アイリの登場人物紹介 4章編
…ん。人物紹介4章編だよ。まず注意事項…、あ。「もういい、わかってるよ!」という人は紹介本編まで飛ばしちゃってね。
まず、注意事項。…コピペでいい? ……ダメ? …だよね。ちゃんとやるよ。
今のわたしの発言で分かるようにメタ発言があるよ。というか、この紹介自体がメタ発言の塊だから注意してね。
後、ネタバレもあるよ。嫌な人は先に本編を読んでね。
本編でわたし達が知らない情報が出たら、「知らない」って言うからね。…忘れたらごめんね。紹介基準は「会話したかどうか」だよ。…細かい人は抜けるかもしれないけどごめんね。
このくらいかな。
紹介本編だよ。まずは4章を纏めておくよ。
4章は獣人領域戌群へわたし達が殴り込み。ハールラインと弟たちが戦って、戦いの最中にレイコが魔法を使えるようになったよ。ハールラインを倒すと、レイコが倒れてしまったから、降りてきたリンヴィ様に乗って『ニッズュン』へ。
そこの湖底都市をお父さんとお母さんが調査。遺跡にいた『シュガー』と戦闘。水蒸気爆発を起こして攻撃しつつ撤退。
再度リンヴィ様に乗って獣人領域の中心地『バミトゥトゥ』へ。図書館で情報を得て、神話決戦で開いた「穴」を調べに行ったよ。…ここを探していると『ファヴ』がいたから戦闘&討伐。この時にガロウがシャイツァー『輸護爪 ガディル』を使えるようになったよ。
ついでにお父さんが本編のわたし達には内緒にしていてかつ、わたし達にはバレてないけれど、結婚指輪の材料に『トリラットヤ』を採取しているよ。
帰還後、レイコとガロウがわたし達とずっと一緒に来ることを選んだよ。だから、二人と一緒にいられるように「お父さんお母さん対戌群100人」と「わたし達6人対群長12人」の戦いを起こした。前者は二人が勝利。
後者はなかなかきつかったけれど、レイコが目をむけていなかった「自分が去ることの影響」へ目をむけて、(仮)を取ろうと決意を固めて『ガルミ―ア=アディシュ』を『|蒼凍紅焼拓《ガルミ―ア=アディシュ》』に発展させ、辛勝。
この戦いの副次的効果として、これまで獣人領域で神獣として崇められ祀られて自由を奪われていた神獣達が、産まれた時から普通の獣人達と似た環境で暮らせるようになったよ。ついでにお父さんとお母さんのシャイツァーが強化されて、一人でもある程度戦えるようになったよ。
…こんな感じ。一言で言っちゃうならこの章は「ガロウとレイコが家族(仮)から家族になる章」かな。
…次は国だね。
『ペリアマレン連邦』
獣人領域に唯一存在する連邦制国家。…名前は146話にお父さんとお母さんに行われた無茶ぶりの結果決まったよ。
(149話と153話で「べリアマレン」になっていたけど修正されてるよ)
十二支 (子丑寅卯辰巳馬未申酉戌亥)に合わせた12の群が存在していて、これら12群が合わさって出来てるよ。この点が「連邦」っぽいらしいね。
中心都市(首都)はバミトゥトゥ。首長(一番偉い人)がリンヴィ様で、群長の中から決まるよ。不公平感が出ないように首長は一年の持ち回りで決まるけれど、最近はリンヴィ様が優秀過ぎてこのシステムは形骸化中。群長も群の中から選挙で選ばれるけれど…、こっちもほぼ固定されているよ。
12の群の配置は北から時計回りに、
北北東「寅」、東北「卯」、東北東「辰」、
東南東「巳」、東南「午」、南南東「未」、
南南西「申」、南西「酉」、西南西「戌」、
西北西「亥」、北西「子」、北北西「丑」
の順だよ。
16方位から東西南北を除けばぴったり12で都合がいいね。
群同士で不公平感が出て国がバラバラにならないように…、という事に意識を割いている国だから、群の面積もほぼ同じだよ。
今のところ、不穏分子もハールラインが潰されたからいないし、リンヴィ様が圧倒的カリスマで纏めているけれど…、リンヴィ様の威光が強すぎて彼程は無理でも、ちょっと下ぐらいのカリスマは後釜に求められるから、彼の死後が少し不安。
…まぁ、リンヴィが死ぬ前にわたしが先に寿命で死んでるだろうから関係ないけどね。
バミトゥトゥには『神前決議場』という闘技場があるよ。『戦神 シュファラト』が絡んでいるらしくて「死んでも復活できる」という中々狂った場所になってるよ。
…死ぬ直前に闘技場から飛ばされて超再生。という原理で死なないようにしているんだろうから厳密には死んではいないと思うけど…、受ける方からすればたまったモノじゃないね。
これの主な用途は「首長不適格者を首長につかせないこと」と「首長になりたくない人が戦って我儘を押し通すこと」だよ。
前者は群長から首長が選出されるからそんなことはそうそうなくて、後者は他の群長にフルボッコにされて終わるだろうね。だから滅多に出番はないよ。
この施設は首長の認可があって初めて使えるよ。…というか使用中は首長が既定の場所にいなきゃいけないよ。…どうあがいても、首長が首長から降りたくても誰も「次やります!」って言わなきゃ降りれない。そんな心折設計。
…国はこれくらいかな。ついでに獣人と、神獣について纏めておくね。
『獣人』
基本的に獣人領域──わたし達がいる大陸の北部──に住む人々。かなり昔から他の群との交流を断って引きこもっていたよ。家族や仲間を思う気持ちが強い種族。
人間領域では極まれにいるけど基本奴隷で、一部の好事家に大人気。獣人の奴隷は違法だけど。獣人全体VS人間の大戦争になる可能性があるからね。
外見としては人間に犬の耳や尻尾が生えたような人から「2足歩行する犬」のような人まで幅が広いよ。地球の分類で言えば、爬虫類・鳥類・哺乳類に分類されている動物が人間になった種族の総称が「獣人」だと考えてくれればいいよ。
脊椎動物の残りの魚類と両生類はどっちかというと魔人に分類されるね。後、無脊椎動物もほぼ魔人に分類されるよ。魔人はかなりカオスになってるよ。
あ、獣人も魔人も全員胎生だよ。卵は産まないよ。どの群にどんな動物が該当するかを、具体例と説明を列記して説明してみると…、
