アイリの登場人物紹介 3章編
…ん、というわけで3章編だよ。いつものように注意事項からだね。「しつこい」という人は前書き部分は飛ばしちゃってね。
この文は今のわたしからわかるように「メタネタ」の塊で、かつ「ネタバレ」を大量に含んでいるから、注意してね。
いつものように本編のわたし達が知らないことは「知らない」ってことは伝えるよ。…言い忘れたらごめんね。
紹介基準は前までと一緒で「会話したかどうか」だよ。会話なくても入ってるときあるけどね。…影の薄い人は抜ける可能性があるよ。ごめんね。
紹介本編だよ。今回も軽く三章を振り返っておくね。
三章はわたし達とルキィ様達が合流、『イベア』入国。入ってすぐぐらいに、王族の「ディナン」様たちに会って一緒に盗賊を滅ぼしまわっていたら、奴隷闇市が王都『スポルト』であることがわかって王都へ。王都でなんだかんだしていたら「人質取ったよ!」という自殺志願としか思えない手紙が「カネリア」から来たよ。
アネリ復活のため、文字通り狂ったように動く盗賊騒動の黒幕カネリアを倒して人質だった、ガロウとレイコを救出。レイコとガロウの過去にちょくちょく触れて、家族に二人を加えたよ。この時はまだ(仮)を付けるべきかもしれないけど。
出発までに馬車を強化してもらっていたら、砂漠を越えて獣人が来て、内乱勃発中であることがわかって、『ハールライン』という危険分子に万が一にも勝たせないように急いで出発。そんな章。
次は国。
『イベア』
人間領域最大の国。ただし面積の半分以上が砂漠という砂の国。北で獣人領域、東でフーライナ、南でアークライン神聖国、西でカリアと接しているよ。他にもいくつかの小さな国とも接しているけど割愛。
…あ、カリアはルキィ様達の次の目的地だった国だよ。本編ではたぶん出ない。
首都である『スポルト』はオアシスに出来た街で、この街以北はほとんどが『メピセネ砂漠』という大砂漠。首都のオアシスの水量はかなり豊富。王宮で噴水を作ったり、水のカーテンを作ったりと無駄遣いできるよ。…とはいっても、使った後は綺麗にして植物にあげたりしているけどね。飲料水としては……魔法で処理できるとはいえ、飲むことに抵抗があるからやってないみたい。
わたし達がここに来た目的は「獣人領域に行くため」で、通過地点的な扱いだったね。…どうして盗賊殲滅することになったんだろうね?
…ま、いいか。おかげで妹と弟に会えたしね。これくらいかな。次は人物。
『パオジー』
ルキィ様の近衛の一人でわたしの元同僚。わたし達の馬車の御者をしてくれたよ。
…近衛は基本「ルキィ様大好き!」な人で構成されているよ。だから、わたしが近衛になっても特に嫌な顔はされなかったかな。…一部の人からたまに、ものすごく羨ましいって、言わんばかりの血走った目で見られていたんだけど…、一体この人たちは何がしたかったんだろうね?
