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魔王  作者: 秋雨
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ちょっと休憩

外はいろんな屋台が所狭しと並んでいた。

何で屋台がって?それは、武闘祭が学園の祭でもあり、地域の祭でもあるから。

「なあ、何でさっきあの2人を呼んだんだ?絶対に聞いてないのに」

カナタは良い店を探しながらさっきから不思議に思っていたことを聞く。

「それはですね、口実を作る為です」

迷子になりそうなエルを捕まえながら答える。

「口実?」

「はい。後で『何で置いていったの!?』とか言われたら、『ちゃんと呼びましたよ』と言えるようにしただけです。聞いてないのは百も承知でしたし」

2人の性格を理解しているリルには、先読みするのは簡単だった。

『流石です!』

リルをほめながらふらふらと気になった屋台のほうに足を運ぶエル。

それをリルが止める。さっきからそれが繰り返されている。

「ははは・・・・・。なぁ、ギオウ。お前、そこにいて楽しいか?」

カナタの頭の上からずっと動いていないギオウに話しかける。

『楽しくはない。楽はしているが』

「あ、そう」

俺は移動に便利な動くものかよ、とかぶちぶち言っていたカナタだが、良い店を見つけたらしい。顔を輝かせてリルのほうを見る。

「リル、あそこ行かないか?」

「どこですか?」

「あれあれ」

カナタが指差すほうを見ると、そこには『クローバー』と書かれた看板がかかっているレストランがあった。なぜレストランが・・・・・・と思っている方、気にしないでください。

「いいですよ。そこにしましょう」

リルがエルを引きずりながら歩き出す。

「よっしゃ。あの店、結構気に入ってんだよな~」

カナタもその後に続き、4人は店に入った。

「結構いいお店ですね」

「だろ?」

リルはお店をほめたのに、カナタは自分がほめられたようにうれしそうだ。

3人は空いている席に座る(ギオウはカナタの頭の上)。

「いらっしゃいませ~・・・・・・・って、カナタじゃない」

見覚えのある声と共にやってきたのは・・・・・・・・。

「ルイ!?なんでここに?」

ギルド『遥かな空』のギルドマスター、ルイ・クルースだった。

「バイトよ、バイト」

「バイトって・・・・・(ギルドマスターって儲からないのか?)」

パチン、とウインクしているルイを呆れたまなざしで見る。

「カナタ君、この人、誰ですか?」

「あ~、こいつは・・・・・・」

「ルイよ。よろしくね」

カナタが紹介しようとするとルイが自分で紹介した。

「リル・ネイルです。よろしくお願いします」

リルがぺこりとお辞儀をする。

「あら、お利口ね~。うちのカナタもこうだといいのに・・・・」

ルイがカナタのほうを見てため息をつく。

このときのルイは近所のおばさんか、やたらと子供を比べたがる母親にしか見えなかった。

「へいへい、すいませんね」

カナタはふてながらメニューを見る。頭の上のギオウも一緒に見ている。

「ねえ、カナタ。そのウォーターウルフ、どうしたの?」

「こいつ?俺の使い魔のギオウ」

ルイはギオウをじぃっと見つめている。

その視線に耐えられなかったのか、ギオウがカナタの腕の中に飛び込んできた。

「ルイ、注文していいか?」

「どうぞ」

「俺はビーフシチューとステーキ2人前」

『ピザ』

「では、サンドイッチをください」

『ドリアでお願いします』

それぞれ自分の食べたいものを注文していく。

「少々お待ちください」

注文を受けたルイは店の奥へ行った。

――――数分後。

「お待たせしました~。ご注文の品でございま~す」

両手にお皿を4枚乗っけたルイがふらふらしながら戻ってきた。

「危なっかしいな・・・・・・」

「ですね」

『大丈夫でしょうか・・・・』

『見てられん』

待っている4人ともはらはらしながら持ってきているルイを見ている。

「はい、どうぞ」

ルイは無事にテーブルに到着した。

「では、ごゆっくりどうぞ」

そう言うとルイは厨房の奥に引っ込んだ。

「では、食べましょうか」

リルはカナタのほうを向く。

「ん?なに?」

カナタがスプーンを持って構えていた。

「カナタ君、ゆっくり、ゆっくり、食べてくださいね」

「?ああ、わかった」

なぜそう言われるのかわからないカナタは一応頷いた。

『早く食べませんか?』

『もう我慢できんぞ』

使い魔2匹がうるさくなってきた。

「それでは、いただきます」

「「「いただきます!」」」

今回の食事はカナタもゆっくり食べ(それでも少し早かったが)、楽しい時間を過ごした。


「又のご利用お待ちしております」

食べ終わったカナタたちはルイに見送られながら店を出た。

「ふ~、食った食った」

午後の部が始まるまで後45分ぐらいあったから、その辺をうろつき始めた。

『リル様、あそこ行きたいです!』

『カナタ、あれは何だ?』

『リル様、あそこに行きましょう!』

『カナタ、あそこに行くぞ』

使い魔2匹は見るもの全てに興味を示し、連れ回るのに一苦労。

そんなこともあり、闘技場に戻ったころにはカナタとリルは疲れ、反対にギオウとエルは上機嫌になっていた。

疲れきった2人は早く席に着こう、そして休もうと必死だった。

ところが、そんな2人に追いうちを掛けたのが・・・・・・。

「カナタ!なんで置いていくんだよ!!」

「リル!一言言ってよ!!」

置いていかれたガネルとレナだった。

「おかげでこいつと飯食わなきゃいけなかったんだぜ!?」

「なによ!こっちだって嫌だったわよ!!」

またまた2人は喧嘩を始めた。

その2人の行為に無性に腹が立ったカナタとリルは、

「うっせえっ!!!!」

「いい加減、静かにしてくださいっ!!」

怒鳴った。それはもう、思いっきり。

その声に驚いた2人は喧嘩をやめてカナタとリルを交互に見る。

「さっきから聞いてりゃ、何なんだよ!勝手に人のせいにして!!」

「私はきちんと呼びました!レナちゃんが聞いていなかったんでしょう!?」

カナタはガネルに、リルはレナに説教を始めた。

使い魔たちは巻き込まれないように少し離れた。

その説教は午後の部が始まるまで続いた。


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