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マイバイブルは『異世界召喚物語』  作者: ポモドーロ
第六章 エルーダ迷宮狂想曲
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エルーダ迷宮狂想曲18

 昼を小一時間ほど過ぎていた。

 トパーズを商業ギルドで換金した。二つで金貨一枚になった。もっとすると思ったのにがっかりである。

 そのお金で『脱出用ルーン』を五つ購入した。締めて銀貨五十枚。

 アイテムショップまで来たので、ついでにギルドの隅にある『認識計』に手をついて、自分のステータスを確認することにした。

『覚醒』後の自分が気になっていたのだ。


 いつ以来だろう。僕は息を飲んだ。

 そしていきなり飛び込んできたのは……

 レベル…… 見なかったことにしよう。魔力のおかげで下駄を履かせて貰っているとしても有り得ないから! 自分がドラゴンフェイククラスとは…… 一般人に一撃で殺されるレベル七十なんて普通いないから! どんだけ極振りなんだよ。

 もはや、指標として機能していないことは前回から分かっていたことじゃないか。無視だ、無視!

 肝心なのはスキルだ! スキルこそ戦闘の要だ。

 

 アクティブスキル…… 『兜割(五)』『鬼斬り(一)』『スラッシュ(三)』『連撃(五)』『ステップ(七)』『シールドバッシュ(三)』『シールドアタック(一)』『認識(四)』『一撃必殺』『火魔法(三)』『水魔法(四)』『風魔法(五)』『土魔法(七)』『氷魔法(十)』『雷魔法(三)』『光の魔法(一)』『無属性魔法(一)』『空間転移魔法(三)』『強化魔法(一)』『魔力探知(十)』

 パッシブスキル…… 『腕力上昇(四)』『体力強化(五)』『片手剣(五)』『両手剣(二)』『弓術(四)』『盾術(三)』『スタミナ回復(二)』『二刀流(一)』『隠密(二)』『アイテム効果上昇(四)』『採集(五)』『調合(七)』『毒学(四)』『呪い耐性(八)』『革細工(三)』『鍛冶(二)』『紋章学(五)』『覚醒(十)』

 ユニークスキル…… 『魔弾(五)』『楽園(二)』『完全なる断絶(八)』

 称号…… 『蟹を狩るもの』『探索者』『探求者の弟子』『壁を砕きし者』『ユニコーンの盟友』『覚醒者』


 相変わらずカオスだった。

 僕は前回のメモを取り出す。

 新規に増えたのは『鬼斬り(一)』、『シールドバッシュ(三)』、『シールドアタック(一)』、『雷魔法(三)』、『魔力探知(十)』、『呪い耐性(八)』、『覚醒(十)』だ。称号に『覚醒者』も増えている。

『鬼斬り』は今日飛び込みで入ってきたスキルだろう。ゴーレムを斬って、鬼斬りとはこれ如何に? 検証は食後にすることにする。

 それから、今更ながら『魔力探知』が入ってきた。最後に計ってから大分経つが、レベルがすでに十まで上がっている。上限いくつだ?

『呪い耐性』もいきなりレベル八だ。リッチに呪いを食らったせいだ。余程強い呪いだったのか、一気に上がった。

『覚醒』もいきなり十からスタートだ。始まりとしていい数字なのかどうか分からないが、ここから先がまだあると思うと正直げんなりする。そのうちドラゴンを超えそうだ。称号の方は別にどうでもいい。『覚醒』持ちが『覚醒者』だってことだけだ。

 既存のスキルで目立ったところは『氷魔法(十)』と『完全なる断絶(八)』だ。

 いきなり上がった気がする。

『完全なる断絶』は常時展開していたのと、火蟻軍団の猛襲のおかげだと思う。

『氷魔法』は分からない。一番使いやすくはあったが、使用頻度が急に多くなったということもない。単なる相性だろうか? 


 食堂で昼食をとると、武具の店に向かった。

 ここに来るのも久しぶりだ。

 僕はそこで、十把一絡げの剣を三本チョイスした。

 スケルトン先生の剣よりはどれもマシだったが、ゴーレム相手ではいつ折られてもおかしくない安物だった。締めて金貨十五枚。


 迷宮に戻ると、出口を目指しつつ、敵を探す。

 今度は羽の生えた獅子の格好をしたガーゴイルが柱の上で澄ましている。

 前回同様、羽を破壊してやった。

 高いところにいるんだから先にこっちを見つけないと。彫刻のフリをしてよそ見してるから

そうなる。

 次の部屋でゴーレムを見つけた。

 早速『鬼斬り』を試させて貰うことにする。

 僕は正面から斬りかかった。ゴーレムの一撃を結界で押さえ込んだ。

 よし! 