この人の名前が出てくるのは56~58, 61~63, 67, 68話だよ。
『盗賊たち』
56話で出会った盗賊たち。30人で40人ほどの商人の集団を襲っていたからボコって縛り上げて馬車に載せて、イベア南部の国境の街『ディブラッタ』に運んで引き渡したよ。
『商人たち』
56話で襲われていた人たち。全員無事だったよ。『ディブラッタ』まで護送してから別れたよ。
『宿の人』
昼食を持ってきてくれて、サルファとかの食べ方を教えてくれた人。57話で出たね。
『フェルベル=ディナン=イベア』
イベア王族の長男で、一人称が我。自信でいっぱいの人。初対面でお母さんを口説いてきたからわたしが黙らせたよ。そのままルキィ様を口説くけれど笑顔で拒否されたよ。
…二人を口説いていた理由は簡単だよ。…「王族」なら割と切実な理由なんだけど。「王族」という地位しか目当てにない鬱陶しい貴族令嬢と結婚したくないというもの。彼の言っていた言葉を引用するなら「我だけを見てくれる人と結婚したい」だったかな。
口説いた理由は「絶対「地位」で靡きそうにない二人を口説き落として結婚したい!」だと思う。ルキィ様が「王族」に興味ないのは当然だけど…、お母さんをそう評価して口説こうとした点は評価できるね。
お母さん、お父さんが好きだから「王族」という立場に興味ないしね。…そこまで見極められたらもっと評価が上がるね。
…この人、身分を隠して口説き落とすことは出来るよ。雰囲気も外見もいいからね。だけどどう頑張っても1時間以内に雰囲気とか見た目とかで「あれ、この人って、ディナン様では?」って相手の人が思い始めちゃうから駄目みたい。一般人なら「玉の輿」に憧れちゃうから……。
それはともかく、ディナン様の要求を完全に満たせる結婚相手は『クリアナ』ただ一人しかいないという…。あ、この人は次にやるよ。…そろそろ恋愛面の話はいいよね。
…ん。王族としては優れている方だよ。統治系の仕事では役に立たないことを自覚しているから、武力で弟の統治を助ける(もとい、押し付ける)ことを選んだ人。この人と身近に接する人が一番最初に教えられることは「王に対する幻想を捨てる事」だよ。言い得て妙だけど…、少し可愛そう。だってこれ、8割方クリアナのせいでもあるからね。クリアナとはしゃいでいるとき、一番雰囲気が違うからね…。
シャイツァーは『心臓』。人間の心臓がそのままシャイツァーの性質を持つようになったと考えるとわかりやすいかな。
『心臓』がシャイツァーである理由は、産まれたときに心臓が未発達で死にかけていたから、「生きたい」という願いを反映したのでは? という説が最有力だよ。
魔力を込めれば、脈拍と同期して衝撃波をディナン様中心に発生させて周囲を破壊するよ。この衝撃波は味方も巻き込むから付近に人がいれば使えないよ。…そのぶん火力は地形も変えちゃうくらいには高いけれどね。
後は…、ああ、そうだ。ほぼ弟のオスカル様に仕事を押し付けているからこの人の扱いは「頭を使わない軍属王族」。かっこよく言えば「遊撃隊」。
登場話は、58~84話までのほとんどと144~146話だよ。
『クリアナ=ベルディー』
ディナン様の御付きのメイド。唯一、ディナン様の恋人に求める条件「俺だけを見てくれる人」を満たせる女性で、美人。
本編では高位貴族家の出身であることだけ匂わされていたけれど…、侯爵令嬢だよ。公爵、侯爵、伯爵。子爵、男爵、騎士の上から二番目。公爵は王族の親戚だから…、ほぼ貴族の最上位と言ってもいいね。
…だけど、色々残念な人。血統の良さとか、見かけのよさとかそのあたりを全て、普段の少し馬鹿っぽく見える態度、王宮以外では即迷子になってしまう性質、そして「ディナン様愛してます!」という行動で台無しにする人。
ディナン様が好きすぎて逆にディナン様に引かれる始末。…145話あたりではだいぶディナン様も絆されているみたいだから、いつかは引っ付くと思う。「貴族令嬢としてはしたない」という葛藤もこの人はディナン様絡みならば「エイッ!」って投げ捨てられるからね。
最近のイベア王宮ではクリアナが「好き好き」とディナン様に言いまくっているから、ディナン様への求婚が激減したらしいよ。もちろん、これだけが減った理由じゃないけれどね。他の理由? ……お祭り。
ちなみに、元からクリアナへの求婚はなかったよ。
