。
「…ん。わたしだよ」
飴を口の脇に押しやりそう言うアイリに続いて、
「ブルルッ!」
「ボクもいるよ!」とでも言うようにセンが鳴いた。やはりセンは速い。もう追いついたか。
「…どこ目指してるの?」
「『クーラン』と『ビード』の間」
「…なるほど。センがいてよかった。…わたし達がいた位置からじゃあ、わたしだけだったら追いつけなかった」
「おねーちゃん。矢を掴んでくれてもよかったんだよー?」
「それは遠慮する」
珍しく苦虫を嚙み潰したような顔で即答するアイリ。
「なんでさー」
言いながらわざとらしく頬を膨らませ、カレンが俺の胸に顔をグリグリと押し付けてくる。可愛いんだけれど、ものすごく魔法を使いにくい…。何とかするけど。手が空いているから何とかなる。
「…乗れば?」
「なら、私はそうしますねっ」
言いながら四季がサッと流れるように飛び乗る。見事だ。そして、四季はジャンプの流れからそのままアイリを抱き上げ、撫で始めた。
「…ちょっ、ねっ、ねぇ。お母さん。どうしたの?」
「アイリちゃんが羨ましそうな顔をしていた気がしたので」
「…そんなことない」
プイっと顔を背けるアイリ。だが、言葉尻が少し下がっているから、本心ではない。
「よくやる」
「何がです?」
ハーティさんの今の問いは急すぎる。いろんな要素が足りていない。
「娘たちと戯れながらも、仕事はしていることだ」
「ああ、そのことですか。俺達がやらないと被害が出ますから」
「ですです。私達がやることで被害を防げて、私達も死ぬ可能性がないのであれば、やりますよ」
じゃあ遊ぶなよ。という話ではあるが…、やったほうが俺と四季のやる気も出るし、子供たちのやる気も出る。だからいいのだ。
流石にそんなことしている状況でなければ、こんなことは出来ないからやらない。
「仕方あるまいさ、ハーティ。だって二人だからね!」
「走れ」
「うへぇ…。僕に対して辛辣…。まぁやってるさ!『獅子咆哮』も既に展開中だよ!」
「そうか」
あ。ハーティさんが曖昧な顔で頷いた。諦めましたね…。
とりあえず、ふざけながらもやることはやるぞ。魔法でかなり減ってきたとはいえまだ所々に残る敵を蹴散らし、余波で森を破壊しながら前進。やっと着いた。
「クヴォック!」
「いるぞ」
「イラス!」
「儂もいるぞ」
「やるぞ」
つくなり何かの準備を始める3人。
「何をするんでしょうかね?」
「さぁ…?少なくとも状況を打開する一手なのは間違いない」
「だろうね。ま、見てりゃわかるさ」
「ズィラの言う通りだね」
「だな」
続々と到着。ズィラさんと、キャンギュレイさんとサンコプさんかの順か。レディックさん達もいるし、ガロウとレイコもいる。
「ガロウ君。レイコちゃん。お疲れ様です」
「まだ終わってないけど?」
「呆れたような目をしないで。一理あるけど、というかその通りだけど、一仕事終えたからいいだろう?お疲れ様で」
四季が俺の言葉に呼応して頷く。
「まぁ、ガロウ君のように継戦の意思を持っているのはいいことです」
「…ん。気分を切り替える必要もない」
「おお。姉ちゃんが戦士みたいなこと言ってる。抱っこされてるけど」
「ガロウ…」
レイコが非難するようにガロウを見つめ、アイリは少し恥ずかしくなったのか身をよじって着地した。
「…締まらない…」
「ごめん姉ちゃん。俺のせいだよな…」
「ですね…。ガロウ言っておきますけれど、アイリお姉さまは近衛ですからね?」
「わかってるぜ…。言葉の綾だよ綾」
「…よくない。わたしは近衛」
「あ。はい」
アイリの威圧感にガロウがスッと下がる。
「…わかればよろしい。ついでに加えると、お母さんとお父さんが心構え出来ているのもおかしい」
流れ弾が飛んできた!? …心構えは久我の爺さんにしごかれたから、だいたいはあるだけ。
…とりあえず、ガロウとレイコも撫でるか。労う為に、それくらいしか出来ないが…、
「気にしなくて「どんぐり!」…」
全く空気の読めない人が来た。スーラさんのブレなさがいっそ尊敬できるレベルになってる。
