暗闇の中で
――――――時は過ぎて2グループの終わりごろ。
「じゃ、俺そろそろ行くわ」
「おう」
「がんばってください」
「負けたら許さないからね」
「わぁってる」
ガネルは席を離れ、グラウンドの隅にいった。
〔次は3グループの予選です!〕
〔3グループの選手は集まってください〕
放送が入ると生徒が集まってくる。
〔いいですか?《強制転移》!〕
「さ~て、どんな場所かな・・・・・・って暗っ!」
ガネルがいる場所は、とてつもなく暗く、周りがぜんぜん見えない。
〔ここがどこだかわからない方のために説明します〕
〔ここは洞窟の中だよ!な~んにも見えないと思うけど、それは自力でがんばって〕
〔それでは、開始!〕
予選開始の合図が響く。
「この暗闇、どうしよっかな・・・・・・」
しばらくうなって考える。
「そうだ!―火よ。我が手に集い玉と成せ―《火の玉》」
ガネルの手にソフトボールぐらいの火の下級魔法、《火の玉》が現れる。
それがあたりを照らしてくれ、足元や周りの様子がわかった。
「いや~、こうすれば早かったのに、何で気付かなかったんだろうな」
『バカだからでしょ』
いつ来たのか、ガネルの頭にはバースが乗っかっていた。
「なんだと!?」
『文句ある?バカにバカって言っただけ』
バースが来て早々と口喧嘩が勃発した。
「バカバカ連呼するな!」
『ガネルだって言ってるじゃん』
「うるさい!」
周りは静かなのに、ここだけはにぎやかだった。
そのうるさい声が届いたのか、1人の男子生徒が来た。
「おい!そこのお前ら!!俺と勝負しろ!!」
「うるさい!!」
苛立っていたガネルは、持っていた《火の玉》を男子生徒に投げつけた。
「うわっ!あちっ、あちちちちちちちっ、あっちーーーーーーーーぃっ!!」
男子生徒は叫びながらどこかに行ってしまった。
頭に火がついていたから髪はチリチリになっているかもしれない。
『ひどいねぇ、いきなり攻撃するなんて』
「しょうがないだろ。反射だよ、反射。《火の玉》」
話をしながら、さっきと同じ大きさの《火の玉》を詠唱破棄で出した。
詠唱破棄は詠唱するより威力あるし便利だけど、詠唱してするより魔力を消耗します。
詠唱して使う魔法の魔力消費量を1とすると、詠唱破棄の魔法は1と2分の1。
詠唱して使う魔法の魔力消費量を2とすると、詠唱破棄の魔法は3という感じ。
詠唱して使う魔法の魔力の半分が上乗せされるってわけです。
おわかり頂けましたか?え?魔力の無駄使い?そうですね。
なぜさっき詠唱破棄したかというと・・・・・・・・、気分ですね。
『反射、ねぇ。まぁ、僕もさっきの奴気に入らなかったし、いっか』
いいのか?いいのだろうか?
「さっさと次いこうぜ」
『そうだね』
そしてガネルは順調に倒していき、本戦進出決定となった。
「ふ~、だるかった」
予選を終えたガネルが戻ってきた。
「お疲れです」
「順調にいったわね」
「順調すぎてヒマだった」
「なんだよ。俺、がんばったんだぞ。なあ、バース」
同意を求めたガネルだったが、
『Zzz』
バースは気持ちよさそうに寝ていた。
「寝んなよ!」
怒鳴ってみるが、バースは起きない。
「ったく・・・・」
バースを起こすのはあきらめて椅子に座った。