シャイツァーは『靴』。足元からの攻撃を全て無効化し、足を介した魔法の強化する…という効果もあるよ。
また「歩いたところに魔力を靴の形…「足跡」って言った方が良いかな? それをペタペタと貼り付け、それを起点に魔法発動させる」という効果もあるよ。一応こっちがメイン。この効果を使う魔法は起点とする「足跡」の数が多いほうが良いよ。
…だけど、こっちのメインの魔法はクリアナが迷子になっちゃうからそこまで使い勝手は良くないね。
…この効果の元になった願いって「迷子になりたくない」というかなり切実な願いなんだろうけれど…、使いこなせてないからねぇ…。
登場話はディナン様とほぼ被ってるから割愛するね。登場話も基本仲良し。
『盗賊たち(2回目)』
アジト襲撃で激突した盗賊という意味では1回目だね。わたしが突撃、盗賊たちにわたしを『エルモンツィ』だと誤認させて、盗賊たちを恐慌状態へ。わざと逃がさせて入り口付近で待ち伏せ…という感じで制圧したよ。
カレンが物理的に上から見ていてくれていたおかげで、漏れるだろうと予想していた秘密の抜け穴から逃げた盗賊が追跡出来て…、逃げた先、つまり次のアジトの位置もわかったよ。
登場は60, 61話だよ。
『人質にされてた人』
一つ目のアジトで捕まっていた6人組。ラダまでわたしの元同僚の近衛5人組が送っていったよ。登場は61話。
『ラナドの盗賊』
ラナド近郊にアジトを持っていた盗賊たち。到着した時には壊滅していたよ。登場は64話。64話冒頭にも書かれているけれどこの作品の中でも最上位の残虐描写があるから注意ね。ここが一番描写的にキツイ……と個人的には思っているから、ここを読めれば4章までは全部読めるはず。
『アゴンの盗賊』
アゴン近郊にアジトを持っていた盗賊たち。ディナン様によって無事壊滅。登場は65, 66話。
『ラナドのギルド長』
部下からも冒険者からも好かれるタイプの人。66話で冒険者の一人と言い争っているときにわたし達が到着、しばらく言い争っていたけれど気づいてわたし達に尋問結果を教えてくれたよ。
『ギルド長と言い争ってた冒険者』
マンチェという人の親友。ギルド長だけでなく、ディナン様にも「盗賊なんてやる奴じゃない」って言える人。なんだけど、マンチェと言う人を助けたい気持ちが強すぎて、彼の評価を上げて下げるという芸当をやってのけたよ。結果的にこの人の言ってたことは正しかったね。66話。
『マンチェ』
名前が66話と74話で出ただけの人。『アークライン神聖国』の時の『チヌヴェーリ教』の洗脳と違って、もともと善人──白──じゃなくて悪人よりの善人──灰──が犯罪を犯して黒になったわけだからかなり扱いが微妙。それはこの人だけじゃなくて捕まった盗賊たちに共通しているんだけどね。
さすがに全員死刑にはならないだろうけど、完全無罪ってわけにもいかないから、教育的指導が入るぐらいかな? …あくまで推測だけどね。
『シエスタ』
67話で出た宿の店員。『バロン』はこの人の恋人らしいよ。宿の屋上 (テラスのようなところ)に繋がる場所で夜中にお仕事をしていたら眠気に負けてうつらうつら。完全に寝落ちした瞬間、宿にある「近くに客がいたら従業員を苦しめて起こす」という魔法具のせいで叩き起こされた哀れな人。
…そんな魔道具使って従業員に仕事させているのは少しどうかと思うけど…、宿のランク的に従業員が足りないとか、福利厚生が足りないとか、そんなお父さんたちに聞いたブラック企業? 的扱いを受けているわけじゃないから…、ちゃんと働けるように体調を整えておこうね。…っていうぐらいかな、わたしに言えるのは。
『バロン』
『シエスタ』の稿が全てだよ。次行くよ。
『サロネラブ付近の盗賊』
アジトを見つけて襲撃したけどもぬけの殻。ここにいたやつらの次の目的地はスポルトの闇市だったよ。68話。
『フランシスカ=ラフエンテ=イベア』
イベア王族でディナン様の妹。イベア王族4兄弟の中で2番目。小金の髪に深い知性を感じさせる青目を持つ、気の強そうな顔をした人。ディナン様のことだけ「兄さま」と呼んでそれ以外の家族は名前で呼んでるね。性格は一言で言えば「芯の強い」女性かな。
シャイツァーは『真想天秤 ハリヴ』。何もしていなくても相手の言動の真偽を見抜き、相手の表層心理を暴くモノ。精神状態によってはさらに深いところも暴いてしまうモノ、