「揃ったか?」
「どんぐり狂いが来たから揃ったぜ」
「構え!」
ハーティさんが叫べば、クヴォックさんがイラス爺を掴む。何がしたいんだろうか? と思う間もなく、『空陽』と唱え、二人は木々を突き破って天高く昇っていった。
「『射出』」
さらにハーティさんが二人の真下から空気を送り込む。意味があるのかどうか定かではないが、二人はさらに加速した…気がする。
『身体強化』をしてギリギリ見えるか見えないか。その高さまであっという間に到達。クヴォックさんはその場でくるりと向きを変えた。そして『犀の誉』でも唱えたのかイラス爺が巨大化。そしてさらに、
「『吸引』」
ハーティさんが下から二人を吸い込む。目に見えて落下速度が上昇。だが、誰も逃げようとはしない。
巨大化したイラス爺と、高速で飛翔するクヴォックさん。二人は流星のように落ちてきて、激突直前イラス爺が『震』と一言発する。
「…ありゃ?何も起きない…?の?」
「ガロウ。さすがにそれはないはずだ。地中に対して何かをしたんだろう」
「私もそう思います。地上に一切被害がないところを見るに、運動エネルギーやら位置エネルギーやらは全て、「物理的破壊を伴わない何か」になったんでしょう」
「…地下にいる相手に破滅的な影響を与える何かになったのか?」
おそらく。そしてその範囲もかなり広大なはずだ。3人がかりで魔法を使ってまで加速、そして落下してきたのだから。
「『空陽』はフリーフォール擬きだな。上から下に落ちるあれ」
遊園地で景色を見るのに割と良かったりする。観覧車があるならばそれに乗るべきだが。
「見たままですね。魔法がある分、遊園地にあるやつなんて目じゃないでしょうが」
無駄なエネルギーが全部光になったのか太陽のように光っていた。
「…わたしなら掴まれても斬れる」
「俺も掴まれ方によるけど何とかなる」
「ボクもー!」
「私も詠唱さえできれば何とかなります」
「…わたしはどうつかまれても何とかなる」
エヘンとアイリが胸を張ると、レイコもおずおずとだがはっきりと胸を張る。そんな二人を見てグヌヌと唸るガロウとカレン。
「何を張り合ってるんだいこの子ら…」
「あの攻撃を受けたときの対処法でしょうね」
敵に回った時の想定をしているんだろう。確かにアイリはどうとでも出来そう。レイコは詠唱が出来ればクヴォックさんを撃墜出来る。撃墜後は一緒に落ちるが。ガロウとレイコは落とせさえできれば、着地は何とかなる。
「そういう問題じゃなー「ギャリリギャピィ!」にゃー!」
耳障りな金切り音。そして巻き上がる砂煙。砂煙からこちらまでの距離はそこそこある。だが、彼我の距離数字で言えば間違いなく500 mもない。すぐに来る。
「準備!」
ハーティさんの声に呼応してリンパスさんを除く11の群長が魔力を練り大気を震わせる。
「ギャルリュリュア゛ア゛ア゛!」
吼え立てるは巨大な泥でできたムカデ。
「父ちゃん!あれきもいぜ!特に足!」
「じゃあ見なければいい…」
「とは言えませんね。さっさと倒しますか」
見ていないと思わぬ攻撃を受けるかもしれないし。四季の声に応えた…、わけではなく、単にいつも通りなのだろうが、話している間にハーティさんが指示を出し、クヴォックさんが動いた。
彼はムカデの真上に行くと、強靭な足でその外殻を掴む。泥のはずなのに、足はしっかりと食い込んでおり離れそうにない。
「あの…、お父様。お母様。まさかとは思いますが…」
うん。何が言いたいかはわかる。普通はやらない。だが…、彼ならばやる。
視線の先でクヴォックさんが羽ばたきながらしきりに口を動かしている。ムカデが体をよじっているが、彼が掴むその一帯だけはガッチリと固定されているのか動かない。
「我が一族の誇りを見るがいい!『|中天に輝く陽の如く《リャマカー=コチミジェーザ》』!」
「やっぱりやったぁぁあ!?」
ガロウの絶叫よりも早く、そして遠くにムカデが放り投げられた。
「ギャリュリュキュアアア!」
咆哮をあげ、ムカデははるか上空へと吹き飛ばされていく。今の咆哮は…!