『ステップ』を踏む。

 懐に入った。

「『鬼斬り』ッ!」

 やはり、午前中のあれだった。あっさり最初の一本が砕けた。

 僕はゴーレムを結界で押さえ込む。

『完全なる断絶(八)』、どれほど無茶ができるか、ついでに実験だ。

『鬼斬り』

 予備の剣を見舞った。

 やはり硬かった。

「三発目ッ!」

 同じ箇所に叩き込む。

「四発目ッ!」

 距離を取る。深く息をして呼吸を整える。ゴーレムは恐れも疲れも知らない。

『ステップ』で懐に再び入る。

 五発目を入れる。

 六発目を入れたとき、岩の塊は砂になった。

 二戦目は五発で仕留めた。

 四戦目で四発になった。

 五戦目、調子に乗って『魔弾』一発で葬った。

 ストレス発散後、六戦目で手の痛みがなくなった。

 七戦目、三発で仕留めた。

 八戦目、二匹目に奇襲され二体同時戦闘。一匹を凍らせてやった。

 途中で二本目の剣が折れた。

 三本目の剣で二匹とも葬った。妙に神経が研ぎ澄まされて、九体目、一撃でゴーレムの腕を切り落とした。でも砂に変えるまでやはり三発かかった。

 十体目、二発で葬った。タイミングが変わってきた。剣速が変わったせいだ。

 握力がなくなってきた。万能薬を飲んで疲労回復、今度こそは一撃で。

 剣が保たなかった。

 フィナーレは華々しく、氷槍をありったけ叩き込んでやった。

 結局、三本の剣はすべてお釈迦になった。倒したゴーレムは十体だけで、マップの中央程までしか進めなかった。

 最終的には『鬼斬り』二発でゴーレム一体を倒せるようになったが、剣に負担をかけずに止めを刺す技量は身に付かなかった。

 こんなことで身に付くようなら、爺さんは首を吊るだろう。


 帰りに先日の報酬を貰いに修道院に寄った。

 既に改装工事が始まっていて、修道院の横の敷地に物品倉庫の建設が始まっていた。

 倉庫と修道院に挟まれた孤児院も既に改築と増築が行なわれていた。修道院本体は来年の雪解けを待って始められるそうで、もうしばらくの辛抱のようだ。

 僕が門を叩くと、シスターが出迎えた。

 子供たちは食事中で、楽しそうな声が聞こえる。

「おかげさまで、子供たちに不自由させずに済んでおります」

 僕たち以外の顧客も増えてきているらしかった。

 修道院ということもあってギルドも人を選んで紹介してくれているようだ。物品倉庫ができれば、専任スタッフを雇って客を選ばず営業するらしいが、今はまだ、修道院の敷地内であるから、女性や、素性の確かな者との取引のみ行なっているらしい。

「金貨二百三十七枚になります」

「そんなに?」

「はい。大きな宝石がいくつもありましたから」

 細かい明細を渡された。すべて手書きである。少しずつ商慣習が身に付いてきているようだ。

 世俗を離れて静かに神と暮らしたいだろうに、申し訳ないことだ。

 僕は報酬の一割をその場でお布施して、帰路に就いた。



 帰宅して、地下十六階の様子を食事の席で語って聞かせた。するとアイシャさんを始め、ロザリアもリオナも十六階をパスすると言いだした。

 もちろんロメオ君次第だが、そのときには二十階まで既に到達しているアイシャさんが僕たちを次のフロアーまで運ぶことになる。


 上昇したスキル……

『兜割(四)』→『兜割(五)』、『連撃(四)』→『連撃(五)』、『ステップ(三)』→『ステップ(七)』、『火魔法(一)』→『火魔法(三)』、『水魔法(二)』→『水魔法(四)』、『風魔法(四)』→『風魔法(五)』、『土魔法(六)』→『土魔法(七)』、『氷魔法(三)』→『氷魔法(十)』、『空間転移魔法(二)』→『空間転移魔法(三)』

『腕力上昇(三)』→『腕力上昇(四)』、『片手剣(四)』→『片手剣(五)』、『盾術(一)』→『盾術(三)』、『アイテム効果上昇(二)』→『アイテム効果上昇(四)』

『魔弾(四)』→『魔弾(五)』、『完全なる断絶(一)』→『完全なる断絶(八)』


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