今は親しい人は見ずに済むみたいだけど、昔は見たくなくても表層心理を見てしまって辛いこともあったみたいだね。…ううん、今もかな。頭の中に暴いた心の中が入ってくる隙間を作らないように、常に頭の中をいっぱいにするっていう対策を取っているみたいだから…。
また、一日に一回だけ『真想天秤』という魔法が使えるよ。これは発動と同時に地面から黒い皿がせり出してきて、黒い皿の上にいた人の心全てそフランシスカ様の前に明らかにする魔法だよ。
本編では「心」でフランシスカ様達は誤魔化しているけれど、「心」って感情とか、意思の発露するものだから、範囲は想像以上に広いよ。例えば、「寂しいとかの「感情」が生じるには、ある「感情」はこういうものだ」という「記憶」が必要。だから「記憶」も対象だったりするよ。
本編のわたし達はこの辺りは知らないよ。ルキィ様達を含めてわたし達の認識は「絶対にわたし達が思っているよりも対象範囲が広い凶悪な魔法」という感じ。
この魔法は前述のようにフランシスカ様に対しての負担が大きいし、貴族たちも、というか人間なら誰でも、『真想天秤』を受けたくないから、発動は大憲章で許可がないと使っちゃダメってことになってるよ。
イベアで「立法」を担当しているよ。表層とは言え心を読めるから妥協点を探すのが得意。腹の探り合いをしようとして、ボロボロにされる貴族もたまにいるらしいね。
たまに『真想天秤』を用いて裁判も手伝うよ。…前述の通り負担が大きいから本当に「たまに」だよ。扱いとしては最終兵器。さすがにちょっと黒いだけの貴族と真っ黒の盗賊を比べれば後者の方が負担は大きいからね。…たぶん。
69,74, 76, 78, 79話に登場してるよ。82話は名前だけだけど、シャイツァーまわりの話をしているよ。
『ラウル=カストロ=イベア』
イベア王族4兄弟の次男で3番目。銀髪碧眼の眼鏡をかけた頭を使ってそうなカッコいい男の人。別名『頭を使う軍属王族』もしくは『真っ黒眼鏡』
…『真っ黒眼鏡』は兄弟ぐらいしか使わないけどね。不敬待ったなしだからね。一般的には確か…、『銀髪の賢人』とかだったと思うよ。本編に出ていないけれど。
一人称は「俺」で、兄弟たちをディナン様が兄さん。フランシスカ様が姉さん。オスカル様がオスカルって呼んでるよ。
イベアにある10個の騎士団の実質的トップ。軍への影響力はディナン様をしのいでイベア最強。頭を使って相手を叩き潰すのがお仕事。
シャイツァーは『眼鏡』。「眼鏡が本体」は禁句。効果は「ラウル様の頭の中にあるものを瞬時に別のモノ、例えば「紙」に出力すること」と「ラウル様が見たものを瞬時に頭の中に残すこと」だよ。
さらに「自分を中心に一定距離のもの全てを完全に把握する」というかなり強烈な力も持つよ。一定距離はだいたい100 m。一回でも効果範囲に入れることが出来れば、後からでも出力できるよ。…とはいえ、出力できるのは条件を満たした時の光景になるんだけど。要するに、3日前に通った道の情報を出力しようと思うと、当時の光景が出力される。ということ。
…犯罪の証拠として使えそうだけれど、残念ながらこの力で得た出力像は証拠にはならないよ。シャイツァーを用いて出力された情報がラウル様の捏造の可能性が否定できないから…、らしいよ。シャイツァー絡みの制限はだいたい大憲章のせい。恩恵もちゃんとあるけどね。
登場話はフランシスカ様とほぼ同じで、登場話も似ているよ。69, 70, 74, 76~79話。また、82話に名前だけ。フランシスカ様と一緒で、クリアナがシャイツァーの話してるよ。
『オスカル=ヴァス=イベア』
イベア王族四兄弟の三男で末っ子。だけど、兄や姉に色々押し付けられて実質的イベア王をしているよ。一人称は僕で、兄姉の呼び方はディナン兄さん、フランシスカ姉さん、ラウル兄さん。
兄姉と同じく金髪イケメン。まじめな性格……なんだけど、妙に簡潔に話してもらいたがる質で「何字以内」という言葉をよく使うよ。…字数制限のせいでかえって字数制限しない時より長くなることもたまにあるみたいだね。
シャイツァーは持ってないよ。たぶん兄や姉がシャイツァーで苦労したのを見ているからだと皆推測しているよ。
登場話は69, 74, 76, 78, 79話だよ。名前だけならもうちょっと増えるかな。82話で他のイベア王族同様、クリアナがシャイツァーの話をしているよ。