「四季!」
「はい!今のは流石にちょっと気持ち悪かったですね」
「母ちゃん!今そこじゃねぇだろ!?」
ガロウ。そこに同意はするが、四季、仕事はしてくれてるんだ…。
「紙ありがとう」
「こちらこそありがとうございます。サッと触媒魔法用の紙。お願いしますね」
とウインク。ああ。わかってる。高威力を発揮出来るように、今から書く。今ならば、火が最善か。
「一斉砲火!」
早い! 準備してたからか! こっちは何がしたいかわからなかった分で遅れているのに!
焦ったところでどうにもならず、紙を書く俺の横で、ハーティさんの声とともに、群長11人から一斉に魔法が上空へと飛んでゆく。呪文名が混ざりあい、だれがどのような魔法を撃ったのかさっぱりわからなかった。
だが、それでも魔法は進む。明らかにスーラさんのものとわかる形状以外は全くわからな…、あ。後、明らかに雑な魔力の込め方をされているキャンギュレイさんはわかった。あの渦みたいなやつだ。
「おとーさん!おかーさん!あれー!」
森の方を指さすカレン。…うん。ごめん。全く見えない。自分の視力の良さを忘れてない?
「ドリュッ!」
「…ん」
地中から突如現れた泥の獣。それを流れるように斬り捨てるアイリ。
「…今ので終わり?」
「違うでしょう」
「ドシュッ!ドシュッ!ドドドッ!」
四季の声、それらに応えるようにモグラや蝉の幼虫、ミミズ。地中に住む生物の形をした泥の獣。それらが一斉に地中から這いだし、上空へと昇っていく。
「ちなみにーさっき言いかけてたのはー、いのししだったよー!撃ち倒したけどー!」
褒めて! そんな感じで言うカレン。ごめん。俺はいま無理。四季に頼んで。書かないと。
……イノシシ? 何で地上の獣? ……まさかこの場全ての泥の獣を集めるつもりか!?
「倒せるかなー?ハーティー?」
「緊張感を持て。この間抜け豚」
「あー。悪口いっちゃいけないんだよー!」
「それは最もだけど黙ろうか。で、ハーティ。どう?」
キャンギュレイさんがスーラさんの口に手を当てて口を塞いで問う。
…スーラさんよりもキャンギュレイさんの方が身長高いのに、しゃがんだりしないからスーラさんの足が地面から浮いてるように見えるんですけど。というか今の時点で首がもげそうになっているんですが。
「微妙」
「泥の方が早そうだもんなぁ…」
「よし、書けた」
あいつはおそらく、泥の獣と合体するなり、そいつらを盾にするなりを考えているんだろう。だから、その考えから破壊する。
「やるよ。四季。皆!」
「ええ!盛大にぶちかましてやりましょう!ということで群長さん方ご心配は無用です」
この魔法ならば、あの空を駆ける泥の魔物に追いつける。地中から魔物が出てきたのは正直以外。だが、こいつらを撃破するのに都合がいい。
手を繋いで紙を握る。
「「『『天翔ける火龍』』」」
「『死神の鎌』」
「『|蒼凍紅焼拓《ガルミーア=アディシュ》』」
「『護爪』掃射!」
「えーとね、『覇弓一矢』!」
「ヒヒーン!」
俺らの触媒魔法と、アイリとレイコ、ガロウの魔法。ついでにどう考えても今考えたであろう名前を叫んで放たれたカレンの鋭くとがった巨大な矢。そしてセンの光の弾。それらを載せて龍は空を切り裂き飛んでゆく。
触媒魔法で現れた龍。それはかつてタクのやつが使った『煉獄龍』の強化版。速度も破壊力もこちらが上だ。蛇のような体躯をしならせ、音を置き去りにして昇ってゆく。
