#6
「さて、行くか」
冒険者の格好、装備もOK
ギルドに向かおうとしたら、娘たちが玄関で待っていた
それも、準備万端な状態で
「父さん、お供するよ」
「ルイたちが案内するわ」
「いやいや、ちょっと待て!お前たち、Sランクなんだろ?指定の依頼はねえのか?」
「それは心配無用です」
「うん…、依頼は全部…達成してるから…。今度は…父さんの仕事…見てみたい…」
なるほど、この子たちの意図が分かった
俺の仕事ぶりをこの目で見たいという事だろう
「いいのか?前にも言ったけど、俺10年のブランクがあるんだぞ…」
「ブランクとかじゃなくて、ありのままの父さんを見たいの」
「堅苦しい姿を見たいわけじゃないよ」
う~ん…、そう言ってくれるのはありがたいけど…、期待外れなことしてしまいそうだ…
「ダメ…?」
ジェシカが涙を浮かべながら上目遣いしてくる
…ぐっ、それは反則だろ
「わかった…。一緒に行こう」
「「「「やったぁーーーー!!!!」」」」
家の前ではしゃぐ娘たち
そんなに俺と行きたかったの?
☆
今回、俺が受けた依頼はホーンラビット15匹の討伐
ホーンラビット
その名の通り、角が生えたウサギだ
ただ、畑の野菜を食い散らかす厄介者としても有名である
そして、その肉は臭みがほとんどなく肉好きにはたまらない味だ
かくいう俺も、ホーンラビットの肉は好きだ
討伐先は森の中
「この森に来るのは久しぶりだな」
「私たちも最初の依頼を受けたのはこの森の薬草採取だったわ」
「懐かしいですね」
「うーん…、ここの森って思った以上に広いからね…見つけるのに苦労しそうだわ」
「そこは…父さんが…全部…解決してくれる…」
俺に丸投げかい!
って、俺が受けた依頼だった…
俺は昔の感覚を少しでも取り戻すため、気配察知をする
「見つけた」
「…え?」
木の後ろに隠れていたホーンラビット1匹を討伐
「ふぅ…、まず1匹目」
「は、速すぎる…」
娘たちは、何故か体をワナワナさせていた
「どうした、みんな?」
「普通、あんなスムーズに討伐できる?」
「無理…。見つけた後の討伐の仕方があまりにも綺麗すぎて…」
「ブランクを感じさせないほどの素晴らしさです」
「見惚れた…。やっぱり…父さんは…すごい」
何か、過大評価してないか?
☆
その後もスムーズに進み、10分足らずで目標の15匹を討伐した
「やっぱり、父さんはすごいや!!」
「かっこよすぎでしょ!?」
「いやいや、いたって普通だぞ?」
「そんなことありません!もっと自分に自信を持ってください!」
まったく、この子たちは…
ん?
なにかこっちに複数近づいてくる?
「グォオオオオオオオ!!」
「な、何!?」
「こいつは、フレイムベアだ!」
「待って、父さん!10匹はいるよ!!」
「それ、めちゃくちゃヤバい状況じゃありません!?」
フレイムベア
炎を操る熊
図体がデカい割に、俊敏な動きを見せてくる
確か、Bランクだったっけ
しかし、10匹のフレイムベアがいるという事は
Sランクレベルと言っても過言じゃない
通常、熊は単独で行動する
だが、フレイムベアは常に群れで行動するのだ
その為、高ランク冒険者でも骨折や腕や足を失うといった大怪我をすることもある
でも、逃げるわけにはいかない!
俺は、英雄と呼ばれた冒険者だからな!!
「ジェシカ、ルイ、ハローラ、クラリス!即興だが、力を合わせるぞ!」
「オッケー、父さん!!」
「父さんといれば怖いものなしだね!」
「いつでも行けます!」
「私も…頑張る!!」
よし、娘たちと共闘だ!!
どうも、茂美坂 時治です。
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