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魔王  作者: 秋雨
22/38

終わりは呆気なく

少しバテ気味な秋雨です


更新遅れ気味ですね、はい

被害は、観客席の方にも出ていた。

「なんだ、この魔力!」

「何が起こってるんですか!?」

観客席の方は障壁が張ってあったため、グラウンドよりもひどくはないが、その障壁が魔力に耐えきれずに壊れかかっている。

「(まずいな・・・・)」

「アハハッ、あははははははっっっっ!!」

グラウンドでは、相変わらずナノが高笑いをしている。

ナノの前には冷や汗を垂らしているレナがいた。

このまま放置していたらレナがどうなるかわからない。

「(こんぐらいの魔力が溢れてんだから、指輪一個外してもバレねぇよな)」

カナタは指輪を1つ外した。

「よし、ギオウ行くぞ」

『ああ』

カナタはギオウと一緒にグラウンドに駆けて行った。


「あははっ、血だぁ。もっと見たいなぁ・・・・・」

ナノが剣を出してレナに斬りかかった。

「(やばい!)」

レナは反射的に目をつぶった。

がきぃぃぃぃぃぃぃん・・・・・・

と金属がぶつかる音が響く。

レナは防御なんてしていなかったので、金属音が響くわけはなく。

恐る恐る目を開いた。

「あっぶねぇ・・・・・」

目の前では、カナタがナノの剣を【漆黒】で作った剣で受け止めていた。

「カナタ!」

「ナミ!レナを観客席に連れていけ!」

前を見たまま、少し離れたところにいたナミに叫んだ。

『カナタは!?』

「俺はいいから、早く行け!」

『・・・・・・わかった!』

少し迷ったが、ナミはレナを比較的安全な観客席の方に連れて行った。

「あれぇ?アナタが相手ぇ?」

ナノは首を傾げてカナタを見る。

「かもなっ!」

勢いをつけてナノを剣ごとはじき飛ばす。

「いったぁい。なにするのよぉ」

文句を言っているが、顔は笑っている。

「剣がないよぉ。・・・・・・じゃあ、これで戦うしか無いよねぇ」

ニイッと笑ったナノの右腕が変形し、刀になった。

「お前、魔族か!」

「物知りだねぇ。でも、知らなくても良かったのにぃ。だってぇ、これから死んじゃうんだからぁ」

刀を構えて不気味に笑う。

「ねぇ、アナタの血、見せてぇ」

そして、カナタに飛びかかる。

「嫌なこった、この変態野郎っ!」

ナノの刀を受け流して反撃をする。

「当たらないよぉ、そんな攻撃じゃあ」

「それはどうかなっ!」

剣を振り上げる。

「っ!」

カナタの剣はナノの左肩を切り裂いた。

「痛ぁい。も~、服がだいなしぃ」

「(やりずらい)」

ナノの相手をしていると気が抜けてくるカナタだった。

「痛いの嫌だしぃ、そろそろ終わらせちゃうよぉ」

急にナノのスピードが上がった。

「うおっ!」

ナノの攻撃をなんとか避けたカナタだが、次は避けれるかどうか・・・・。

「なあ、ギオウ。もう1つ外したらバレるかな」

『さあな。しかし、この魔力の量だ、すごく敏感な奴か強い奴じゃないとわからないだろ』

「ん~、ならいっか」

「なんの話ぃ?」

「お前を倒す話」

もう1つ指輪を外す。

ブワッと魔力が溢れる。

「なあに、この魔力ぅ」

さすがのナノも驚いた。

「さあて、こっちも頑張ろうかな」

「ふうん。ま、いいやぁ。コッチのほうが楽しそうだしぃ」

カナタとナノ、両方が戦闘態勢をとったまま動かない。

緊迫した状況が続く。

ピリピリした雰囲気の中、ピョロピョロリ~ン、とマヌケな音が響いた。

「あれぇ?ちょっとゴメンねぇ」

ナノがポッケの中をあさり、出てきた物は携帯だった。

「もしもしぃ。え?なあに?え~・・・・。しょうがないなぁ。わかったぁ、じゃあねぇ」

プチっと電話を切りカナタの方を向く。

「ゴメンねぇ。帰ってこいって言われちゃったぁ」

そう言うナノに、さっきまでの雰囲気はどこにも感じられなかった。

「・・・・・・は?」

「というわけでぇ、バイバ~イ」

カナタが止める間もなく、ナノはどこかに消えてしまった。

「・・・・・・いったい、なんだったんだ?」

『さあ』


そのあと、当然と言えば当然だが、武闘祭は中止となり、全員寮に帰るようにと指示が出た。

で、ここはカナタの部屋。

「結局、あいつはなんだったんだ?」

『わからん』

カナタとギオウがナノのことについて話していた。

「にしても、強かったな」

『ああ。カナタが指輪を2つ外したからな』

「だよな」

しかし、いくら話してもわからないわけで。

「まあ、後でわかるでしょ」

『そうだな』

早々と考える事を諦めた。


「!・・・・・これは、あいつの魔力だ。ついに見つけたぞ」

森でさ迷っていた人物は、学園の闘技場に向かって行った。

  

「ねえ、なんで呼び戻したのぉ?」

どこかの部屋でナノが目の前の男に抗議していた。

「うるさい。本来の目的を忘れていたお前を、この俺がわざわざ呼び戻してやったんだぞ。感謝ぐらいしろ」

「いや~。せっかくいいところだったのにぃ」

「ったく、オマエってヤツは」

プリプリ怒っているナノに少々呆れ気味の男。

「さて、楽しみにしてろよ?魔王サマ」

口端をあげて男は不気味に笑った。


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