子──象、カピバラ 鼠に似た生き物
丑──キリン、牛、カバ 体格が牛に似た皮膚の硬い生き物
寅──ライオン、寅、猫 猫類
卯──カンガルー、兎 有袋類と兎系
辰──龍、鯱、アザラシ 龍と海獣
巳──コブラ、トカゲ 爬虫類
午──サイ、シマウマ 馬っぽい生き物
未──羊、アルパカ 羊っぽいふわふわの生き物。
申──マントヒヒ 猿に似た生き物。
酉──鷹、鶏、鴨 鳥類
戌──犬、狐、狸 犬の仲間
亥──豚、イノシシ 豚に似た生き物
こんな感じ。…「分類がかなりふわふわ」しているとか、「爬虫類・鳥類の種類が多いのに一つの群でいいのか」とか、「哺乳類の種類が少ないのに群で細分されすぎ」とかそのあたりは気にしたらダメらしいよ。
この分類を作った勇者が書いた本にもそう書いてあったしね。「うちの世界でメジャーなのって哺乳類だから偏ってもいい…よな。駄目なら後世の勇者に託す」って独白も日本語で書いてあったよ。…やってる間に自分でもおかしい気がしてきたけどとりあえず完成させたんだろうね…。
『神獣』
…正直よくわからない。…ん。わかってる。ちゃんとやるよ。実際よくわかってないんだけどね…。
神獣は神獣として分類されている種族に生まれた獣人の事。神に近い力を持つとかなんとか言われているよ。何を基準にある種族を神獣と分類してるかはわかんないよ。一般的には「魔力量が多い種であること」と「姿が変化する種であること」だと言われているね。
他に条件があるのかもしれないけど、やっぱりよくわかってない。そもそも神獣の親が神獣であるわけでもないからね…。
獣人領域での扱いは文字通り神。生まれた瞬間親から引き離されて隔離されて育てられる。そして、崇められながら自分の思うように行動できず狭い部屋の中で死んでいく。そんな扱いだったよ。強すぎる力故に起こるかもしれない混乱を嫌ったのかもしれないね。
神獣の子が神獣であるならば、王政みたいに血統による統治が出来るけれど…、違うからね。同じ群に神獣が産まれてしまえば戦争は不可避だし。その点、崇め奉って監禁しておけば、騒乱の旗印にしようにも出来ないし。
…だけどこんな扱いをよしとしない人もリンヴィ様を筆頭にチラホラいたよ。理由はどうあれ同胞の自由を奪っていることに違いないからね。
お父さんとお母さんがガロウとレイコを連れて行くにも、この「神獣が崇め奉られ軟禁されている状況」は好ましいものではなかった。二人を連れていけないからね。
リンヴィ様達とお父さん・お母さんの利害は一致していたよ。だからわざと神前決議場での勝負を起こして崇め奉る部分を破壊したよ。それに成功したのは、
首長が神獣を連れ出す許可を出し、勇者が神獣を連れ出すことを望み、神獣自身も外に出ることを望み、血を流す。
そんな構図を作り上げたから。勿論、最初は混乱が大きいだろうけれど、今のところ存命の神獣はレイコとリンヴィ様以外いないみたいだから、リンヴィ様が何とかするでしょ。だって、彼ならわたし達がいなくても生きてるうちにこの仕組みは壊せていたと思うから。
…リンヴィ様は後でやるよ。これくらいでいいかな。次は人だね。
『89話冒頭の謎の人』
3人称視点で語られた冒頭で出た人。円卓に座っていた人たちは群長達 (とリンヴィ様)だから後。
こいつはリンヴィ様達にぺちゃって潰されて、聖地に捨てられたよ。…聖地の扱いが悪い?本編でもツッコまれてるから大丈夫。一応、聖地だから不浄なものを浄化する力はあるからね。だから捨てたみたい。…今度からしないみたいだけど。
『ハールライン』を煽って内乱を起こさせたのはこいつみたいだけど、口ぶりからして、こいつは下っ端。上がどこかにいるみたい。127話で「こいつチヌカぽかった」みたいなことを言ってたから…上はチヌカだろうね。
こいつの情報をわたし達は直接見ていないけれど持ってるよ。リンヴィ様達から貰ってるからね。
『94話で会話した獣人達』
戌群兵士。反乱軍討伐している最中にお父さんたちに遭遇。この人達の反応が一般的な獣人達の反応だよ。
…変装? というか変化? の魔法で、姿を獣人に変えていたからパッと見て勇者だとはわからないからね。
『ハールラインに従う獣人達』
一言で言えば反乱軍。叛乱軍でもいいよ。みんなで協力して掃除したよ。登場話は内乱中の94~96話。 97~99とかも内乱中だけどハールラインメインだからね。
『戌群の人たち』
ハールラインの反乱を鎮圧しようと頑張っていた人たち。この内乱におけるわたし達の味方。戌群首都『イークッティヌ』の中心にある塔にいる人たちはエリート。
登場話は上参照。
『イビュラ』
戌群で群長を除いて一番偉い人。(そして、今は修正されたけど名前間違えられていたこともあった人だよ)
基本的に群長以外からは「大将」と呼ばれている人。部下から慕われているけど喧嘩っ早いのが欠点。
姿は黒い狼で、力が強いよ。お父さん達が初めてこの人を見たときは塔の最上階で縛り付けるとか言う「大将にしていいのそれ?」と言いたくなるような方法で押さえつけられていたよ。…気合で抜けたけど。
脱出後はお父さん達と会話。走って行っちゃったから全力で追いかけつつ目につく反乱軍を鎮圧。ハールライン戦には間に合わなかったけど、彼らの中で戦功一位らしいよ。133~139話に出てくる100人の戌群のリーダーでもあるよ。
シャイツァーは『籠手』。136~139話での戦いの中の一部でしか出てないけどね。能力としては「触れた魔法の無効化」と「味方の攻撃の再現」だよ。どっちも癖が強いけどエグイ能力を持つよ。
「魔法無効化」はそのまま。触れた魔法を無効化できるよ。シャイツァーが絡んでいると「無条件に」とはいかなくなるけれど…、この人なら殴りつけて無効化とか出来ないこともないね。ただ、触れないといけないから、体内に既に入ってしまった毒魔法とかは無理だと思うよ。
