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#4

「話って、何だよ?」


対面で話すことになったが、奴の空気は妙に重い


「最初に、これを渡そうと思ってな」

そう渡してきたのは、俺が過去に持っていたギルドカードだ


「なっ!?いらないから捨ててくれと言ったのに!」


そう、俺は元の世界に戻る前に皆にそう告げていたんだ


「俺もそうしようと思ってたんだがな、捨てるのはもったいないだの後世に残しておくべきだという連中が多くて、前任のマスターが残そうと決心してギルドマスター室に保管されてたんだ」

「そうだったのか…。てっきり、お前の独断でやったのかと」

「さすがにそんな真似は出来ねえよ」


俺は疑問に思ってたことをぶつける

「で、お前がギルドマスターになったきっかけは何だ?」

「単純な話だ。タクトと組んだことがあって、かつ、Sランクの実績がある者が基準となってな。その中でトップだったのが俺だったってわけ」

「確かに、お前は面倒見がよさそうだ。けど、さっきのアレはさすがに見過ごせないんじゃないか?」

「うっ…、それは俺の責任でもあるな。あとで、きっちりお灸を据えておくよ」


この話はもう終わったが、オスファーがこんな話をしてきた


「タクト、10年ぶりに戻ってきてくれて、本当にうれしいよ」

「何だよ、急に?」

「いや、もう二度と会えねえじゃねえかって思っててな。それに、お前の娘たちも相当ヤバかったからな」

「ヤバいってどんな?」

「今だから話せるんだが、アリアさんやあの子たち、2年くらい引き籠ってたんだよ」

「…え?」


俺の家族が引き籠ってた?

それも2年!?


「最初の頃なんか、毎日泣いてたんだ。それこそ、体が干からびそうなくらいにな。まともに食事もとってなかったから、ガリガリに痩せてたんだ。これはさすがにまずいと俺たちや貴族の方たちが宥めてた。でも、あの子たちは『父さんを呼び戻して』の一点張りで言う事も聞いてくれなかった。半年くらいたってから、食事をとってくれたんだが、今度は部屋に引き籠るようになってな。これもまた、『父さんを連れてきて』と大変だったよ。まあ、ようやく現実が分かってくれて、部屋から出てきてくれた。そこからは、俺たちがお前の代わりに教育してたんだ」

「そうだったのか。お前に苦労させちまったな」

「なぁに、お前には助けられてる身だからな。その恩を返しただけだ」

「その恩は釣り合ってるのか?」

「それはそれ、これはこれだ」

「でも、俺の家族のために…ありがとう」


俺は、オスファーに頭を下げる


「さて、いよいよお前は忙しくなりそうだな」

「今度は何の話だ?」


何の前触れもなく話すのはこいつの悪い癖だ


「知っての通り、このギルドは国王陛下との繋がりがある。となれば、陛下にお前の事を知らせるのが筋ってもんだ」

「という事は…もしかして…」

「ああ、陛下から直々にお呼びがかかるだろうな」

「うわぁ…、マジか…」


俺は国王とか貴族との付き合いは正直苦手だけど、英雄になっちまったら

引き下がるわけにはいかないな


「で、いつ知らせに行くんだ?」

「今からだ」

「は!??今からか!?お前、仕事は?」

「そっちは嬢に引き継がせときゃ、何とかなる!」


おいおい…

丸投げかよ


そして、宣言通りオスファーはギルドを後にした


「父さん、あの人すごく慌てて出て行っちゃったけど…」

「国王陛下に俺の事を話してくるんだとさ」

「え!??じゃあ、マスターの仕事はどうなります?」

「嬢に引き継ぐとか言ってたけど」


すると、受付嬢の面に般若が宿る


「何やってるんですか、あの人!!!忙しくなれば、私たちに仕事を全部振るわ、休みになればぐうたらするわで、ホント限界が来てるんです!!」

「苦労してんだな、嬢ちゃん…」

「慰めは結構です!!」


その後、俺たちがあいつにきっちりとお灸を据えたのは言うまでもない。

どうも、茂美坂 時治です。

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