#7
10頭のフレイムベアと対峙した俺たち5人
2頭ずつ狩れば問題ないと聞こえはいいが、実際はそう上手く事が運べない
相手はBランクに相当する魔獣
それも群れでの連携が驚くほど上手い
だが、娘たちはすでにSランクに到達した最高の冒険者
奴らの攻撃を躱すことなど朝飯前だ
さらに、フィールドは森ということもあり、
被害も最小限に抑えなきゃならない
娘たちはそれも十分理解していた
周囲に影響を及ぼす魔法も一切使わず、身体強化魔法だけで挑んでいる
この辺りは、最高ランク冒険者としての要領と言えよう
俺も、負けてられないな
まずは、娘たちと同様に身体強化をかける
「フッ!!」
軽く踏み込みを入れて、1頭のフレイムベアに近づき
首元をしっかりつかみ、そのまま捻る
首の骨が折れる鈍い音と共に、1頭を仕留める
「武器を使わずに倒した!?」
「すごい怪力…ですね」
娘たちは、再度唖然としていた
俺って、どこかおかしいのか?
その後も順調に倒していき
「やあああああああああああ!!!」
「はぁあああああああ!!!」
ジェシカとハローラのコンビネーションで最後の1頭を仕留めた
「ふぅ…、何とかなりましたね」
「お疲れ様、みんな」
「いやいや、父さんが大活躍だよ」
「うん…こんなに…動きやすい討伐は…初めて…」
う~ん…
やっぱり、過大評価してるな…
☆
昼飯前
俺たちはギルドに戻って、討伐証明となるホーンラビットの角とフレイムベアの爪を受付嬢に渡す
「どうしてフレイムベアまで!?無許可で討伐したわけじゃないですよね!?」
まあ、そう疑われてもおかしくないわな
だが、それを払拭させるためにも、俺たちは事のあらましを話した
「そういう事でしたか。近頃、あの森ではフレイムベアやレッドスコーピオンの目撃が相次いでいるんです」
「そいつは厄介だな。調査隊からの報告はないのか?」
「まだ、調査中ですので何とも…」
「そうか…」
Bランク以上の魔物の目撃が相次いでいる
ここ最近の話だという事は…もしかすると
「父さん…、怪訝な顔してるけど考え事?」
「ん?…ああ、ちょっとな…」
確定じゃないけど、あの現象がまた近づいているのかもしれないな…
☆
同じ頃
王都にあるヴェーランドル城の謁見の間では
「オスファー、今の話は真か?」
ギルドマスターであるオスファーに問いかけるのは
現国王のバラム・フェル・フィオルドだ
「間違いございません、陛下。あのタクト・カギサワが戻ってきました!」
「そうか!あの者が10年の時を経て、戻って来よったか!!これは、すぐに会わねばなるまい!!」
すぐに支度せよ!と命じる前に、宰相のイーロル・ワットが口を挟む
「おそれながら陛下、本日の公務がまだ終わっておりませぬ。明日ならば、これといった予定もございませんのでそれでよろしいのでは?」
「う…うむ。私としたことが、つい興奮してしまった。オスファー、明日そちらのギルドに顔を出す。その旨をタクト・カギサワに必ず伝えるのだ」
「承知いたしました、陛下」
そのやり取りをドアからこっそり聞いていた少女が約一名いた
自室に戻り
「あのお方が…帰ってきた…。尊敬してやまない…あの方が…」
その少女の目はハートになっていて
「ああ!またお会いできるなんて、嬉しすぎます!!待っていてください!愛しのタクト様!!」
待ちきれない興奮ではしゃいでいた
どうも、茂美坂 時治です。
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