「味方の攻撃の再現」は『戦友航跡』という魔法で行われるよ。彼の半径500 mの範囲で3時間以内に味方が行った攻撃を、威力低下の上、魔法でも矢でも、殴りつけでもそのまま再現するよ。3時間激闘した後とかに実行すると酷いことになるよ。
ただ、この魔法はあくまで再現。だから、自分の思ったように再現された魔法や矢の軌道を動かすことは出来ないよ。だから理屈の上では、3時間の間一回も攻撃が通ったことのない場所があれば、そこに入り込めば自動的に全部回避できるよ。
登場は95, 99, 100話と133, 134, 136~139話だよ。
『ハールライン』
金色の狼のような外見を持つ男性。口調は丁寧だけど、内面の醜悪さが溢れているからか胡散臭いことこの上なくて、ナルシストで力が大好き。でも、自分はそこまで力を持ってないから羨ましくて嫉妬する。そんな人。
こいつの内面の酷さはシャイツァーからも察せるよ。だって、『強奪魔鉤 グリック』って名前だもん。ね? 察せるでしょ? シャイツァーに「強奪」ってついちゃってるからこいつの願いが「奪う」ことだとよくわかるね。
もしこいつに「自分より強い人がいます。どうしますか?」と問えば、
「何をしてでもその人の力を奪い取ります」と答えるだろうね。…はっきり言って屑。
どうして自力で強くなる方向に行かないのか…。わたしみたいに選択の余地がなかったわけじゃないのに。
あ、でも補足するならこんな奴でも従ってくれた人がたことは確かだよ。………ん? あれ? …やっぱり駄目だね、こいつ。従ってくれた人からも力を奪ったって自己申告してた。
…でも、力を奪っていたとはいえ一定数の人を確保できていたんだから、普段はそれを隠して、従わせるだけの能力はあったということになるのかな。そう考えると面倒くさい人だね。
…シャイツァーの能力はシャイツァーが向いている方向に存在する力──魔力を奪って、ハールラインのモノにすること。この時、奪われる魔力の形は何でもよくて、『身体強化』みたいに体に流す形でも、『火球』のように球を形作っていてもいいよ。
ただし、奪いたい魔法がシャイツァーに由来する場合は向けるだけじゃダメみたい。接触もしくは、一定距離以下まで接近することが条件になると思うよ。
奪った力はその性質を保持していて、放つときは一つずつ返すことも出来るし、他の奪った力と混ぜて返すことも出来るよ。
ただ、力がその性質を持っていても、ハールラインが十全に力の内容を把握していないと完全に扱いきれるというわけではないけどね。
実際、カレンに『グリ=リルラ』とか言って放った魔法はおろか、普通に放った矢すらも制御を奪い返されてまたこいつに向かって飛んで行ったからね…。
シャイツァーはこのくらいだね。後、一番大切な情報としてこいつ曰く、レイコが抜け出して散歩している最中に、レイコの力を見たいがために魔物をけしかけたみたい。ガロウの傷、レイコのトラウマの元凶。
最期はそのツケが回ってきたというべきか、ガロウとレイコ、カレンに追い詰められて敗北。倒れているところを上から降ってきた龍に「グチャッ」って踏み潰されたよ。…まぁ、この龍ってリンヴィ様なんだけどね。
登場話は96~99話だよ。
『リンヴィ』
獣人族のトップ。ぺリアマレン連邦の首長。体をところどころ黒鱗に覆われた金髪赤目の龍人で、皇龍という神獣。龍の姿を取れるよ。
龍の姿は4つ足の黒龍。カッコいいよ。地球のウェールズとか言うところの旗に書かれているタイプの龍っていえばわかりやすい…と思うよ。強靭な4本の脚に、しなやかでピンと伸びる尾に、凛々しく迫力のある顔に、三日月より少し緩やかなカーブを描いた羽に黒い艶々の鱗。これらが組み合わさってある種の神聖さを与えているよ。
…この人の人格で特筆すべき点は、わたし達が今まで会ったことがあって、かつお互いに名前を知っている人という括りの中でかなり上位…というかトップレベルの常識人ということが挙げられるよ。
…そのぶん苦労人なんだけどね。獣人族のほぼすべての人がこの人が好きすぎるから、首長をやめられないという嬉しいけど嬉しくない状況に陥っているよ。…頑張れ。リンヴィ様。
神獣の扱いに疑問を持っていた人でもあるよ。彼をはじめ戌群群長などの群長や、さっき紹介したイビュラ爺等、上位の人々が神獣の在り方に疑問を覚え、そして打ち砕くことを望んでいたからこそ「2対100」と「6対12」の戦いだけで済んだといえるね。
彼が神獣の扱いに疑問を覚えていたのは、彼自身から聞き出したわけじゃないけれど…、「彼自身も神獣で幼いころに隔離されていたであろうこと」と「それにもかかわらず今は首長をしている」という事を踏まえると…、
辰群内で実力を発揮、神獣というのも相まって容易く群長に。そして首長になった。成り上がる間、そして首長になってからの期間にたくさんの温かい家庭を見たからだと思うな。その光景が「神獣である彼が産まれた瞬間に奪われたモノ」であるがゆえに。
…もちろん「家庭」がいつも温かいものであるはずがないなんてことは彼も理解しているはずだよ。だからより正確に言うなら「彼は新しく生まれる神獣達に、暖かい家族と成長する機会を与えたかった」になるかな。
…子供として温かい家庭を作る機会は奪われていたけれど、親として温かい家庭を作ることは出来るから頑張って欲しいね。…146話でリンパスと結婚したしね。
登場話は99話ラストから146話までのほとんどだよ。抽出は話数が多いから省略するね。
『シュガー』
人じゃないけど紹介。『ニッズュン』の湖底遺跡でお父さんたちが戦った白黒の鯨。サイズは正面から見ると縦15 m, 横30 mヒレを伸ばすと横50 m, 長さ100 mとかいう規格外だよ。
名前はお父さんたちがつけたよ。「ザトウクジラ」に似ているから「ザトウ」から「砂糖」を経て「シュガー」らしいよ。…カレンの名前やわたし達の漢字はちゃんと考えてくれるのにどうしてここまで安直なんだろうね。戦闘直前だったからかな?
