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マイバイブルは『異世界召喚物語』  作者: ポモドーロ
第一章 マイバイブルは『異世界召喚物語』
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エルーダの迷宮15

 予想に反して、数日で終わると踏んでいた探索は次の週末になっても終わらなかった。

 どんなに探しても地下への階段が見つからなかったのだ。マップは既に完成しているにもかかわらず見つからないとなると、さすがに焦りが湧いてくる。

 同じ通路をすでに三周はしている。その都度見落としはないか確認しながら進んでいるにもかかわらず、一向に発見できなかった。

 寝台に寝転がって地図とにらめっこしては翌日確認作業をする。ひたすらその繰り返しだった。そして打開策もないまま、ついにどうすればいいのかわからなくなってしまったのだ。

 通路には他の魔物も徘徊していたが、地下蟹やウツボカズランほど面倒な敵はいなかった。マッピングに支障があったとは思えない。隠し通路か、隠し部屋か…… 一階には罠の類いはないと言われていたが…… まだ何か見落としている。地図と実際の迷宮の様を重ねながら、見落としている何かを探す。迷宮は四角四面の人工物ではない。ウツボカズランの巣のように天然の洞窟部分もある。道は直角に曲がっているわけではなく、鋭角であったり、鈍角だったりする。ウツボカズランの巣までの道のりは荷車を引いていないと気付かぬ程度の高低差もある。地下蟹のエリアから離れるほど深くなって行くのだ。となれば一番深い位置は…… ウツボカズランの巣。反対側の西のエリアは人工物で床は出入口からフラットだ。似たような小部屋で構成され、錯覚を誘っているような構造でいかにも何かありそうに思える。魔物らしい魔物もあまりいない。たまに闇のなかにコウモリやウツボカズランがいるくらいだ。どこに地下への入口があるんだろう。

「ああ?」

 とんでもないミスに気付いた。

「ウツボカズランの巣が、思った以上に低い位置にあったとしたら、探している階段が下ではなく上に伸びているとしたら」

 光の届かぬ見過ごした場所に横穴やら上への通路があるかもしれない。僕は考えた結果、可能性がある場所として休憩所のあるドーム広場に当たりを付けた。なぜあんな場所に休憩所があったのか、ウツボカズランの巣にアタックするための準備スペース? それにしては巣から距離がある。僕ならあんなジメジメした場所ではなく、温かい巣に近い場所に作るだろう。

 あそこは地下に降りるために用意された準備スペースだったのではないか?

 明日が待ち遠しい。今度こそ見つけられそうな気がした。


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