第14話 俺の名前は、センゴク。 地球は狙われている……!
また予告無くおそくなってごめんなさい。いきなりPCフリーズしおった……
「あのねえ、地球が君達から見たら未開発の惑星だってわかってるんだから、いきなり侵略しようとするのはダーメ」
「……はい、どうもスミマセン」
アメリカ生活も残すところ僅かという頃。
センゴクは、いわゆるリトルでグレイな宇宙人を3人ほど正座させて説教していた。
今、センゴクがいるのは、恒星間航行が可能なコロニー型の超巨大な宇宙船の艦橋である。
その宇宙船は7万隻からなる艦隊の旗艦で、艦隊ごと太陽系の外れに停泊中だった。無論、センゴクの仕業である。
彼らを便宜上エトランゼと呼ぶ。エトランゼは、元々地球の各国家に対して空間転移による電撃戦を展開しようとしていた。
それを察知したセンゴクがエトランゼを宇宙船ごと太陽系の外れに転移させ、なおかつ魔法で宇宙船の制御系を奪って無力化したのである。
エトランゼ自身も数々の超能力が使えるのだが、そんなものはセンゴクの魔法の前では児戯に等しかった。
ちなみにセンゴクの2次元嫁のアイリスはエトアンゼの技術を取り入れて更なる進化を果たすのだが、それはまた別の話である。
「だからね、植民地化するのが、悪いとは言わないよ? うちの星でもそういう歴史あったし。でもねえ、見下す割りにやることが侵略ってそれどうなのって思うわけ。知性と理性がある者なら、まずは会話による交渉が基本でしょう? あ、もしかして人類が下等生物だからって家畜同然に管理しようとか思っちゃった? いけないなあ、そういうの。対話できるだけの知性がある相手に、そういうことしちゃうと、一体どっちが野蛮ってことになるでしょ? 問答無用、やったもん勝ちって言葉があるけど、とりあえず手を出すお前らがどうのって話になるでしょ……」
くどくどくどくど、センゴクの話が続く。
エトランゼたちは正座に耐性が無いので、早くも足が辛そうであった。
「あの、お話はわかりました。もう地球に手出しはしないので、勘弁してください」
「えー、とか何とか言っちゃって、俺が制御系を解放したら、旗艦ごと俺を撃つつもりでしょう?」
ピクリとエトランゼの肩がかすかに震えた。
「決して、そんなことは。というか、貴方のような超越者がいるなら、最初から手なんて出す気は無かったです、はい」
「ほんとにー? じゃあ、制御系を返してみようか。3,2,1、はい」
センゴクが指を鳴らすと、艦隊の制御が、エトランゼたちの手に戻った。
「今だ、我らに構わずこの艦ごと、こいつを撃てええええ」
「はい、そんなこったろうと思いました」
センゴクが指を鳴らすと、艦隊の制御が再びセンゴクの手に落ちた。しかし。
「馬鹿め。既に対惑星波動砲は発射された! 宇宙の塵と化すがいい、われらとともに!!」
「自らの身も省みない、その意気や良し」
だが、ここにいるのは、魔法使いなのだ。
「そ、総統! は、波動砲が消失しました!!」
「な、なにい!? 何を馬鹿なことを!!」
「じゃーん、これなんだ」
センゴクの手の上に、小さな光の球が浮いていた。
「そ、それが、何だというのだ!?」
「さっき撃たれた波動砲を圧縮したものです」
「!?!?!?!?!?」
エトランゼは戦慄した。目の前にいるこの男は、物理法則も何もかも超越した文字通りの超越者なのだと。
センゴクがにっこりとエトランゼに微笑みかけた。
「どうする、まだ反抗する気概、ある?」
エトランゼの心が、ぽっきりと折れた。
こうして地球の平和は守られた。
しかし、センゴクはある提案をしていた。
「坂もっちゃん、背中、はみ出てるはみ出てる」
「あ、これは失礼」
リトルでグレイなエトランゼ数十人が地球人の精巧な生体着ぐるみを着て、調査員という形で地球に暮らし始めたのである。センゴクの提案で、地球のことを知ってもらって、気が変わったらとの判断である。
ひとまず日本に住み始めた彼らは、やがて日本発のサブカルチャーにドハマリして、それを艦隊に広める仕事を始めた。
100年ほど経過してすっかり地球文化に染まったエトランゼは、やがて正式な形で地球側へとコンタクトを取り、友好的な交流を始めることとなる。
尚、エトランゼの調査員の一人、地球名・坂本信一こと、坂もっちゃんは、センゴクの圧倒的強さに憧れてセンゴクのお隣さんとして暮らし始め、最終的には、エトランゼの代表となるのだが、それはまた別の話。
坂本「魔法少女まじパネエっす」
センゴク「戦う巫女さんなんてのもあるよ」
坂本「地球文化すげえ」