シュガーは全体的に妙な雰囲気に包まれた『ニッズュン』湖底遺跡の中央の部屋にいたよ。戦闘方法は巨体を生かした体当たりと、ブレス。デカいくせに意外と早い。そして当たれば当然のように痛いらしいよ。
登場話は106~108話だよ。こいつの姿は図鑑を見て似た生物を教えてもらったから本編のわたし達もだいたいイメージ出来てるよ。……お父さんとお母さんの絵? ………ん。次行くね。
『アーロンゲ』『イッギュ』
同時に紹介。アーロンゲが申群のオランウータン獣人で、イッギュが未群のヤギ獣人だよ。ニッズュンから立つ爆音 (音源はお父さんとお母さん)を聞いて偵察に来た二人だよ。この二人から爆音が響いたことを聞いて次に『バミトゥトゥ』へ行くことにしたよ。
登場は110話と111話。
『バミトゥトゥの獣人達』
リンヴィ様の出迎えや魔物対応をする兵士から、ご飯を配膳してくれた給仕、街ですれ違う一般人までの総称。…流石にここを細かく言うのもどうかと思ったからひとまとめにしておくね。触れておくべきだと思ったらその都度触れるね。
次に群長達を紹介するよ。登場順で言えばクヴォック、リンパスからだけど…、本編での自己紹介順に合わせておくね。つまり、|リンパス(辰)から始まる十二支の順《辰~亥、子~卯》だよ。
『リンパス』
辰群副群長。リンヴィ様が現在首長をしているから実質的群長だよ。スタイルの良い委員長気質な顔をした女性で、お父さんお母さん曰く、仕事の出来る有能秘書っていうのが一番ぴったりくる…らしいよ。
リンヴィ様が絡むと真面目気質が崩壊するからわたしはいまいちその像に納得がいかないんだよね。…でも、有能だよ。…リンヴィ様が絡めば彼への愛が暴走して暴走、キャラ崩壊起こすがあるけどね。
また、この人は鯱の姿になれるよ。地球の海で泳いでいる姿を思い浮かべてくれればいいよ。サイズは可変みたい。基本はリンパスの身長よりちょっと大きめの全長1.8 m。その姿になると何故か浮くよ。ふわふわーって。…羽ばたいているわけでもないのに浮いていて、強風が吹いたときに油断していると回転することもある。となかなかシュール。
浮いてる原理はたぶん魔法。戦闘はこの鯱の姿で行うよ。攻撃を受けてもこの姿ならばすぐに傷が癒えるという特質を生かして巨体で圧殺するのが基本だよ。ブレスも頑張ればできると思う。
6対12の時は…、「浮いているからうざい」という理由から触媒魔法でサッと処分されたけど、それが彼女の強さの裏返しでもある。現に、触媒魔法直撃しても、しばらくの間耐えられていたからね。
このことは、痛みや肉を抉られる感触なんかの不快な気持ちに負けて気を失ってしまわない強靭な精神力を持ってることの証左でもあるし、あの破壊力の魔法をぶつけられても死ぬまでに時間がかかったから、再生力もかなりあるという事もわかっているしね。
登場話は初出の111話~146話までのほとんどだよ。
『サンコプ』
巳群群長。アメジスト色の目と体のところどころに紫の鱗を持つ、上半身が人間、下半身が蛇の人。顔の周りにはエラみたいなのがついていて、地球の蛇で言うとコブラに似てるよ。後、全体的に細い。人間と蛇の部分の境目は鱗の密度が上がってわからないようになってるよ。外見はこんな感じ。
一人称は「俺っち」で性格は軽め。毒舌気味で周りをおちょくるのが好き。だけど、ツッコミに回ることが多いから不憫枠に見えないこともない。そんな人。
この人の得意なことは「毒」と「回復」だよ。酸をぶっかけて相手を溶かす。毒で敵の体内を破壊するといった攻撃役と、味方を回復する回復役をすることが出来るよ。
6対12では「回復役だから」と真っ先に狙われてわたし達に潰されたけどね。スタンピードでは活躍してくれるはず。
登場話は111~146話までのほとんどだよ。
『イラス』
午群群長のサイ獣人。一人称は「儂」で他の群長からも基本的に「爺さん」とか呼ばれているからかなり年長だね。硬そうな皮膚と角を持ってるよ。
ちょっと不愛想だからか、子供に怯えられるよ。…そのことを本人は気にしているみたい。わたし達はズレてるしそこまで子供って言っても、そんなに小さいわけじゃないから怯えたりはしないけどね。
戦い方は力技で…。あ゛。どうしよう。…まともに解説しようとしたら5章が混じっちゃうね…。…さすがに先のネタバレは避けるべきだろうから省略するね。該当箇所を探して読んで。
登場話は112~146話までのほとんどだよ。リンパスとサンコプに比べると出番は少ないかもしれない。
『カプラ』
未群群長の女性。体型は彼女自慢のふわふわふかふかの毛のせいで触らないと分からないよ。だから初対面の人はこの人の性別が外見からはわからないよ。顔までふわふわだからね。……胸を触っても性別の判断がしにくいという事実は言っちゃダメ。
アルパカ獣人で一人称は未群に多い「ミー」だよ。おそらく勇者の悪ふざけでこうなってるよ。「思うの」が口癖なのかよく文末につけるよ。そしてふわふわの毛が自慢。
性格は強烈な人が多い群長の中では大人しめだと思う。でも、戦いの場ではちゃんと活躍するよ。
彼女の武器は彼女自慢のふわふわの毛。彼女の毛を媒介にして魔法を発動するから、毛並みや毛質が効果の大小に影響を与えるよ。もちろんふわふわ滑々な方が効果が高いよ。
毛を投げつけて行動阻害、『柔温毛《ヤラマカシュ》』を飛ばしてで相手を切って燃やすことが出来るよ。
また、『迷子羊』という透明な毛を設置して相手を引っかけて、『狂食羊』を発動させればじわじわ殺す魔法に移ったり、他の魔法に移ったりできるよ。
…列挙してみると、この人、蜘蛛みたいな戦い方してるね。戦場での役割は妨害と遠距離攻撃。
登場話はイラスと似ているからそっち参照してね。
『リラ』
