「飛ぶ鳥」 「必要」
「飛ぶ鳥」
翼を広げて鳥が飛んでいく。
鳥はいかにも楽しげに空を舞い踊って、
高く高く舞い上がる。
そしてどこにも見えないほどの彼方に行ってしまった。
その鳥も、やがては地に落ちる。
鳥よ、どこへ行く。どこへ行った。どこへ行こうとした。
「必要」
私たちはどこにでも行けるが、どこかに行く「必要」はない。
世界がどんなに広くても、そんなものは「必要」ではない。
誰かを殴ることも、殺すことも、簡単にできる。
けれど、そんなことをする「必要」はない。
跳び跳ねて踊りながら歌うことすらできるけれど、
そんなことをする「必要」はない。
息をする「必要」すらない。
もちろん、こんな詩を書く「必要」もない。