約束
エピローグみたいなものです。
美帆は2日後目を覚ました。
「美帆・・?」
「明!お見舞い?」
明が学校帰りによると美帆は昔のように出迎えていた。
「大丈夫か?」
「うん。狩谷君は?」
「いなくなった」
「!!今どこにいるかわかる!?」
焦ったように言った
「え?」
「謝らないと、お礼言わないといけないのっ」
「美帆、お前悠のこと怖かったんじゃないのか?」
「あのね・・」
美帆は寂しそうに話した。
「あの日狩谷君謝ったの」
通り魔に会った日、後ろから美帆はつけられていた。
そして、振り向いた瞬間に悠に刺されたのだ。
「狩谷・・君・・!!」
「吉川さん・・ごめん」
「!!」
美帆は悠に向かって倒れこんでいた。その時、悠は美帆を支えながら小さな声で言った。
「痛い思いさせてごめん・・でも・・こうするしかない。2人には生きてほしいんだ」
美帆の意識はすでに朦朧とし始めていた。
「だから・・これは警告だ。これ以上かかわらないでくれ」
そのまま、美帆は気を失った。
それを明に話した。
「だから・・怖いけど・・怖かったけど・・明のためってわかったからもういい。狩谷君はずっと私たちを守ってくれていたんだよ・・」
美帆はそう理解した。殺されかけても、あの時の言葉に偽りはないとわかったのだ。
「悠は一体・・」
ガラッ
そこで急に部屋の戸があき、サラリーマン風の男が美帆と明の前で立ち止まった。
「ツキ・・・狩谷悠の意見を聞くことにした」
何の前振りもなく男は淡々と述べた。
「他人に言うことがないかぎりお前達を殺さない」
「・・・」
「他言した場合、例外なく殺す」
「!」
「心しておくように、お前たちは常に見張られていると」
男の一方的な言い分に明が口を挟んだ。
「悠は・・・」
はあ、と男はため息をついて明をみた。
「何だ?」
「悠はどうなったんですか?どこに・・」
「彼の存在についてもこれからは他言するな」
教える必要はないというようだったが、男は仕方なさそうに言った。
「君たちが殺されるようなことがあれば、彼は死ぬ。代わりに、君たちが誰にも言わない限り彼はおとなしく私たちのために働き続ける。それが約束だ」
「悠が死ぬ・・?」
「彼に死なれるとこちらとしてもかなりまずいのでな。自分を人質にして君たちの命を保障した。だから、彼のことを想うのならこれからは一切こちらに関わるな」
腹立たしそうに言って男はいなくなった。
「狩谷君は私達を命がけで守ってくれたんだね」
はぁ、とため息をついた。
そして沈黙が続いたところで明が口を開いた。
「美帆、ごめんな」
「何?」
「俺が余計な事したからこんな怪我させた」
ずっと後悔していた。悠のことも美帆のことも。
「これは自業自得、気にしないで」
ニッコリ笑って明の手を取った。
「でも」
「私はこうして生きてる。それにこれから私たちは生きなきゃいけない」
「っ・・・」
そして明はギュッと手を握り返した。
「これからは俺たちも悠を守らないといけない」
「そうだね」
美帆は明の眼をじっと見つめた。
「狩谷君とあの男の人との間の約束かもしれないけど・・」
「俺たちとの約束でもある。絶対に守りとおそう」
明と美帆の意思は固かった。
そして時がたち、明の前にも美帆の前にも悠は一度も姿を見せることはなく、悠のためにも2人は沈黙を通し、今を生きている。
やっと終わりました。
ここまで読んでくださりありがとうございました。