申群群長。この人もイラス爺と負けず劣らずの不器用。軽い性格じゃないのにもかかわらず、時折やらかしてしまう人。カプラでもやらかしたことがあるみたいだね。
一人称は「俺様」だよ。一人称の割には自分がやらかしやすいことを自覚しているからか、そんなにガンガン前に出る方ではなくて、結果として無口っぽくなる。そんな人。
この人も力技。巨体を生かして殴りつけて破壊するよ。だけど魔力の扱いは上手だったりするらしいよ。唯一使ってた魔法である『猿帝槌』を紹介しておくね。
『猿帝槌』は地面を殴りつけて衝撃波を発生させて全方位を薙ぎ払う技。当然味方も巻き込むし地形も変わるよ。この魔法発動の詠唱が、レイコとガロウがハーティを破る一助になったよ。
登場話は上二人参照してね。
『クヴォック』
酉群群長。白頭鷲の姿に変じて飛ぶことが出来るよ。人間の時の姿はそれをもとに考えてくれればいいかな。手は羽になっているから人間みたいな手はないよ。だからちょっと不器用。本当に不器用な人よりは器用だけどね。
一人称は「オレ」で、リンパスと同じくリンヴィ様が大好きな人。あ、でも好きのベクトルが違うからね。リンパスの好きは「情愛」だけど、この人の好きは「忠誠」だよ。しょっちゅう二人でどちらがリンヴィ様をより好きかと闘っているけれど、微妙にずれているのはこの違いのせい。
雰囲気はクールな感じ。リンパスとは別方向で優秀な側近感が出ているよ。
この人の使う魔法は、羽を大量に撃ちだす『羽の雨』という遠距離攻撃。それ以外にもちゃんと、足の爪を使うのもあるんだけど…、出てないからやめておくね。イラス爺の時と同じことを言うけど、先を読んでね。
登場話はイラス爺の登場話に加えて111話を足してくれればいいかな?
『レディック』
戌群群長。目の色は金色で体にブチ模様のついたハイエナ獣人。一人称は「わし」だよ。わたし達…特にお父さんとお母さんがいなければイラス爺とかとよく明るく楽しそうに話しているけれど、二人がいるときはだいたいきりっとした硬い感じ。
そうなってる原因は「どう二人に接したらいいのかわからない」からだよ。どうしてこうなっているかというと……。
まず、この人も神獣の扱いに疑問を持ってる人だったよ。だから、レイコを見て「何とかしたい」と思っていたよ。で、お父さんとお母さんが来た。何故か戌群に属する神獣であるレイコを娘 (仮)にして。
…うん。この時点で意味不明で困るね。勇者だから敬うのは問題ない。というか敬うのが当然。だけどどのレベルで? と言うのが問題になるよ。
絶対条件として最高位に敬うのはリンヴィ様だよ。付き合いも長いし信頼しているからね。勇者だからって二人をいきなりその上に持ってくるわけにはいかないよ。…というか、持ってくるようならさすがに勇者伝説を盲信しすぎと言わざるを得ないね。
その下レベルなら、二人には丁度いいかもしれない。だけど二人はレイコの親 (仮)だよ。となると「神獣の親とは何ぞや」という疑問が出るよ。
先も言ったけれど、神獣は親から離され育てられるから生みの親はいないよ(正確にはいるにはいるけどわからないよ)。また、育ての親も「皆で育てている」からいないからね。
とりあえず、「神獣の親」という地位を本人よりも偉くしてみる。そうすると、二人は勇者で神獣の上。…「リンヴィ様より上じゃないとまずくない?」ってなる。
じゃあ、無視…は出来ない。(仮)とはいえ…「神獣の親」なんて言葉を無視することなんて出来ない。レイコが戌群の神獣じゃなければ無視してもよかったかもしれないけど、生憎戌群。だから、精神的に無視したくない。あれ、でも他の群長の二人の扱いと同じレベルにしとかないとマズイくない? …そうすると今度は低すぎる。ぬあああああ!
という葛藤が初対面の時点であったみたいだね。見てる限り。
で、獣人領域にとどまっている間にレイコが「付いていきたい」って言った。つまり(仮)とれた。で、上記の葛藤が悪化したよ。
さらにその後、神前決議場で、神獣の在り方を変えた。自分の望みも叶えてくれた。…この辺りでどうしたらいいかがパンクしてるみたいだね。
なかなか不憫。…お父さんもお母さんも普通に接していれば怒らないんだけどね…。とは言っても、わたしもこっちの世界の人間だから、勇者様を変に無下に扱うわけにはいかないことも知ってるから…「頑張って折り合いつけて」としか言えなね。
戦闘方法は爪を主体とする近接格闘術だよ。爪を使う格闘術の腕前はガロウよりも上。他に牙から飛び道具を放つ『狼王牙』を持ってるし、他にも持ってる。
総評としては近距離にめっぽう強い遠近両用の人だね。登場話はイラス爺やカプラと同じ感じだよ。
『スーラ』
亥群群長の雌駄豚。一人称は「豚」だよ。…え? 紹介が酷い? この上なくぴったりだから問題ないよ。
他の群長からの扱いも似たようなものだしね。…理由はいつでもどこでも何度でも「どんぐり食べる?」と脈絡なく突っ込んでくる悪癖があって、かつ本人自身が「ドングリ布教は豚のアイデンティティ」とかトチ狂ったことを言っていて、もはやどうしようもないというおまけもついているから。
見かけは地球にいる豚が2足歩行しているって言えばわかりやすいらしいよ。
この人はシャイツァーを持っていてシャイツァーは『ドングリ袋』だよ。…実に納得のいくシャイツァーだね。疑問の余地を挟む隙間さえない。
ドングリ袋からドングリを取り出してぶつける。それが基本。ものすごく辛いドングリをはじめ、燃えるドングリ、爆発するドングリ…等々、ドングリを介す必要はあるけど大抵のことは出来るんじゃないかな? 回復も出来そう。
6対12の時はこの「何でも出来そう」っていうブラックボックス感が怖いから真っ先に沈められたよ。
登場話はイラス爺の稿を参照してね。