そして、たいした手間もかからずに先行する泥の魔物の群体に追いつく。龍は口を開き、群体を食い散らかしながらなおも直進。群体の中央付近。そこで連れて行った魔法を開放した。
たちまちのうちにアイリの鎌が蹂躙を開始。ガロウの『護爪』が飛ぶ泥の魔物の進路を遮り、レイコとセンの一撃は、その場で爆ぜて泥の獣を元から消し飛ばす。そしてカレンの一矢は龍よりも早く飛び、射線上の魔物を残らず串刺しにして肉片を製造。さらには群長達の魔法を追い抜き、泥のムカデの頑丈な甲殻のような部分に突き刺さり、さらにムカデを上空へと弾き飛ばす。
だが、まだ俺らの攻撃は終わらない。魔法を開放した龍は泥の群の少し上。そこで体を捻って、よじって、直進して、回転。様々な動きで群れの上部を焼き払って勢いを完全に殺すと、一気に急降下する。
立ち尽くしているように見える泥の魔物たちの下方へ瞬時に到達。口から自分の全存在を変換したブレスで空域諸共焼き払う。
圧倒的な光量と熱、それらに呑まれて泥の魔物は灰燼に帰した。
「うわぁ…。盾にしたリンパスに対する罪悪感が強化されたぞ…」
「クヴォック、俺っちたちのは、今のに比べりゃ加減されてるぞ…」
「ミーたちを狙っていた『重岩弾』よりは、二人狙いの『乱気流』の方が威力はあると思うの」
「何はともあれ、あれが直撃していたリンパスはー、痛かっただろーね」
「罪悪感を抉るのはやめろ」
この前の試合の話か。確かに、二人をピンポイントで狙った『乱気流』の方が威力はあったはず。『重岩弾』はついでに全滅させられないかな? という意図の元、サンコプさんとスーラさん以外も狙ったし。
「緊張感のなさすぎんぜ…」
「もう終わったようなものだけどねー。ガロウ」
「言われりゃそうなんだが…」
「…あの魔法の威力が非常識すぎるからああなってるんでしょ。みんな」
いわゆる現実逃避か? 大丈夫。きっともうあれを群長達に撃つことはないから。
「ガッ!?」
「たーまやー!」
苦悶の声と、楽しそうなスーラさんの声。上空では、ムカデに魔法が着弾。色とりどりの閃光が光っては消え光っては消える。あたかも花火のように。
だが、その美しい光景とは裏腹に、昼の空に咲く花はムカデの足を、節を、触角を、次々にもいで跡形もなく塵へ変える。それと並行して、種々の11人の攻撃は奴の外殻を砕き、胴を破砕。あの体長だけは無駄に大きなムカデの頭から尻尾まで、余すところなく完膚なきまでに、一撃で粉砕。
そして空で太陽のように煌々と輝き、一際大きく瞬くと消えた。
「まるで太陽が二つあったみたいでしたね…」
「あぁ。それくらい眩い光量だった」
そして、美しい魔法だった。
「これで終わりなのですか?お父様。お母様」
「「ちょっと待って(くださいね)」」
チヌカのあのいつもの気配は…。
「知覚できる範囲ではない…か?」
「ですね。あの汚い白と黒の混じったものは感じられませんね」
「…あの魔物の元締めみたいなのが、泥の魔物を集めたから?」
「おそらく」
群長達の魔法に危機感を覚えて、ムカデはパワーアップを図ったのだろう。無意味だったが。というか、掃討の手間を無くしてくれた。
「クヴォック」
「既に見てきた。ハーティ。敵影無し。溢れたやつらは兵士が対応出来る程度」
「なら、終わりだ」
ハーティさんの宣言。これでこの騒動も終わりだ。