『騎士たち』
イベアで働く騎士たち。登場は70話くらいから。ラウル様の指揮の元、スポルトの地下で行われている闇市を潰したり、闇市に絡んでいる貴族を潰したり、『サンゴ』の群れからスポルトを守ったりしているよ。後で個別稿を作る『グラム・ヘルサの兵士』と同じく、イベア騎士団だよ。
『カネリア』
盗賊騒動はだいたいこいつのせいで…、夢を追って敗れたわたしに似た恋人『アネリ』を彼女亡き後も追い続け、遂に狂ってしまった人だよ。
狂った彼に言葉はほとんど通じない。なぜなら彼にとって重要なのは相手から発せられる言葉が「アネリに対する罵倒」か否かという2択だけだから。
そして「罵倒」でない言葉は全て「アネリに対する歓声」であると彼は解釈するよ。それは彼女が生前、最も輝いていた時に受けていた、そしてバレなければ受け続けられていたはずのモノであるがゆえに。
…狂ったように恋人と、恋人が受けたはずの栄誉を求める彼の願いに神は応えてしまった。彼もシャイツァーを持っていた。
シャイツァーはたぶん『部屋』。彼はシャイツァーの名前を言わなかったから、推測するしかないけれど。…まぁ、「推測だけどね」なんて言っちゃうとこの人とアネリの稿全部わたし達の推測だから、「それを言っちゃあ、おしまいだ!」というやつなんだけれど。
このシャイツァーの効果は「魂を現世に繋ぎ止める」。ただそれだけ。だけどこれが彼にとって「恋人の魂をこの世に繋ぎ止めておける」という事を実現させてくれるから最も大事なんだよ。
盗賊騒動はこいつが、アネリを復活させるために魔力を集めるために起こしたもの。彼自身が持つ魔法を使って盗賊未満悪党以上な人々を無理やり悪党に堕として、人を襲わせ、殺させ魔力を集める。時々、増やした盗賊自体も殺して魔力に。
増えた盗賊を見て、元からいた盗賊たちも好機だと思って活動開始したよ。そしてカネリアは、そこに彼の魔法の支配下にある奴を放り込んで、こいつらも利用したよ。
アジトで見た「杭」の魔法はシャイツァーを弄ったらしいけれど…、どう考えてもこの「杭」って、閉じ込めた魂をより一点に縛り付けるためのモノなんだよね…。
…ん。本編では「人質」を取ってわたしをアネリだと勘違いして二人をおびき寄せた結果、追い詰められるよ。結果、カネリアは『ベンジスクート』を作り上げたよ。
ベンジスクートはチヌカが戯れに作った魔物。『イサクコモン』という呪文さえ知っていて、かつ大量の瘴気と制御しきれる魔法の腕があれば、人間でも使えて、作れてしまう魔物。当然、禁術指定。よほど優秀な人じゃないと知らない。…この魔法を知っているということが彼の優秀さの証明でもあるよ。
ベンジスクートの姿は材料になったモノをぐちゃぐちゃに混ぜた異形で、死んだ生き物が核だから「浄化」がよく効くよ。
…ヤケクソ気味だったけど、ベンジスクートを作ったのは間違いなくアネリを復活させたかったから。わたし達を突破したかったとか、そういうのもあるだろうけど…、これは絶対に変わらないはずだよ。
ベンジスクートと融合してわたし達を襲ってきたけれど返り討ち。逃げて捕まって「イヤダ」と言いながら消えたよ。この「イヤダ」は単に「死にたくない」という意味もあるだろうけれど、このまま「アネリに会えないまま終わりたくない」そんな意味も多分に含まれているはず。
69話でフラグ立てにチラッと出たり、後始末で名前だけ出てたりしているけど、ガッツリ出てくるのは71, 72話だよ。
『アネリ』
黒髪で赤目のカネリアの彼女だった人。鎌を持っていない分、わたしよりはまだスタートはマシだけど…、辛い人生を過ごして死んだのは間違いないね。
髪と目の色を変えて舞台に出て歓声を受ける仕事をしていたけれど、隠していた髪、目の色が露呈。結果、彼女に浴びせられるのは「歓声」から、外見に由来する『エルモンツィ』絡みの「罵倒」に変化したよ。
その後、失意の中で自殺したのか、それとも立て直そうと頑張ったけど体がもたなかったのか、末路は分からないけれど、カネリアよりも先に死んだ。
そして彼女の魂はカネリアに物理的に捕らえられて、常にそばにいたよ。ベンジスクートになってからも、消える間際もね。
わたしもこの人がカネリアであろう男性を膝枕している光景は見たよ。…この時彼女は一体どう思っていたんだろうね?