『ハーティ』
子群群長。赤目を持つ体格のがっしりした象。戦闘時と非戦闘時で性格が変わる人。非戦闘時は一人称「ぼきゅ」で、自信がからか妙に緊張していてカミカミで聞き取りにくいよ。
だけど、戦闘時はスイッチが切り替わるように、言葉少なながらに的確に指示を飛ばし、相手を蹂躙するようになるよ。戦闘時のこの人の信頼度の高さは群長達の中ではリンヴィ様に次いで2番目。リンヴィ様を別格として扱えば堂々の一位という驚異の高さを誇るよ。
非戦闘時に「何でこいつ群長なんだ…?」って疑問に思う人も、群長達が力を合わせ、ハーティの指示に従っている様子を見れば「なぜ彼が群長なのか」という問いを「つまらない」ものとして吹き飛ばすほどの鮮烈な印象を与えてくれるよ。
戦闘はシャイツァーである『鼻』を軸とした戦いを行うよ。シャイツァーであって高硬度を誇る『鼻』を振り回し攻撃、自重に任せた押しつぶし。といった接近戦や、『吸引』で鼻先に存在するものを吸引して貯蔵。それを『射出』で発射。というような遠距離戦も出来るよ。『吸引』は余程変な魔法じゃない限り吸引できるから結構汎用性が高いよ。
『吸引』は絶対魔法を吸引しないといけないわけじゃなくて、空気やその辺に転がってる岩も吸引できるよ。だから、遠距離攻撃手段のない相手なら遠距離から一方的に封殺できるよ。
6対12では、レイコとガロウの前に立ちふさがったね。
登場話はイラス爺を参照にしてほしいけど…、6対12で分断した関係上140, 141話での影は薄いかもしれないよ。
『ズィラ』
丑群群長。首がものすごく長いキリン獣人の女性。一人称はアタイ。首が長すぎて直角に首を曲げると机の反対側まで到達するよ。放つ雰囲気は勝気なお姉さん。…姐さんの方が近いかもしれない。体つきもほんのちょっぴりだけ、丸いけどそんな感じ。
「首が長すぎて森を歩くと目に枝が刺さる」という特徴があって、それが際立っているけど、イロモノぞろいの群長達の中では割とまとも。
彼女の長い長い『首』はシャイツァーでもあって、硬いから首を怪我しにくいよ。この首は自由に長さを伸ばせるよ。ろくろ首っていう妖怪に似てるらしいね。
伸ばすと、伸ばした長さに応じて硬度が落ちるよ。頑張れば斬れる。…すごく頑張ればね。みすみす斬られてくれないけど。…まぁ、首を斬ろうとすれば、硬すぎてシャリミネ製の剣を使っても、古来あったらしい『鋸引き』っていう残虐な処刑法そのものになっちゃうんだけど。
戦闘方法は『首』がシャイツァーだからかなり特殊。首を直撃させて攻撃したり、首を振り回して頭に遠心力を乗せて叩きつけたりして戦うよ。また、首をものすごい勢いで伸ばして頭突きで打撃を与える『鋼弾首』なんていう技もあるよ。
…ちなみに首を振り回す関係で頭だけじゃなくて、顔も頑丈。そのうえ「酔わない」と言ってもいいほど酔いに強いよ。
倒すなら本体を殴ればいいんだけど、どう見ても首がこっち見てなくてもどうやって把握してるのか、本体の危機も察知して動けるんだよね…。それに、攻撃の起点が『首』もとい頭だから、油断していると真後ろや、右上方後ろとかの死角から強烈な打撃が飛んでくるからなかなか怖いよ。
登場話はイラス爺や、カプラとかと似てるから省略するね。
『シール』
寅群群長で、鬣が立派な獅子族の男性。一人称は「僕」で少しキザった言葉を話すナルシスト。これだけだとただうざい人だけど、顔が良いから許される。そんな人。
自称「愛の狩人」。これは恋人をとっかえひっかえしているというわけではなくて…、ただ仲のいいカップルが仲良くしている光景が大好物で、中でもお父さんとお母さんみたいに、初々しくてちょっとしたことで照れちゃう。そんな風景が一番好きということらしいよ。
そして、その光景を見るためなら自ら「好みのイチャイチャする光景を見せてくれる」カップルを弄って欲望を満たす人。…一言で言えば変人。
…改めて言葉にしてみるとわたしが思っていたより「愛の狩人」してたね…。あ、ちなみに普通の狩りの腕前もいいらしいよ。
ただ自分の色恋沙汰となると、顔が良くて彼が言うように「より取り見取り」だけど、雑魚としか形容しようがないよ。原因はどう考えても他のカップルばっかり弄ってるから。
戦闘は速度特化の近接型。遠距離も出来はするよ。『獅子咆哮』という変わった『身体強化』が使えるよ。
6対12の時は特に何が違うのかわからないまま沈められたけれど、これは使用中普通の『身体強化』のように身体能力が向上するほか、魔力回復速度上昇。展開時間や注いだ魔力量、受けたダメージに応じて奥義の威力が上がる。という効果もあるよ
奥義は内緒。ごめんね。
登場話はこれまでの人たちと同じくイラス爺たちとほぼ同じだからカット。
『キャンギュレイ』
卯群群長、赤目のカンガルー族の女性。一人称は「私」で、優しそうな母性を感じられる雰囲気をしていて、性格も口調もそれ相応……ただし、脳筋。
…ん。この人の欠点は脳筋なところだよ。なまじっか見た目も雰囲気も話し方もまともだから、騙されそうになるけれど、かなり強烈。
「交渉?ああ。交渉ですね。いいですよ!」という感じ。どうしてこうなったの…。たぶん骨が折れても「ほっときゃ勝手に治るよ!」とか言っちゃう。そして実際に放置で治る。
…さすがに子供に「気に入らないことがあったら殴って解決しなさい!」とかいう問題発言はしてないと信じたい。…あ。そうそう。夫一切出て来てないけどこの人、結婚してるよ。
魔法をほぼ使わないで戦うよ。使ってる魔法はせいぜい『身体強化』ぐらい。なのに、魔法を使ってるんじゃない? という結果を出しちゃうんだよねこの人。
例えば『|竜巻拳《ヴェヴァンダ=ムッティー》』は拳で殴りつける技なんだけど、拳の速度が速くかつ、腕を捻りながら放つためか、名前の通り何故か竜巻が発生するよ。
