終わりは呆気なく
少しバテ気味な秋雨です
更新遅れ気味ですね、はい
被害は、観客席の方にも出ていた。
「なんだ、この魔力!」
「何が起こってるんですか!?」
観客席の方は障壁が張ってあったため、グラウンドよりもひどくはないが、その障壁が魔力に耐えきれずに壊れかかっている。
「(まずいな・・・・)」
「アハハッ、あははははははっっっっ!!」
グラウンドでは、相変わらずナノが高笑いをしている。
ナノの前には冷や汗を垂らしているレナがいた。
このまま放置していたらレナがどうなるかわからない。
「(こんぐらいの魔力が溢れてんだから、指輪一個外してもバレねぇよな)」
カナタは指輪を1つ外した。
「よし、ギオウ行くぞ」
『ああ』
カナタはギオウと一緒にグラウンドに駆けて行った。
「あははっ、血だぁ。もっと見たいなぁ・・・・・」
ナノが剣を出してレナに斬りかかった。
「(やばい!)」
レナは反射的に目をつぶった。
がきぃぃぃぃぃぃぃん・・・・・・
と金属がぶつかる音が響く。
レナは防御なんてしていなかったので、金属音が響くわけはなく。
恐る恐る目を開いた。
「あっぶねぇ・・・・・」
目の前では、カナタがナノの剣を【漆黒】で作った剣で受け止めていた。
「カナタ!」
「ナミ!レナを観客席に連れていけ!」
前を見たまま、少し離れたところにいたナミに叫んだ。
『カナタは!?』
「俺はいいから、早く行け!」
『・・・・・・わかった!』
少し迷ったが、ナミはレナを比較的安全な観客席の方に連れて行った。
「あれぇ?アナタが相手ぇ?」
ナノは首を傾げてカナタを見る。
「かもなっ!」
勢いをつけてナノを剣ごとはじき飛ばす。
「いったぁい。なにするのよぉ」
文句を言っているが、顔は笑っている。
「剣がないよぉ。・・・・・・じゃあ、これで戦うしか無いよねぇ」
ニイッと笑ったナノの右腕が変形し、刀になった。
「お前、魔族か!」
「物知りだねぇ。でも、知らなくても良かったのにぃ。だってぇ、これから死んじゃうんだからぁ」
刀を構えて不気味に笑う。
「ねぇ、アナタの血、見せてぇ」
そして、カナタに飛びかかる。
「嫌なこった、この変態野郎っ!」
ナノの刀を受け流して反撃をする。
「当たらないよぉ、そんな攻撃じゃあ」
「それはどうかなっ!」
剣を振り上げる。
「っ!」
カナタの剣はナノの左肩を切り裂いた。
「痛ぁい。も~、服がだいなしぃ」
「(やりずらい)」
ナノの相手をしていると気が抜けてくるカナタだった。
「痛いの嫌だしぃ、そろそろ終わらせちゃうよぉ」
急にナノのスピードが上がった。
「うおっ!」
ナノの攻撃をなんとか避けたカナタだが、次は避けれるかどうか・・・・。
「なあ、ギオウ。もう1つ外したらバレるかな」
『さあな。しかし、この魔力の量だ、すごく敏感な奴か強い奴じゃないとわからないだろ』
「ん~、ならいっか」
「なんの話ぃ?」
「お前を倒す話」
もう1つ指輪を外す。
ブワッと魔力が溢れる。
「なあに、この魔力ぅ」
さすがのナノも驚いた。
「さあて、こっちも頑張ろうかな」
「ふうん。ま、いいやぁ。コッチのほうが楽しそうだしぃ」
カナタとナノ、両方が戦闘態勢をとったまま動かない。
緊迫した状況が続く。
ピリピリした雰囲気の中、ピョロピョロリ~ン、とマヌケな音が響いた。
「あれぇ?ちょっとゴメンねぇ」
ナノがポッケの中をあさり、出てきた物は携帯だった。
「もしもしぃ。え?なあに?え~・・・・。しょうがないなぁ。わかったぁ、じゃあねぇ」
プチっと電話を切りカナタの方を向く。
「ゴメンねぇ。帰ってこいって言われちゃったぁ」
そう言うナノに、さっきまでの雰囲気はどこにも感じられなかった。
「・・・・・・は?」
「というわけでぇ、バイバ~イ」
カナタが止める間もなく、ナノはどこかに消えてしまった。
「・・・・・・いったい、なんだったんだ?」
『さあ』
そのあと、当然と言えば当然だが、武闘祭は中止となり、全員寮に帰るようにと指示が出た。
で、ここはカナタの部屋。
「結局、あいつはなんだったんだ?」
『わからん』
カナタとギオウがナノのことについて話していた。
「にしても、強かったな」
『ああ。カナタが指輪を2つ外したからな』
「だよな」
しかし、いくら話してもわからないわけで。
「まあ、後でわかるでしょ」
『そうだな』
早々と考える事を諦めた。
「!・・・・・これは、あいつの魔力だ。ついに見つけたぞ」
森でさ迷っていた人物は、学園の闘技場に向かって行った。
「ねえ、なんで呼び戻したのぉ?」
どこかの部屋でナノが目の前の男に抗議していた。
「うるさい。本来の目的を忘れていたお前を、この俺がわざわざ呼び戻してやったんだぞ。感謝ぐらいしろ」
「いや~。せっかくいいところだったのにぃ」
「ったく、オマエってヤツは」
プリプリ怒っているナノに少々呆れ気味の男。
「さて、楽しみにしてろよ?魔王サマ」
口端をあげて男は不気味に笑った。




