特訓しようぜ!
元の世界に戻り、指輪をつける。
「カナタ!無事か!?」
着けた瞬間にガネルが迫ってきた。
「うおっ」
カナタがよけるとガネルは何かにつまずき転がっていった。
「カナタ君、大丈夫ですか?」
リルとレナ、エルとナミも近づいてきた。
「なにがだ?」
「だって、カナタの足元から黒い煙みたいなのが出て、それに隠れて、しかもカナタの魔力が急に上がるし、もうなにがなんだかわかんなくて」
「あ~、ごめん、心配かけたみたいだな」
「ほんとよ!・・・・・・で、使い魔はどこ?」
レナは使い魔が気になったらしい。キョロキョロと回りを見ている。
「あ~、それならここ」
頭の上を指さす。
髪の毛と同化しかけているが、そこには小さい動物がいた。
「ウォーターウルフ?」
「ご名答。中級の魔物だ」
ギオウの頭をもすもすと叩く。
「カナタ君、この子の名前は?」
「ギオウ」
「よろしくお願いします」
リルがギオウに向かって頭を下げる。
『よろしくな』
頭の上から返事をする。
「みなさ~ん!大事なお知らせがあるので集まってくださ~い!!」
ノウが大声をあげてみんなを集め始めた。
「俺らも行くか」
「そうですね」
「早くいこっ」
3人は自分の使い魔を連れて集合した。
「俺、無視られた?」
『ドンマイ』
残されたガネルはバースに慰められていた。
哀れ、ガネル。
「みなさん、集まりましたね?」
「「「は~~~~~~い」」」
ノウが生徒たちを見る。
「・・・・・・何か足りない気がしますが、話を始めますね」
足りない者は気にせずにノウが話し始める。
「みなさん、毎年『武闘祭』がこの学園で行なわれていることは知っていますね?」
「お偉いさんが見に来るかもしれないやつでしょ?」
「そうです。しかも、行う時期が学園長の気まぐれで毎年苦労しています・・・・・」
ノウの顔が少しやつれた気がした。
「それで、その武闘祭が、来週執り行われることになりました」
「マジで!?」
「やった!」
「だるー・・・・」
「勝てるかな~?」
「サボるか」
「ぜってー負けねえ」
などなど、いろんな声が飛び交う。
「『絶対参加しろよ。参加しない奴はぶっ飛ばす』。これ、学園長からの伝言です」
「「ひいいいぃぃぃぃ」」
参加する気がなかった生徒、サボる気満々だった生徒は震え上がる。
「あと、今週はもう授業が無いので、使い魔とのコンタクトや魔武器の扱いなどを勉強したりしても良いですよ」
「「「やった~~~~~~~~!!」」」
何とも素直な生徒達だ。
「あと、魔法もうまく使えるようになってください」
「「「わかりました~~!!」」」
これはノウの本心だろう。
「では、解散です」
生徒たちはいっせいに散らばっていく。
「カ~ナタ!俺らと特訓しようぜ!!」
他の生徒と同じように帰ろうとしていたカナタに、ガネルが声をかけた。
「はぁ?やだよ、めんどくさい」
「そう言わずに、な?」
しぶといガネルにため息をつく。
「・・・・・・・『俺ら』って、誰々?」
「俺とバースとリルとエル、レナとナミ」
「ちょっと!あたしたちがいつ特訓するなんて言ったのよ!」
「そうですよ。そんなこと言った覚えはありませんよ」
ガネルの独断だったらしく、リルとレナが文句を言っていた。
「え~?やろうぜ!」
ガネルがしつこく迫ってくる。
「あ~も~、うっとうしい!」
「してくれるんならやめる」
少しドヤ顔なのが腹立たしい。
「はいはい、やればいいんだろ?まったく・・・・・」
「やった~!!サンキュー、カナタ!!」
カナタはもう諦めた表情になっている。
「2人は?」
「・・・・・は~、しょうがない。いいわよ」
「そうですね。断ったら後が大変そうですしね」
レナとリルも一緒にすることになった。
「じゃあ、明日からな!」
「はいはい」
「どこに集まりますか?」
「カナタの部屋に集まって闘技場に行くってのはどうだ?」
「私は良いですよ」
「あたしも~」
「よし、じゃあカナタの部屋集合で「ちょっと待て」」
決まりかけたところをカナタがさえぎる。
「・・・・・・なんだよ」
ふてながらもきちんと聞いてくれるガネル。
「何で俺の部屋に集合なんだよ」
「だってさ、カナタなかなか起きないし、ついでに集まるぐらいいいかな~って思ってな。だめか?」
「だめ」
「いいじゃないですか。悪さをするわけじゃないんですから」
「そうよ。カナタを起こすついでなんだし」
「・・・・・・はぁ、わかったよ」
しぶしぶ了解したカナタを見て3人は心の中でガッツポーズをした。
「お~い、寮に帰るぞ~」
いつの間に移動したのか、カナタは10メートルぐらい離れていた。
「待ってください!」
「おいてくなんてひどいわよ!」
「カナタ、行動早いぞ!」
口々に言いながらカナタを追いかける。
どこかの草原。
「くそっ、どこに行ったんだ、あいつは」
1人の青年が苛立ちながら人を探している。
「見つけたら絶対に・・・・・・。ふふふ、覚悟しておけよ」
青年はその場から消えた。