他にもたぶん意味の分からない技があると思うよ。一応『連続拳』をはじめとする、ただのパンチやキックとしか思えない技にも名前がついているから、ここは救いと言えるかもしれない。…名前つけているせいか、ただのパンチやキックにしてはやたら威力が高かったり、連続で繰り出す速度が早かったりするけど。
登場話はイラス爺とかとほぼ同じ。その辺りを参照して欲しいな。
『アリア』
116話でサンコプが語ってくれた人。獣人族の英雄。わたしと同じ黒髪赤目かつ鎌持ち。この人のおかげでわたしの扱いが人間領域とは真反対になるよ。…面白いね。…獣人に赤目が多い(全体の半分くらい)というのも絡んでいるだろうけどね。
サンコプが語ってくれたのは本の内容だから、本を読んだことのある獣人なら誰でも知ってるよ。
この人は魔人領域から仲間とやってきて、呪い (瘴気)を取り除いて人間領域へ行ったらしいよ。この「瘴気」を取り除いたことで英雄視されているみたい。ただ、妊娠していたのに呪い除去して、人間領域へ旅をするなんて無茶をしたせいか人間領域にこの人の痕跡はないよ。
この人の情報が出てくるのは116, 117話。
『襲ってきた本』
人じゃないけど紹介。図書館でお父さん達に襲い掛かってきた本。『聖弾』で何とかなったよ。お父さんたちがいつもの『チヌリトリカ』の色を確認しているから、『チヌリトリカ』絡みだと思うな。
こいつのあった禁書区画を探すと3つの同じサイズの空白が。「何故!?」となったけど即解決。下手人は冒頭で紹介した奴で、「そいつと焼かれたから大丈夫!」ってサンコプは言ってたね。…ダメだったけど。
こいつ発見に伴って他に呪われた本があると困るから、禁書庫をお父さんたちが浄化したら、呪いがかけられていた本が暴れて酷いことになったよ。117, 118話。
『サフィー』『バイン』
わたし達の宿代わりの家?の門番をしてくれている人達。名前が出たのはサフィーだけだけど、折角名前がついているから紹介。
リンヴィ様に従う獣人の例に漏れずリンヴィ様が大好きな人達。仕事はちゃんとするよ。…本編に一切出てこないけど、『バミトゥトゥ』の図書館の司書も、文句言わずにリンヴィ様の本が全くない図書館の司書もするべき。
初登場は119話。そこからは…、影が薄いよ。
『ファヴ』
人じゃないけど紹介。4章編で3回目だね。
リンヴィ様そっくりの姿を持つ泥の龍。…鱗の質感とか、尻尾や羽が本家に比べて鋭利だったりと、ファヴとリンヴィ様を真っ黒に塗りつぶせばこっちの方が強そうな形をしているといった違いはあるけれどね。
図書館においてあった禁書2冊分の呪いを纏っていて、核を完全に破砕しないと止まらない。そして、その核は呪いを封じていたはずの、シャイツァーから生成されたであろう本カバーとシャリミネに守られているよ。
だから核は2層構造。核本体と、それを守る外殻があって、外殻はかなり硬い。…嫌がらせだね。
唯一の救いは足元が泥沼なのに、コアを泥沼に逃がさなかったことだよ。たびたび核を切除して泥沼に叩き込んでもすぐに戻ってきていたから…、龍の姿をしている泥中にコアはないとダメとか言う制限があったんだろうね。
最後は全員で協力して、核を露出させ、龍のそばに寄ったお母さんとレイコにまで核の位置を調整して、レイコの『ガルミーア=アディシュ』で外殻無視してコア本体を葬り去ったよ。
…ここで『ガルミーア=アディシュ』に漢字がついてないのはこの時はまだ漢字が付いてなかったからだよ。
登場は123~126話。あ。そうだ。ついでに言っておくと…、この前の聖地の話 (121話)から126話まではわたし達とこいつぐらいしか出てないよ。
『獣人100人』
2対100で戦うことになった人たち。名前がある人は後で詳しくやるね。イビュラ爺だけは既に紹介済みだから、そっちを見てね。
全員大なり小なり「レイコ」のことは好き。勿論神獣としての「レーコ」が好きな奴がいないこともないけれどかなり少ないよ。
(「レーコ」だけが好きで利用価値があると思ってるやつはハールライン諸共ほとんど死んだしね)
お父さんたちを見て暴言を吐いたやつは…どうなんだろう。利用価値があると思ってたやつなのかな、それとも単なる「ハールライン」寄りの思考の人なのかな? …ひょっとすると、人間に息子を連れていかれた過去がある人だったのかもしれないね。
…ひょっとしたらイビュラ爺の仕込みだったのかもしれない。群長のレディックがお父さんたちの人柄を話しても、伝聞はそんなにあてに出来ないからね。もしこうだとしたら、騒動でお父さんたちの人柄は信用してもらえたはず。あ。ちなみにこの騒動は133, 134話であったよ。
登場話は133~139話だよ。136~139話が2対100だよ。100人の前後ろの割合は前:後 = 7:3だったよ。
『ベイグ』
戌群に属する狸獣人。皆からは中将って呼ばれている後衛のリーダー格。かなり信頼されているみたいだね。そして、割とその場のノリで戦闘を進めようとする大将に振り回される人。
シャイツァーは目からビーム。
…コホン。シャイツァーは「目」だよ。この目を使って魔法を使うよ。この人最強の魔法が『風射眼』で、目から強力な竜巻を発生させる魔法だよ。発生した竜巻はしばらくの間残って、障害物としての役割を果たすよ。その上、周囲に風を巻き起こすから魔法や矢は近くに寄せすぎると干渉されて軌道が変わる。という事を留意する必要があるよ。
と、強力な魔法なんだけど、この魔法は発動前にあらかじめ効果範囲、展開時間を決める必要があって、発動後は効果範囲や展開時間は変更不可かつ発動中は攻撃魔法使用不可という欠点があるよ。
