食堂はセルフです
食堂。
「今日は何食べようかな~」
お皿を持ってそれぞれ好きな料理があるところに急ぐ。
「・・・・・・・セルフだったんだな」
「なんだ?知らなかったのか?」
「ああ」
「ま、好きなものをサッサととって食べないと無くなるぞ」
「え゛!?」
カナタは急いでお皿に食べ物を乗っけていく。
「・・・・・結構いろいろあるな」
食べ物をこんもりとのせたお皿を持ち、座る場所を探す。
「カナター!こっちこっち!!」
レナの声がするほうを見ると、いすに座ったレナ、リル、それにガネルもいた。
カナタはそこに行く。
「・・・・・なに、その量」
「大盛りです・・・・・・」
リルとレナがカナタのお皿にのっている食べ物の量を見て唖然とする。
「大食いか?」
ガネルは苦笑いをしている。
それもそのはず。カナタの皿の上にのっている量は軽く3人前をこすかもしれないのだ。
「こんぐらい普通に食べれるだろ」
が、3人の反応を見たカナタは不思議そうにしている。
逆にお前ら少ないな、と言っていた。
「ま、いいわ。早く食べましょ」
「では・・・・・・」
「「「いただきます」」」
「ごちそうさま」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?」」」
1人だけ違っていた。
3人は、1人だけ違うことを言った人物のほうを向く。そこには・・・・・・、
「あー、うまかった」
満足したようにおなかをなでているカナタがいた。
「なぁ、カナタ。お前の皿に乗ってた食いもんは・・・・・・?」
ガネルが恐る恐る聞いてみる。
「ん?食った」
「「「(大食いアンド早食い・・・・・)」」」
さらっと言うカナタを見た3人の考えは見事一致した。
「じゃ、俺先に帰っとくわ」
右手をあげてカナタは帰っていった。
残された3人は一生懸命、できるだけ早く食べたそうだ。
「うまかったな~、あの食堂の飯」
カナタは自室のベッドに寝転がっていた。
コンコンコン、とドアをたたく音が聞こえる。
「開いてま~す」
がちゃり。
「「「おじゃましま~す」」」
元気の良い声と共にリル、レナ、ガネルが入ってきた。
「おう、遅かったな」
ベッドから起き上がり、少し手を挙げてニッと笑う。
「いや、いつもよりも早いんだぜ?」
「そうですよ。結構急いだんですから」
「文句言わないでよ」
レナに少し睨まれる。
「それより、何で俺の部屋の場所がわかったんだ?」
「ん?管理人さんに教えてもらった」
「そしたら、あたしたちの部屋に近いんだもん。びっくりしたわ」
「そういや、お前らの部屋ってどこ?」
「俺の部屋はカナタの右隣~。よく考えたらお前の部屋すぐにわかることだった」
お隣さんだし、とカラカラ笑うガネルは、どこまでバカなんだろう。
「私はこの下の階でカナタ君と同じ場所です」
「あたしはリルの左隣よ」
「確かに近いな」
腕を組んでうんうんとうなずく。
「たぶん学園長が仕組んだんだろうけどな」
はははっと冗談で言ってみたガネルだったが、案外当っていたり・・・・・・。
「で、何でここに来たんだ?」
「なんでって・・・・・・・なんでだっけ?」
「ボケはいりませんよ、ガネル君」
「あ、そう・・・・・」
少しいじけてしまったガネル。
「それで、何で来たかって言うとね、明日の授業について」
「明日はたしか使い魔召喚だったな」
「そうです。また何人かに分かれてするみたいなので一緒にしませんか?」
「いいけど・・・・・」
「やった~~~~~!!」
「よかったです」
「一緒にすっげーの召喚しような!」
「・・・・・・・ああ」
レナとガネルのテンションに少し引きつつ返事を返す。
そんな約束をすると3人は自分の部屋に帰っていった。
「明日は使い魔召喚か~。・・・・・・魔族ってことがばれませんように」
魔族よりも魔王ってことがばれないように祈ったほうが・・・・。
「さ、寝よ寝よ」
布団に潜り、眠りについた。