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魔王  作者: 秋雨
13/38

武闘祭が始まります

ガネルたちとの修行(という名のいじめ)は無事に終わり、とうとう武闘祭当日。

「う~、緊張するな~」

開会式が始まるまで、生徒たちは各クラスで待機、ということになっている。

「そんなに緊張してると本来の力が発揮できないまま終わるぞ」

「そうそう。なんでもポジティブに考えないと」

「・・・・・そうだよな、緊張したらダメだよな。よし、なんか吹っ切れた」

「それでこそガネル君です」

「(なんでそれだけで吹っ切れるんだよ・・・・・・)」

単純すぎる、と緊張している他のクラスメートは呆れたような眼差しをガネルに向けていた。

「よっしゃ!がんばって勝ち残ってやる!!」

クラスメートたちの視線に全く気付かないガネルは元気いっぱいだった。

〔ピンポンパンポーン〕

放送が流れる。

〔これから武闘祭を始めるぞ~。全生徒、5分で闘技場に集まれ。よーいドン!あ、遅れた奴は即失格だから〕

その放送を聞いた生徒たちは慌てて闘技場に向かう。

「何でそんなに急いでんだよ」

みんながなぜ急いでいるのかわからないカナタは走り出そうとしたガネルを捕まえて聞く。

「ここから闘技場まで全速力で5分ぐらいなんだよ!遅れたら・・・・・・」

その後は言わず、ガネルは震えていた。

「とにかく、早く行くぞ!」

「ヤダ」

即答である。

「ヤダって・・・・・。さっきの話聞いてたのか!?」

「聞いてたけど?」

「だったら!」

自由すぎるカナタにしびれを切らしたガネルが怒鳴る。

「なら、お前先に行け。俺は《転移》で行くから」

「わかったよ!・・・・って、おまえ、転移使えんの!?」

くるっと方向転換したガネルだが、一拍も置かずに向き直る。

「ああ、それがどうした」

「すげーな!俺もそれで一緒に行く!!」

「ええ~~~?」

正直めんどくさい。だが、

「私も」

「あたしも」

カナタとガネルの会話を聞いていたリルとレナも一緒に行くと言い出した。

もう、断れない。

「はぁ、4分後に転移するからな」

「「「やった~~~~~!!」」」

「・・・・・・・・はぁ」

喜ぶ3人を見てカナタは盛大にため息をつく。

――――――4分後。

「俺に捕まってろよ」

「「ラジャー」」

「わかりました」

4人は闘技場の入り口に転移した。

幸い入り口に人はいなかった。

「よし、早く並ぼうぜ」

ガネルが先に入り、列に並ぶ。

その後からカナタたちも入る。中の観覧席はこれでもかというほどの人がいた。

「人がたくさんいるな。なんか、アリの大群みたい」

「そんなこと言わないでください。想像しちゃうじゃないですか」

「うっ」

レナはすでに想像したらしく、口を手で覆っていた。

「すまん」

謝りながら列に並ぶ。

〔みんなそろってるか~?〕

並んだ途端に放送が入る。声の主はもちろん学園長。

〔そろってるよな。ではこれより、武闘祭を始める!〕

「「「「「わあああああああああ!!!!!!」」」」」

〔武闘祭でのルール、実況はこいつらがしてくれる〕

〔どうも~!放送部部長のナナで~す〕

〔放送部副部長のネネです。よろしくお願いします〕

おてんば娘っぽい人としっかりしてそうな女子が出てきた。

〔今年は参加する選手が非常に多い。だが、武闘祭は3日間ある。てことで1日目は予選を行う!〕

〔ルールは簡単っ!12グループに分かれて、サバイバルをしてもらいまーす!各グループの上位2名が本選に出れるよ!〕

〔出場選手はこのネックレスを掛けてください。これは掛けている人が負ったダメージを吸収します。ですが、一定のダメージが溜まるととこれは壊れます〕

〔壊れた人は即失格!強制転移です!質問がある人~〕

「はいは~い」

1人の男子生徒が手を挙げる。

〔はい、そこのチャラ男君!〕

「誰がチャラ男だ!・・・・こほん。それは直接壊してもいいんですか?」

〔いいですよ~〕

〔他に質問は無いですか?〕

シーン・・・・・・・・。

〔ないの?〕

〔では、これがトーナメント表です〕

ネネの前にモニターが現れ、そこにグループの番号といろんな人の名前が書いてある。

〔これは1年用のモニターです。2年、3年のモニターは後で出てきますのでご心配なく〕

〔自分のグループを探して1グループの人はグラウンドの真ん中に集まってね!〕

〔他の人は生徒用の観覧席に行ってください〕

1年生はその場に、2年と3年はそれぞれ出てきたモニターの前に集まる。

「カナタ~。自分の名前見つかった?」

「見つかった」

「なら、俺のも探して。ぜんぜん見つかんねぇの」

ガネルはすでに探すのを諦めたらしく、モニターから視線を外している。

「お前の名前なら俺の下にあったぞ」

「カナタの場所知らねーよ」

知っていたら自分の名前も見つけられているはずである。

「しゃーねーな。えーっと・・・・・3グループだって」

「ふーん。カナタは?」

「俺、10グループ」

「え~っ。カナタと戦いたかった~」

ガネルが抗議の声をあげる。

「文句なら学園長に言え」

「・・・・・・・・・遠慮しときます」

学園長がガネルの弱点(?)らしい。覚えておこう。

「カナタ君、ガネル君」

向こうのほうからリルとレナが歩いてくる。

「あなたたち、何グループ?」

「俺は3グループ」

「10グループ」

「なーんだ、全員分かれちゃった」

レナが残念そうな顔をしながらため息をつく。

「お前らはどこ?」

「私は6です」

「あたし8」

「へえ、良い感じに分かれたな」

「あ~あ、みんなと戦いたかったのに」

「俺も~。ってことで」

ガネルがにいっと笑う。

「本戦で勝負ってことで」

「ああ」

「望むところよ」

「全員本戦で戦いましょうね」

「「「「おお~~~~~っ」」」」

気合を入れて観覧席に行く。

〔では、1グループの予選をしま~す!〕

〔場所は先生方が一生懸命創った空間で行ないます〕

〔はい、《強制転移》!〕

グラウンドに集まっていた生徒たちは一瞬で転移した。

〔向こうの様子はこのモニターで確認できます〕

グラウンドの真ん中に大きいモニターが4枚出てきた。

〔音声はないけどね~。ん?なんでって?だって、各モニターにそれぞれ音声つけたらごっちゃになって分かんないもん〕

〔言い忘れていましたが、使い魔も戦っていいので、協力して勝てくださいね〕

〔それでは、スタート!〕

1グループ、予選開始!


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