そのせいで竜巻は任意に消せなくて、咄嗟の作戦変更に弱いよ。短めの竜巻を連発するという方法もあるけど…、完全詠唱に時間がかかる、詠唱省略すると魔力消費が酷いことになる。といった理由で現実的ではないみたい。
他に幻影の攻撃を任意の位置から放つことが出来るよ。勿論幻影だから攻撃力は0。『風射眼』中も唯一使えるけれど、幻影だから決定打にはならないよ。うまく使えば動揺させて策にはめることも出来るよ。
…こんな感じかな。登場話は136~138話。
『ロムリー』
プードルの姿をした戌群人の女性。後衛に対する攻撃…というか、ベイグへの攻撃を防ぐときに出てきたね。
…傷だらけで「効かぬ!」って言っていたけどもちろん嘘。普通に効いてるよ。
シャイツァーは『鎧』で、効果は受けた傷を体中に分散させるというもの。シャイツァーである鎧は頑丈だから、十分な支援が受けられればまさしく鉄壁。今回の登場では先に支援組が壊滅しちゃっているから…かなり悲惨だったね。
組み伏せられて竜巻に突っ込まれてゴリゴリ削られたよ。使えるものは使おう精神の賜物だね。竜巻が無ければかなり面倒な相手だったんだけどね…。相手とタイミングが悪かったね。
登場話は137, 138話だよ。
『着替えを手伝ってくれた辰群人』
146話でお父さんの着替えを手伝ってくれた人。お父さんにリンヴィ様が結婚することに対する魂の叫びをぶつけていたけれど、それは獣人族の女性共通だよ。特に辰群の人の嘆きが酷かった。
…ん。本編はこれで全員かな。次は閑話。
『閑話に出てきた盗賊』
4章の「閑話 このころの臥門班」に出てきた盗賊たち。臥門芯、蔵和列、旅島順の3人によって壊滅したよ。
…ほとんどの被害は列による大砲の一撃だけどね。
『閑話に出てきた盗賊 その2』
4章の「閑話 このころの百引班」に出てきた盗賊たち。…名前が雑なのは許してね。思いつかなかったの…。
夜中に勇者である百引晶、羅草愛、神裏瞬、久我謙三の4人を盗賊の一人が訪問。油断させて闇討ちしたかったんだろうけれど…、即バレして全滅したよ。嘘がわかる百引がいたから…、完全に相手が悪いとしかいえないね。
この閑話の盗賊たちのことはわたし達は知らないよ。…というより、お父さんたちのクラスメートが何してるかはタクさんと別れてから4章末まで不明って言うべきだね。
…ふぅ。これで終わりかな? 他に言わないといけないことは…、獣人と神獣も既に紹介してるからない…かな。
よし、ないね。
「終わった?」「終わりました?」
…お父さんとお母さんの声? タイミングばっちりだね…。
「終わったよ」
たぶんだけど。
「「ありがと(うございます)」」
二人がわたしの方へ寄ってきて撫でてくれた。…温かい。ずっとこうしていてもらいたいくらい心地いい。
「さて、約束は守らないといけませんね」
「だね」
…約束? …ああ。そういえばお菓子くれるとか言ってたような気がするね。
「こっちに来てください」
「…ん」
二人が両サイドからわたしの手を握ってくれる。…なんだか昔見た仲のいい家族みたいで嬉しい。
手を強く握ってみる。何も言わずに強く握り返してくれた。…幸せ。
「着きましたよ」
「…これは何?」
目の前に何かいっぱいある。少なくとも、わたしの知ってる果物ばかりだから食べ物なんだろうけど…、色が鮮やかすぎる気がする。何故か棒が突き刺さってるし…。
「果物飴です」
「果物に割りばし…、ようは棒ね。それを突き刺して飴を纏わせたやつだよ」
「お祭りでよく売ってるやつを参考にしてみました。あっちではリンゴで作るのが有名なんですけど…」
「お祭りでリンゴ以外も見たから試してみたよ。味は俺らが食べた限り大丈夫」
…リンゴ飴ね。
「色は?」
「「魔法でつけ(まし)た」」
なるほど。魔法か。
「食べて良い?」
「そのために作ったのですから。どうぞお食べ」
「ありがと。いただきます」
リンゴ飴って言ってるからリンゴ…、アップェ飴から食べよう。皿の上から取って……、取ったはいいけどどうやって食べよう。わたしの口はそんなに大きくないんだよね。顔の大きさ相応、お母さんより小さい。
「切ろうか?」
「…それはちょっとヤダ」
折角この形で出してくれたんだからこの形がいい。
「なら、お皿を出すからそれで受けてお食べ」
「お皿の上なら落としても問題ないですから」
やっぱりかぶりつくしかないよね。
「ありがとう。いただきます」
少し頑張って口を開いてかじりつく。舌に飴が触れる。甘い。歯を当てて力を入れる。
パキッっと飴が砕けシャリッとアップェが爽やかな音を立てる。噛みちぎったアップェ飴を噛むたび、ポリポリと軽快な飴の割れる音とシャクシャクとリンゴの小さくなる音が絡み合う。
そして、舌の上で飴の少しネバッとした濃い甘さがアップェの爽やかな甘みと混ざり合って深い味を現出させてくれる。…美味しい。もっと食べよう。
「喜んでくれてるようですね」
「だね。全くこっち見てないしね」
…美味しいからね。あ。そうだ。
「紹介はこれで終わり、全部の紹介をまともに読んでくれていたら総計7万文字くらい。…読んでくれてありがと、お疲れ様。投稿云々の話は誤字修正したからカット。そうすると……、もうないかな。それじゃ、またね」
…さて、食べよう。
「…どうしたの、その目」
ものすごく複雑な目をしてる。
「何故いきなり〆の言葉を?」
「私達に任せてくれてもよかったのですよ?」
なんだ。そんなことか。
「…やるなら最後までやらないといけないでしょ?」
わたしが二人に任されたのは紹介。だったら終わらせないといけない。…お父さんたちが呆れた顔をしている気がする。ま、いいかな。食べよう。
あ。声に出すと無限ループしちゃうからそっちにだけ言うね。これで本当に終わりだよ。それじゃあね。