早々としましょう
ずいぶん遅れてしまいました、すみません
〔お次はラク・シヨウと〕
〔カナタ・ヴォルテスの試合です〕
〔カナタ選手は予選の際、すごい魔法を見せてくれましたっ!〕
その放送とともに歓声が上がる。
「(そんなにすごいことしたか?)」
昨日のことなのに、カナタは自分が何の魔法を使ったのか覚えていなかった。
ギオウが使ったということにしているので支障はないが。
〔では、はじめ!〕
「ギオウ、行ってこい」
『なぜ我が』
「お前だけ全然戦ってないからな。実力を見せつける、って感じだ」
『はあ、仕方ないな』
音を立てずに地面に降り立ったギオウはトテトテとラクに近づいていく。
「なに?使い魔なんかよこして。怖気付いたの?」
ラクはギオウが来たのを何と勘違いしたのか、カナタを馬鹿にし始めた。
『おい、貴様』
「ん?どうしたの?」
小さいギオウに油断し、ラクはギオウを抱き上げた。
『消えろ』
ギオウが言い捨てた途端にでっかい津波がおこる。
「は?」
ラクは呆然としたまま津波に飲み込まれ、壁にぶつかった。
ベチャッと地面に落ちたラクはそのまま動かない。
〔勝者カナタ・ヴォルテス!〕
〔この場合、勝者は彼の使い魔でしょ〕
何とも適切なツッコミ。
〔いいの、気にしないで。さて、次の選手は――――〕
またまた時は過ぎていく。
〔さて、いよいよ準決勝を賭けての勝負です!〕
〔初めの試合はナノ・マシリンとレナ・カルラです〕
「あたしの番ね」
「いってらっしゃい」
「勝ってこいよ!」
「がんばれ~」
3人の声に背中を押され、レナはグラウンドに立った。
〔さて、結果はどうなるのでしょうか。試合開始!〕
「あ~、なんかだるいわね」
『そう言わずに、チャッチャと終わらしちゃいなよ』
「それもそうね」
レナはナミと話をしながらナノを見る。
「(なんか、人形みたいで気持ち悪いわね)」
ナノは全くといっていいほど表情がなかった。
「早くかかってきなさいよ。あたし、早く終わらせたいの」
軽く挑発してみるが、無表情。
「・・・・・こっちから行くわよ?」
やっぱり無表情。
「・・・・ムカツクわね」
レナは【コハク】を出し、ナノに向かって突く。
が、ナノは避けなかった。
「なっ・・・・・・!」
全く動こうとしないナノにびっくりしたレナは、軌道をずらした。
その甲斐あってか、【コハク】はナノの頬をかすめただけだった。
ナノの頬から血が垂れる。
「ちょっと、やる気あるの!?」
ナノにつっかかろうとするレナをナミが押さえる。
そこで、ようやくナノが動いた。
ナノは、手を頬に持っていって、傷口を触る。
「・・・・・・血だ・・・」
「・・・・・何?」
虚ろだったナノの目が見開かれる。
様子がおかしいナノを心配し始めたレナ。
「血、血、血、血、血だああああぁぁぁっっ!!」
ナノの体から膨大な魔力が溢れ出す。
「きゃっ!何よ、この量!!」
魔力にあてられ、レナはその場に膝をついた。
『レナ!?』
ナミは急いで壁を作り、魔力を緩和していく。
「ありがと、ナミ」
「あははははははっっっっ!!!!」
ナノは、狂ったように高笑いをしていた。