…ん。カネリアの稿でも言ったけど、この人の稿はほぼわたし達の推測だよ。だって、カネリアが「アネリ」という名前しか言わなかったから…。
登場は72話だよ。…あれが本当にアネリだったかどうかはわからないけど、わたしはそう思うから72話って言い切ることにするね。名前だけなら71~74話で度々登場。
『イベアの粛清された貴族群』
オルベール男爵、ゴックス伯爵、ソッミ子爵、ニハヤゲ子爵、マキハヤート男爵、キマゾール伯爵等々の77話で名前の出た貴族たちの総称。主に闇奴隷を扱っていたことが原因で粛清されたよ。「闇奴隷に関係ないけど粛清しちゃえ、エイッ!」ってノリで粛清された貴族もいるかもしれない…というかいるはず。
だって、「この貴族群には公爵や侯爵はいなかったけれど伯爵がかなりいて処分に困っていた」的な事言ってたからね。…ま、自業自得だけどね。
…この粛清中に、大根役者以下の役者を揃えた茶番劇が実施されたところもあるけど…、大切なのは名目だからね。劇の上手下手は関係ない。
『グラム・ヘルサの兵士達』
メピセネ砂漠から来る魔物に対応するための兵士たち。自分達がメピセネ砂漠から来る魔物を防げなければスポルトが壊滅するという自覚があるから士気は高いよ。後、ノリもいいよ。
彼らの主な武器は、壁から攻撃をかける都合上、魔法、備え付けのバリスタおよび弓だよ。80~88話までところどころにいるよ。
『デグラ=ムーライル』
グラム・ヘルサの守備を任されている5番隊の隊長。身長2 mぐらい、体重100 kgぐらいのしっかりした体格を持つ男性。重さの大部分は脂肪ではなくて筋肉という人。
外見通りかなり豪快で、よく大声で「ハッハッハ」と笑う人。この人も80~88話のところどころにいるよ。
『メピセネ砂漠を越えてきた獣人』
戌群での騒動が原因で逃げてきた人々。だからいるのは「戌群」の人だけ。最初は行方不明になったレイコを探しに人間領域に行こうとしていたみたいだけど…、騒動のせいで非戦闘民も加わって避難民と化してしまったよ。
砂漠上で警戒する彼らをわたし達が迎撃、スポルトに連れ帰って色んな話を聞いたよ。
3章末時点では奴隷にされていた獣人ともどもディナン様が連れ帰る予定だったよ。4章末時点では無事に送り届けられた…はず。87、88話で出たよ。
『ハールライン』
3章では名前だけ。4章でがっつりでたからそっちでやるね。こいつのせいで急いで出発することになったよ。
人はこれくらいかな。後、触れておくべきことは…、うーん、特に…ない? かな? …ん。それじゃあこれくらいで。またね。
今回はこれで終わり。…お疲れ様。
…誤字修正したから予告消したよ。